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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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無頼者は眠る

――なん、で――


 恐らく自分ではこの一撃は耐えられると思ったんだろう。

型が無い事の良さもあるが、型がある事の良さもある。

打ち込んだタイミングに態勢、速さ全てが完ぺきに近かった。

完ぺきじゃないとすれば、それは内部破壊をしないために、

貫通させた。倒すのであれば打ち込んだ後、

更に相手側内部に俺の気と魔力を送り込む。

俺は打ち込み腹部にめり込んだ後、素早く拳を引いた。

 女王蟻の息子は腹部を抑えて膝を着きかけるも、

何とか立ち上がろうと気力を振り絞っていた。

そんなに重くはないにしても、足止めは十分可能なくらいに

打ち込んでいる。そうそう回復はしない。


「いった!」


 結構大きめの悲鳴が聞こえる。後ろを振り返ると、

ステンノーが右拳を抑えながら、地面をゴロゴロしていた。


「あ……ゴメン、全然気がつかなくて」


 俺は冷静に謝る。このモードになっている時は

実のところどこも気が抜けないので、恐らく俺には触れられない

と思う。それこそ恵理とかファニーなら大丈夫かもしれないが。

……そういや邪が付くにしろ三人は神様だったよな。

防御しているとは言え、物理ダメージは多少なりとも受けると思った。

それがカットどころか跳ね返している……?

神性が関係しているのか……?

俺は少し考えて、これはロキと戦う事があれば使えるかもしれない

と、今後更に磨きをかけようという結論に達した。


――参りました――


 再び前を見ると、女王蟻の息子は突っ伏していた。

あっぶない。あと少しでも粘られたらアウトだった……。

あれだけ精神的にも肉体的にも重労働の後で、

全ての数値がギリギリだった。

 俺は纏っていたものを内部に収める。


「……もう良いかしら」


 何が良いのか知らない、というのは意地が悪いか。

勿論女王蟻の息子との稽古は終わっている。


「Right」


 一応話を聞いて返事したんだからYeahよりこっちでしょ。


「英語止めろっつってんだろがー!」


 カーーーンという音の後、また地面ゴロゴロ。


「なんで殴りかかるんだね」

「良いっていったのに……」

「いや稽古は終わったけど、殴っていい、殴られてやるとは言ってない」

「だから英語使ったのね」

「Exactly!」

「キィッ!」


 駄々をコネてる感じである。ふふ、段々解ってきたぞこ奴が。

ま、なんにしても悪い奴じゃなくて何より。にしてもなんでこんな過剰に

英語に反応するんやろな。中の人は確かに公用語がギリシア語だけど。


「ボイーシア!」

「なんでアンタが助けを求める! 助けを求めたいのは私だわ……」


 あれ間違えたらしい。なんかうつ伏せになって最後のほう唸っておられる。

なんかの映画で聞いたものを口に出してみたらハズレたわ。


「はいはいスネないでくださいよ神様」


 このまま道端で突っ伏されても困るので、俺は取り合えず抱きかかえ、

辛うじて残っていた俺の土カマクラの中へおいた。


「ここから先は見ちゃ駄目だぞ☆」


 ホントマジ戦う方が楽だ……。精一杯の全力お兄さんスマイルを

ステンノーにかまし、俺は外へ出る。


「あぁ……死ぬんちゃうかこれ」


 光が眩しすぎる……。積んでは崩された後の状態を見て、

突っ伏してるヒーローを見、一人でこれ直すのかぁと絶望しかない。

俺は心殺し考える事を止めて作業に入る。

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