表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

269/570

目覚める者

「そうか、それが貴様の目的なのだな」


 これまで黙って空に浮いていた

ロリーナから、おっさんの声が飛んできた。

振り返ると、人相が悪くなっている。

元々男勝りではあったが、顔つきが

男っぽくなっている。


「やっと出てきたのか」

「随分と余裕じゃないか」


 俺とロキは見上げてそう言う。

いきなりロリーナが変わるはずが無い。

それにロキは利用するなら何でも使う

そう言っていた。

ロリーナ達の祖先で在り、ファニーを

封印した者。今は魔法使いになっていた

男だから、これ位の芸当はやってくると、

さっきの話の中で思った。


「元々貴様が気に食わなかった。それは

貴様とて知っているはずだ。今回は

ティアマト様の為に止むを得ず力を借りたが、

それは間違いであったわ」

「そうか? 寧ろ借りないで本気で向こうに

勝つつもりだったのか?」


 俺は素直な疑問を口にする。

ロキの立ち位置、俺の立ち位置からして、

どう足掻いてもロキ無しでは勝ち目すら

見えない、下手をすれば蹂躙されるのが

目に見えているような戦況になったはずだ。

 ……そう、これは俺を鍛えつつ

俺にティアマトさんを殺させる為の

戦いだ。それを読んだからこそ、

ティアマトさんも俺の前に現れたのだ。

言わばこっちは抗う組。

 そういう意味ではこいつは明らかに

補欠みたいなもんだろう。

ロキが俺の為に用意したと思う。


「良い感じだから頑張ってよ君」


 ロキは煽るようにロリーナっぽい者に

手をひらひらさせながら言った。

当然青筋を立てながら口が裂けんばかりに

微笑み、俺に向かって飛んでくる

ロリーナっぽい者。


「ああそうだ。多分前に貰った目の加護とか

全部剥がれてるから気をつけて」


 お茶っぱ切れてるから入れてね位の

簡単な感じで言うロキ。阿呆過ぎる。

後で殴ろうかしら。


「あ」


 俺は思いっきり空振りする。

そらそうだわびっくりした。早過ぎる。

それに地面を砕いている。そんな力入れてないぞ!?


「ちなみに君は全体に強化されているから、

力を上手く使わないと潰しちゃうよ?」

「おま!」


 お前と言いたかったんだが、

怒れるロリーナっぽい者が、地面を蹴って

斬りかかってきたので、途切れた。

目に力を入れて凝視するような感じで見る。

それはゆっくり歩いている位のスピードになっていた。

対処する為に動くが、俺はいつもの速さ。

うっかりロリーナっぽい者の横を行きすぎたので、

直ぐに戻って肩の辺りを突き飛ばした。


「わーすごーい明後日の方までとんでいったー」


 間の抜けた声で言う俺。


「そうそう、今は武器を使わない方が賢明だよ

生かしたいなら」

「こんなのオンオフしっかりしないと

死んでしまうぞ」

「そうなんだよね。星からダイレクトに力を

送られているから、常時オンにしてたら

破壊神になれるよきっと」


 実に楽しそうな声で言う。

ただ冗談じゃなくこの状態を

どうにかコントロールしないと、

破壊神になりかねない。

しかも体の強度も上がっているから、

速度が上がった所で、反動が何もない。

普通ロリーナっぽい者をあれだけ

吹き飛ばしたら、肩を痛める筈なのに、

力を入れた訳でもないから痛めても居ない。

それに髪すら強化されてて動きもしない。

元々ボサボサだけれども。


「まぁまぁ彼も張りきって出てきたんだから、

相手してあげなよちゃんと」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ