表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

236/570

あの娘は無頼者

「あ、意識が天使に連れ去られる……」


 とある土カマクラの天井を大の字になって見ながらつぶやく。

今が何時だかわからない。何故ならここダンジョンの中。

常時発光している壁の明かりによって、朝昼夜どれだか判らない。

ということは作業が終わらないということだ。

しかしここで間違いがあった。蟻は寝ないのだ。

そういや蟻って常時動いているイメージしかない……。

何かの本で働きアリは超短時間睡眠を繰り返していると聞いた。

ひょっとすると最初にすれ違った時も、断続的に寝てて認識して

なかった可能性があるんじゃないか。

 企画倒れになるところだった……。

多少人と交流したことで、多少誤魔化すことができるように

なった。土カマクラを直し終え、ステンノーの作った窪みを

直した後、


「働きすぎは良くないゾ☆ 皆一旦休憩だ! 

ちなみにお兄さんのお部屋は覗いちゃ駄目だゾ?」


 と言いこの確保した土カマクラに入るまではキラキラしてた。

が、当然の如く中にミリ単位で入る毎に顔が死んでいく。

そして輝きは失われ心なしか自分の色が無くなって

溶けていくイメージ。

SAN値直送で三途の川が見えるやうだ……。

 一人暮らしの社畜してる方たちを尊敬せざるを得ない。

特にコミュ苦手な人とかその強さとか学ばせて頂きたい。

マジミノさん許さへん。あたい許さへん!


「私がお前を許さへん」


 えぇ……。声のほうに顔を向けると、

極な奥様的なオーラ纏った人が仁王立ちしてる。

うそでしょホントもぅマジ無理。

逃亡しょ。


「それがマジ無理」


 知らなかったのか、ラスボスからは逃げられないという

感じであっという間に地面を固められた。

可笑しいやろあんな大雑把にしか結界を張れなかった人物が、

早く的確に指定した領域に張ってる。


「怒りによって目覚めたか……」

「とっくの昔にご存じなんでしょ?」


 中の人の知識が俺を追い越して行くわ。

そしてこの返しで理解した。真面目に怒りによって成長しておる。


「おい神様、なんで成長するんだ」

「私達四人で一人になってるし、元々得意な事も変化したり

レベルダウンしてるのよ。当然あんな大きな結界を指定地域に

張れないし」

「ならば良し!」


 俺は気を解放して一気に場を去る。まだ固まりきらない状態なら、

気で吹き飛ばせるようだ。一々細かいスキル状況をこちとら聞いて

られんのだ。マジワンパンチされるのがオチである。

そして俺は攻撃しないのだ。逃がしてくれるなら逃げるのみ!


――お兄さんどちらに!?――


 ここで余計なのが出てきた……もうホントマジ無理。

重労働の後に追いかけっこなんてさらなる地獄があるとか

ずっこいぞ!!


「お前は邪魔だ!」


 わぉ……女王の息子を蹴り飛ばした。

すっごい勢いでこの村の入り口まで吹っ飛んだ!


「その背中のはなんですの?」

「妹の持ち物を流用しております」


 そう。ステンノーの背には羽が生えている。

そらこっちが土カマクラの上をジャンプして逃走してるのに、

悠々追い付いてくるわけだ。


「なるほど。ペガサスが好むってことは……」

「死ね!」

 

  加速による風圧を纏って突っ込んできた。

あぁ……俺の汗と涙の結晶の土カマクラが消えていく……。

よく考えたらこれ俺も竜人達と同じくママンを激ギレさせて

しまうんじゃ!?

 繰り返し俺を襲う邪神を避けながらママンをみる。


「寝てんのかい!!」


 そういや女王蟻は寝るんだったね人と同じくらい。

そして兄があんな目にあったのに出てこないということは、

妹も寝てるってことだ。良いんだか悪いんだか。

……いや何一つ良くないぞ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ