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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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第三勢力の主として

「じゃあ改めて宜しく」

「おう、行って来い」


 俺はロキの言葉を思い出す。

”何故この世界を生んだのか”

これはロキはロキとしての役割を負って

誕生したにも拘らず、それが

ズレたのだろう。結果、今回初めて物語

外の行動に出た。

これはひょっとすると世界の修正が

働いているのか。

 ……怖い話だな。何れ俺も問う事に

なるかもしれない。メデューサさんに

よれば、俺は勇者では無いらしい。

あの時のキレ方からして嘘を吐くとは

思えない。ロキが漏らしたのか、

それとも此処に来る時に得たのか。

となれば俺は予定していた勝利者でも、

この世界のバランサーでは無かった

可能性が高い。潜り抜けた事で

認定されたという事か。


「おっさん何やってんだ!」


 ホント子供特有の高い声で怒鳴られる

と耳キーンてなるから苦手。

考えながら後を追っていくと、ムシュが

下へ降りる階段の前で浮遊していた。


「はいはいゴメンねムシュちゃん」

「……アンタさ、滅びるって怖い?」


 俺に顔を見せず、背中越しに

そう問われた。俺は一瞬おちゃらけようと

思ったが、さっきの水人に言われた事も

あって真面目に答える事にした。


「……滅びた事が無いから解らないな。

ただそれ以降に何もないなら楽かもな。

俺が聞く所によると、死んだ後修行が

始まるなんて考えもあるらしいから、

一概に何とも言えない」

「好きな物とか人とか触れたり出来なく

なるのに悲しくないの?」

「元々何も無かったからなぁ。

今こうなった上で答えるなら……。

悲しくない訳無いと思うから頑張ってる。

ただ起こるかもしれない事に

あれこれ頭を捻るより、

ある程度起るであろう事を幾つか

考えたら、後は今出来る事をするだけしか

出来ない。元々空の上を行く話だったのが、

今急に身近になったから戸惑っても

居るけど」

「この世界は滅びても良い?」

「良くないな。そして俺がそれを

止める事が出来るなら、全力で止める。

何せ何回目か解らんが言うと、マジで

この世界というか冒険活劇を堪能してない。

こんなチートぽい能力持ってるのに

圧倒した事がほぼ無い! 悦に浸る暇も

無い。それなのに終わりとか不親切にも

程がある!」


 俺が力説すると、ムシュは振り返る。


「ならどうにかしなくちゃね」


 不安でも精一杯作った笑顔で

そう言う凶悪マスコットに俺は

笑顔で頷き返す。


「頑張って喋ったにしては上出来だね」

「解ってたならさっさと止めるべきだ

マスコット。俺は喋るタイプじゃないんだ。

頭の中は常時賑やかではあるが」

「流石引き篭り」

「そらそうよ」


 俺とムシュは下の階へと降りる。

降り切る前から、下の階からは

紫の瘴気が漂っているのが見えた。

恐らくこれは毒だな。いきなり

ヘビーになり過ぎだろ。


「ムシュ、俺はこの状態で

この瘴気の中を動けるのか?」

「動ける。ただし普通の人なら

奥までは行けない」

「いきなりか」


 否が応にも俺はこの星力を

纏った状態を維持しなければならない。

寧ろこの星力の維持を前提とした

階層になっていくって事だな。

そして星とのリンクを切られない様に

気をつけないと。先ず相棒を身近に。

次に纏う感覚を忘れない。最後に

体力の消耗だ。この問題をどう改善するか。


「ムシュ、クリアしたら休憩所

くらいあるのか?」

「一応不可能な条件設定はしていないと

言っておく」


 幾つか手はあるんだよなぁ。

試してみるか。


「なっ!?」

「つぁっ!」


 俺は下の階に降り立つと、

直ぐに相棒を引き抜いたと同時に、

素早く剣身を当てるように斜めに振る。

魔法が使えなくなった今、

風を起こす方法と言ったらこれしかない。

成功し風は起こった。

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