星とのリンク
―― rotoraD lt = new ratoraD();
lt.goldeditT();
――
「やぁ」
不意に横から声が掛かる。
ロキがそこにいた。居なくなったり出てきたりと
ホント忙しい奴だ。
「何しに来たんだ?」
「いやなに君が困っているだろうと思って」
「そら困るだろ。こんなのを動かせって」
「君は自分の力でこのデカイのをなんとか
しようとしてるんだろうけど、
それは違うから」
「星力でっていうんだろ?」
「そうそう。君は脳味噌が基本肉弾戦で構成
されてるようだけど、星力を最初に使った時
何をしたか思い出してみてよ」
「ああ、そういえば相棒を」
「そういうことだよ。君の相棒は鍵なんだ。
鍵を使わなきゃ君の場合星力を使うことは
出来ない」
「俺の場合は相棒とのコンタクトが
必須なわけだ。そうじゃない事もあると」
「そう言う事だね」
「……随分気前が良いな。何か良い事でも
あったのか?」
俺がそう問うと、ロキは嫌らしい顔をして
ニヤリと笑った。
「そうだよ。ちゃんと釣れた。
やはり僕の目に狂いは無かったって実証
出来たんでね」
「俺が良い餌だった事に感謝してくれ」
「勿論感謝するよ。当然さ。何だったら
一千年位君に仕えても良いくらいだ」
「へぇ。その言葉覚えておくよ」
「生きてたらの話さ」
「お互いにな。戻ったりしなければ」
俺がそういうと、ロキは目を丸くして
口を開けたまま停止した。
「どした?」
「……いや、そうだね。今は先に進む
話をしようじゃないか」
珍しく取り乱しているなぁ。
イジってやっても良いが、面倒なので
止めておく。俺は相棒を引き抜き
意識を集中する為目を閉じる。
黒に染まる中で、俺は手に有る
相棒二振りに集中する。
そしていつも通りに丹田から息を
吐きつつ経穴から気を外に流し、
二振りに気を通す。
問題は此処からだ。
変わると言ってもどう変化させれば
それになるのか。
星力とは星の力をダイレクトに受ける事。
この星に生まれたものなら、
誰もが受ける事が出来る。
キーになる相棒にただ気を通すだけでは
不足。……より細く凝縮した気になるよう、
流す気の経絡を正確に確認しながら流す。
引き篭りというのは暇人である。
知識を得ようと思えば無限に得られる。
俺は弱い自分をどうにかしたくて、
武術について検索した中で、相手を
攻撃する際に突くと効果的なものとして
経穴を学び、気の流れる道として経絡を
学んだ。暇ではあったが体力が無かった為、
ものにはならなかったけど。
――気の流れを感知、総量超過――
――量質共に確認。次のフェーズに移行――
――Stand by ........――
ロキの言っていたこの世界に溶けたら
駄目だと言っていたのはこれの事なんだろう。
元々この世界に来て与えられた能力でなければ、
恐らく総量と質が相棒に通した時に
次のフェーズへと移行する為には
足りなかったんだろう。
――星とのリンクを開始――
――星力開放――
相棒たちを通して、多くのエネルギーが
俺の体に流れ込む。器として耐えられるか
というのも試されていたのだろう。




