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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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思いだす

「い、痛い……」

「あれ……僕なんでここにいるんだっけ」


 俺は激痛によって目を覚ます。

急に記憶の波が襲ってきた。

ティアマト様と雨の中で話した事、

メデューサと初めて会った時の事、

竜人達の作戦変更と石化して放り込まれた

という仲間達。

 そういえば、ここに来る前に

ヘラクルスさんと話した話で、マジック

アイテムの話があったが此処にはないのか。

年月が過ぎた物。この大陸はひょっとして、

この世界で最初の大陸なんじゃないだろうか。

となると、最も古い……。


「痛いっ!」

「なんだろうなぁ解らないなぁ」


 結構真面目に考えていたが、

おもっきりガシガシ寝転がっている俺の

太股を蹴ってる。


「聞いてんのかおい。痛いって」

「知らんし。女装が趣味なんで」


 ほっぺた膨らまして怒ってらっしゃる。

急に可愛いじゃないか。


「いやゴメンゴメン、中世的な顔してたもん

だから……って何でそんな古い話を……」


 俺は蹴られながら立ち上がる。

一応蹴るのを止めてくれたが、

頬はそのまま仁王立ち、市井の御姫様

ロリーナ様である。


「ホント悪かったよ。まさか根にもつとは」

「ん!?」

「いえ、きっとお母様譲りの美しい顔立ちを、

俺のボキャブラリーでは陳腐な表現しか出来ないから、

つい自分への皮肉と失望にがっかりして、

女装趣味などと心にもない事を言いました」


 小難しい言葉を並べてみたところ、

徐々に頬の大きさはしぼんでいって、

終いには元に戻った。


「まぁ良いよ。許す」

「おぉ」

「その代わり」

「却下」

「えー!?」


 碌でもない事を言うにきまっているのである。


「さぁさっさと行くぞ。この先混んでるのに

こんな所に長居は無用だ」

「えー!? 嘘だよ! 僕の条件聞いてよ!」

「あーはいはい。終わったら聞いてあげるよ何でも」

「……何でも?」

「応相談」

「それ何でもじゃないよ! ウソツキ!」

「内容によっては聞かないでもないから嘘でもない」

「聞かなかったら嘘じゃないか」

「言ってみたまえよ」

「え!? えーとえーと」

「はい十、九」

「カウント早い!」

「じゅぅーーー」

「じゃあね」

「え、もう叶えたけど」

「は!?」

「カウント遅くしました、ハイ終了」

「んがぁ!!!」


 外見美人なのに中身残念。

ガジガジ俺の肩を噛んでいるロリーナ。

可笑しいなぁ叶えてあげたのにぃ。


「ふふ」


 小さな笑い声が聞こえてきた。

声の主はメデューサさんだ。

俺もそれにつられて笑う。

一頻り笑い終えた後、


「ごめんなさい。私達こういう雰囲気の中に

居るのが初めてで」


 そうメデューサさんは嬉しそうに言った。

突っ込まないが、4人ともそうなのかもしれない。

和んで何より。肩がめっちゃ継続的に

ダメージを受けてるけど。


「あのー」


 濁声が聞こえてきたので見ると、

変なのが居た。


「……魚が2足歩行で槍持って鎧着てるぞ」

「それもう良いから。二回目だから」

「俺は一回目だが」

「二回目なの。煩いなぁ。それよりお前ら、

俺の事ほっぽっといて何やってんだ」

「いや俺は何してたんだ?」

「知ってたまるか!」

「お前二回目っていったじゃないか。説明してくれ」

「うっさいボケ! 往生せいや!」


 魚人が槍を構えながら、ばったんばったん走ってきた。

それも口をぱくぱくさせながら。

誰だか知らないけど噴出した。俺も噴き出す。


「ちょ、ちょっと待って」


 それを言うのが精一杯。

俺は噛まれていない空いていた左手を突きだし静止した。

そして酸素不足になって咽るほど爆笑。


「ほん、ちょ、まっ。お腹痛いお腹痛い」

「ダメー死ぬー」

「何それ酷いよ」


 俺とメデューサさん、ロリーナは転がりながら抗議した。


「いやお前ら笑い過ぎだろ! 何三人でウケてるんだ!

後そこの二匹、この時とばかりに休憩取るな!」


 一々丁寧なツッコミである。電動バイクのってる人

みたいだよ魚人さん。

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