プロデュースしたい人達
「ラハムプロデューーース!」
いきなり魚人の後ろから
水が人の形になっている物体が
飛び出してきた。
「ラハム様ー! 何やってんすか
こんなところでー。まだこっち終わってないからー」
「ダメだお前達は!」
「はいー? ちょラハム様何言ってんの!?」
「またお前達は修行だからってだらだらだらだら。
生っちょろい空気漂わせやがって。
ここはテニスサークルじゃねーんだぞこのバカタレが!」
「言い過ぎだろー!ラハム様ぁ!」
「お前達にはこれから、潰し合いをして頂きマンモス!」
「ふるっ!?」
相方のようである。
俺達は二人を並んで見ていたが、実に魚人は
生き生きしている。
こっちは皆固まってるって言うのに……。
「はいお前達0ポインツ!」
「いやどうでもいいから通せよここを」
流石に俺も訳が解らないので話を遮る事にした。
「えー、ちなみにこの後行われる競技で最下位の人には、
過酷な罰ゲームを受けて頂きーますっ」
「頂かねぇよ。最下位の基準て何さ」
「ポイント制だよ馬鹿だねーお前は」
「はいはい面倒だからお前ぶっ飛ばすわ。それで
御終い」
「はい10ポインツ!」
「何の基準で10も入ったんだ……
俺ですら取った事無いのに」
どんなポンコツ魚人だよ。
10ポイントどういう基準で入ったのか
お前も解らないなんて、もう水槽に飛び込んで
死にかけるくらいしか思いつかない彼の場合。
「先ずはこちらから」
「でーでん。この建物を動かそーう」
「いやいやいや違うから。こんな神殿ぽいもの
動かせないから」
「動かせよ」
「動かせないよ」
「じゃあ通せないな」
「押し通る!」
俺は黒隕剣を引き抜き刃を出して、
そのまま水人と魚人を斬り伏せるべく薙いだ。
魚人はビタビタと飛び跳ねて避け、
水人は上下に別れたものの、直ぐ元に戻った。
「ハイ次!」
ぶれない水人。
皆も其々構え始めた。が、これはダメなやつだ。
コイツらアホの振りして強いぞ……。
この人数が居た所で勝てる気がしない。
特に水何て叩き斬ろうとしてどうにか
なるものじゃない。手があるとすれば
コアを破壊するか、蒸発させるかだが。
「……別に睨みあってても構わんが、
ただ悪戯に時が過ぎるだけだが良いのか?」
「へぇまともに喋る気があったのか」
「当り前だろう。癪に障るが今はお前の力が
必要だ。こんな事でもしなければやってられん。
興が醒める」
俺の所為みたいになってるんだが。
納得いかないなおい。
「っさ! そう言った訳で今日のアシスタントは
この方です!」
「どうもー。アシスタントのメデューサです♪」
おい。本物のメデューサさんイラッとして
らっしゃるぞ今。
「どうですかーメデューサさん。
最近グラビアの仕事とか」
言い終わらないうちに四散する水人。
グラビアってなんだグラビアって。
「真似をしたのは私ではないのだが」
「っせーなバーカ」
「はいはい。そういうの良いからここ立って」
「嫌です。何で貴方の隣なんかに」
「折角罰ゲーム逃れるチャンスだったのに」
ボソッと言う水人。言い終わらないうちに
小走りで水人に近付くロリーナ。
メデューサさんはしゃがんで左足を横に伸ばし、
ロリーナを引っ掛けて転ばした。




