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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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279/570

介入

「まぁ俺はロキ嫌いだから喋るが、

お前が運良く辿り着ければ最終決戦だ」

「運良くって」

「それはそうだろう。お前が弱いから

こんなまだるっこしい事をしてるんだから。

もう賽は投げられた」

「俺は何もしてないと思うが」

「お前の言う何もしていないというのは、

具体的に言うと正規ルートから外れるような

事はしていないという事か?」


 ……正規ルート……。確かにそう言われれば

行くか行かないかの選択すら、行かざるを得ない

状態で選択している。そういう意味では

正規ルートなんだろう。……誰にとって?



――//危険領域

 

   String word = "オーディン" ;

――



「そういう点も含めて考えて修行しろ。

流される事で辿り着くのが決して

ハッピーエンドでは無い事は、

アイゼンリウトで学んだだろう?」

「アイゼンリウトってあのアーサーの事か」

「アーサーというこの世界に溶けた異世界人だ。

お前は気持ち良く英雄になっているんだろう。

能力もあり人格も悪くなかったからだ。

だが、それは此処に来る前のお前で

なり得た事か?」

「それは無いな」

「……そう言う所だな。そこは解らないじゃ

ないかとか突っ張って良い所だ。能力を

与えられたからと言って、誰しもが人を

救える訳ではないし、救おうと思うものでもない。

アイゼンリウトのあれはそういうものだ。

それに別に魔物を敵を戦う事だけで平伏させるのが

英雄ではない。兎に角お前に必要なのは

自分を信じ抜く事だ。信じていいかな、

信じてみようじゃない。信じ抜く事だ。

根拠のない自信がどうとかそう言う事じゃない。

誰も根拠ある自信なんて無いんだ。

ただ信じ抜く事で初めて成る事もある」

「……俺は誰に選ばれたんだ?」

「それも考えながら修行すると良い。

その為のものでもある。

お前にそもそも考えるなと言った所で、

すんなりそうなれるとは思っていない。

であればトコトン考えて迷って答えを出すと良い。

俺はその間クっちゃんとかと遊んでっからさ!」


 そう俺に告げると、水人は、するするーと

移動していってしまった。



―― while ((word == br.readLine()) !null) { ――



 しかしなるほどね。最初からここまで

ほぼほぼ示された道を辿ってきたなぁ。

最初の村で捕えられた後、ファニーと

出逢った事で自動的に首都に行く道が出来た。

姫が現れ追われるようにアーサーとの対決。

あれは考えれば英雄の交代だったのかもしれない。

 本来であればあの時放った一撃によって、

俺は消えていても可笑しくなかった。

誰かの御眼鏡にかなった訳だ。

誰かの……ってもう思い当たるのは一人しか

居ない。


「っとっと! それ以上はダメだ」


―― //危険領域 String word = "オーディン" ;――


 俺の頭の中に浮かびかけた時に、

突然羽交い絞めにされ、神殿から離される。

俺はしゃがみ込んだ勢いで腕を抜くと、

距離を取って振り返る。

そこには見た事も無い、背の高い大学生くらいの

男が居た。黒いセーターに黒のチノパン。

この世界に場違いなその格好を見て、俺の思考は停止した。

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