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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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探索にて その3

「さぁ皆さん行きましょう」


 俺とギトウは黙って頷く。

リウを連れて歩き出したメデューサさんは

どうやら平静を取り戻したようだ。

ひょっとすると機嫌がよろしいかも。

ここは余計な事をせずに、黙って付いて

いくのが宜しい。


「解ったか?」

「明鏡止水」


 ギトウの返答に俺は親指を立てる。

そして頷き合うと、なるべく

引っかからない様に付いていく。


 三階に辿りつくと、ギトウは前に出る。

俺は後方に着き、リウとメデューサさんを

警護するようなフォーメーションを取る。

初回巡回だから、部屋を一つ一つ確認していく。


「お」


 俺は驚いて声を上げた。

最初の部屋の宝箱を開けると、

そこの中には草ではなく、

動物の毛皮が出てきたからだ。

寒い所に行くなら、鎧の上にきたら

丁度好さそうな感じのものだった。

この先どこへ行かされるのか解らないから、

これは素直にうれしかった。


 今の所寒い地域って行ってない気がする。

というかこの世界自体、あまり寒暖の差が

無い気がする。

日本くらいしか四季が無と聞いた事がある。

他の地域は雨季と乾季とか、

基本夏であと別バージョンの夏とか。

この世界は言わば春と

春の別バージョンしか、今まで旅してきて

感じた事は無い。

 なので必要かどうか解らないけど、

これは保管しておこう。


「あ、それこっちに下さい」


 俺が色々考えて折りたたみ、

部屋の外に出ると、メデューサさんに

あっさり没収された……。


「なんです? 貴方これ着るんですか今」

「いいえ……」


 割と強めに言われた事には驚いたが、

メデューサさんは直ぐにリウの背中に

それを掛ける。


「一応何かあった時の為に、応急措置です。

皮製品が出てきたら私に下さい」


 事務的だのぅ。まぁでも目的は解った。

俺は頷いてギトウを見る。

ギトウも頷いて探索を再開する。


 ダンジョン自体は一、二階と変わり映えは

しなかった。敵も骸骨のみ。俺達は

慣れた感じで進んでいく。まだ浅い層だから

当然と言えば当然か。

 すんなり奥の部屋に辿りつくが、そこには

無造作に宝箱が一つ置かれているだけだった。

慎重に近付いていつも通り刃先で空ける。

こういう時盗賊スキルとか持ってたらなぁと、

ホッとする度思う。

ブルームを連れてくる訳にはいかないから、

ロリーナ達にダンジョン教習受けさせたのに。

 こういう時に単騎で動いたツケが

回ってくる。なまじ俺が色々な人達の協力と

力を授かった事で、

単騎で動けるという計算を自分でして

動いた結果、待機している仲間が

強襲されて、今ボッチという

感じになっている。


 仲間の力を信じているが、

強襲されるという事は、何も正面から

力で押すのみではない。

搦め手も当然考慮しなければならない。

完封するのは難しいし、俺が一緒に居ても

同じ結果になったかもしれないが、

分散して動くのも大事だなと

反省している。

 何よりダンジョン攻略の選抜と

考えていたショウもロリーナもハクも

いないのは痛すぎる。

 次に何かいけそうな時は、

頼んでみるとしよう。

それはそれとして、今一度このパーティで

何が出来るのか再確認しておかなくちゃ。


「先生」


 ギトウに言われてハッとなる。

そして宝箱を囲んでいるギトウと

メデューサさんの元へ行く。

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