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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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ミノさんの隠し芸

「よし、じゃあ気をつけて進もう」


 何も良くはないが、流れを変えるべく声を出した。

特に内容は無難な物をチョイスする。

真面目に気をつけて進むべきだしね。

 俺は周りを良く見ながら進む。

こういう時壁の窪みや天井の色が


「あぶね!」


 ギトウの腕を掴んで下がらせる。

ギトウがそのまま進んでいたら、居たであろう場所は、

石と土が俺の胸辺りまで山となっていた。


「あ、有難うございます」


 俺は笑顔で返す。しかし確実に狙ってきてるな。

石が頭に落ちるだけでもダメージでかいのに、

土も後から落ちてくれば更にダメージは大きくなる。


「前に勇者を撃退する為に家に罠しかけるゲームやったなぁ」


 ふとぼそっとつぶやいた。


「やった事ある」


 俺のつぶやきに反応したのか、となりのエウリュアレーの

顔を見る。優しく笑っていた。まぁ聞かなくても中の人の一人なんだろう。


「レトロゲーマーなのな」

「名作は廃れない」


 偉そうに胸を張って言い放った。

それは最もだ、と俺も大きく頷く。


「よ、よく解りませんが、何かあったら宜しくお願いします」


 ドギマギしながらこっちをみるギトウ。

俺とエウリュアレーは満面の笑みで頷く。


「さて、ここからどんな罠がどんな間隔で来るか見ものだな」

「そだねー。性格が出るんだよねって言ってる」

「なるほど……ねっと!」


 バランスを崩したギトウの腕を掴む。

こういう時外骨格だと不便でもあり便利でもある。

ギトウの場合元々から進化しているので、あまり

突起しているところが無い為掴み辛い。

ただ腕などで内側の筋肉以外は遠慮なくつかめる。


「ば、バランス崩しただけですが……」

「エウリュ」

「はいよ」


 エウリュアレーは俺とギトウを押して暫く先に行かせる。

ある程度離れたのを見て、ギトウがバランスを崩して

手を突いたであろう壁に手を当てる。

 次の瞬間壁が崩れる。エウリュアレーは解っていたので

素早く回避して戻ると、両手を広げた後綺麗にお辞儀した。


「な?」


 俺がそういうと、ギトウが肩を落とす。


「いや仕方ないよこれは。危機察知っていってもなぁ

経験も無いし人工的なものだし。生物系の時は期待してるからさ」


 俺は肩を抱いた後、軽く背中をポンポンと叩いてそう告げる。

ギトウは胸を張りなおし歩き出した。


「どうやら序の口って事かなこれは」

「まだ入り口だしね。……何処かで見てると思う?」

「そりゃチャレンジャーがやり手なら、向こうも張りきるでしょ」


 俺とエウリュアレーは顔を見合うと笑った。

底意地の悪さが光るダンジョン戦をやろうってなら受けて立つ。

何より向こうは物量で押せば、竜人の街襲撃やアルブラハさんを

追いつめたように押せるのだ。特にこういう罠を仕掛けたダンジョン

なら、そういうものはより有効になる。俺がもしそういう手も

使えるのであれば、汚れを落とす為に水を流す感じで処理する。

 エウリュアレーも頷く。この手のやり方はほぼ退屈しのぎに近い。

だからこそ、俺達の活路はそこにある。罠に落ちて死ぬか突破するか。

頭脳だけでなく勘だけでなく体力だけでなく。全てが求められる。


「出来ればこっちからも、ね」


 エウリュアレーの言葉に頷く。ミノさんは引き篭る状況を

是が非でも護りたいはずだ。そこを焦らせ苛立たせる事が出来れば、

根元を引きずりだせる。こっちだって黙ってやられるものかよ。

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