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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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分断

 二人が覗いている宝箱を見ると、

革の鎧が無造作に置かれていた。

割としっかり作られた物なのに扱いが雑。


「よいしょっと」


 メデューサさんは俺達が何かする前

言う前に、革の鎧を取りだすとおもむろに

解体し始めた。

無理やり剥がすのではなく、

繋ぎ目を確認して、そこを髪になっている

蛇の牙を上手く引っ掛けて持ち上げた後、

別の蛇の牙で切って解いていった。

 革の鎧は皮の鎧と違って、

丁寧になめしてある上質な皮を使っている。

なので物が良ければ再利用も可能なのだ。

 ショルダー部分と胴の部分、腰から下の

部分と分けた後、胴の部分の横を切れと

俺に言ってきたので、ぼろぼろしないように

綺麗にカットした。

 メデューサさんはそれをさっきの毛皮の

上に乗せた。凄いなぁ騎乗大好きなだけ

あって即席で鞍っぽく仕上げた。

 しかしリウも大人しいもんだ。

嫌がるかと思ったけど、乗せられても

立っているだけだった。


「さ、行きましょう」


 ご満悦のようで、笑顔で俺たちの方を

見た。促された俺たちは直ぐに元の

フォーメーションに戻る。

 俺たちは四階へと突入。

だがここも内容的には変わらずだった。

唯一違う点は宝箱一切無しと言う

ミノさん側が暴挙に出たことである。心を折りに来たらしい。

一番奥まで行ったものの、今回は何も無い。

ボスすら居ない。リアクションもせず俺たちは

そのまま五階へ。少しずつ潜って行っている

気はしている。簡単に引き返せないという

ダンジョン独特の状況が、息苦しくさせる。

ただ何が来るか、何が手に入るのかという

期待が、気分を高揚させた。

 自分でもテンションが上がっているのが

手に取るように解る。更に前後から

骸骨が襲撃してくる回数が増えたのも、

拍車をかけていた。


「ギトウ待ってくれ!」


 当然俺がかかっているのだから、

若いギトウがかからないわけは無い。

必殺技を手に入れたのもあるし、

更に道着ゴブリンを二回目安定して倒せた。

自信を手に入れた時が、石に躓きやすい。


「いえ、行きましょう! まだ行けます!」


 不味い。


 俺はギトウを止めるべく前に移動しようと

したが、こんな時に限って途切れない。

リウは状況を察してメデューサさんに、

背中に乗るよう促した。

 メデューサさんも察して乗る。

その後上から援護の為、骸骨の足止めの為に

石化させたりしてくれている。

 それでも止まらない。四階と打って変わって

いきなり物量で押してきた。


「うぉおおおおあああああ!」


 ギトウの気合の声が響き渡る。


 駄目だ駄目だ駄目だ。

完全に見失っている。元々察するのが全く

出来ていないのに、突っ込みすぎたら。


「コウさん!」


 後方を捌きながら何か良い案はないかと

考えていると、後ろから声が。

振り返るといつの間にかリウとメデューサさんが

敵を捌いている。


「しまった!」


 案の定分断されていた。

調子が良いのは間違いじゃない。

成長期に入りかけた。だからこそ、

初戦の屈辱を取り戻す為に、

もっと成長したい、今ならもっともっと

ガンガンいける! そういう状態に

陥っている。

 今のギトウなら誰彼構わず、敵とみなせば

襲い掛かる。それは避けないと。

まだ他の仲間を見つけていない。

リウのように石化を解かれて放置されていたら……!


「キャア!」


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