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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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兄は無頼者

「やり直しかぁ……」


 なんか昔やったゲームで見た事ある気がするなぁ。

選択肢間違えてやり直し。定番と言えば定番だよね☆


「……」

 

 エライ顔して気絶してる方の目をそっ閉じした後、

取り敢えず一所懸命働いてらっしゃる蟻の方たちの

御邪魔にならないように、壁に寄せて置いておいた。


「あのーすいません。恥ずかしながら、戻ってまいりました」


 ホントに恥ずかしい。

わちゃわちゃし過ぎた。もう一度立て直そう。

真面目に最下層まで行く事と、仲間を回収する事。

先ずこれを成し遂げる為にこのダンジョンを攻略するのだ。

 

「勇者よ、よく来ました」


 ……あれ、何か変だ。

俺は眼をごしごし擦った後、もう一度前を見る。

するとそこには俺位の背丈で、ピンク色の二足歩行している

王冠を載せた女王蟻さんぽい人が居た。


「えぇ……」


 つい声が漏れてしまう。可笑しいぞこれ。

急にイメチェンとかどうなってんだ。

俺以外の世界の年代が進んで代替わりしたのか!?

外の世界では古代の英雄が蘇ったりしているのだらうか。


「どうか致しましたか?」

「え? どうかしましたかってどうかしてますよそりゃ」

「というと?」

「先ほどまでの敵意むき出しの方はどちらに……」

「ああお母様ならまだあちらに」


 微笑みながら手に持っている杖頭に王冠をあしらった、

可愛らしい杖がさした方角を見ると、

修羅の如きオーラを出してるデカイ蟻さんが居る。


「ああなるほどね」

「という訳で私が窓口になりますわ」

「ありがとう助かるよ。で、下の階に行きたいんだけど」

「無理ですわね」


 えぇ……。特に何ら変わらないじゃないですか回答が。


「え、もしかして君ら兄妹馬鹿なの?」

「お兄様は馬鹿ではありません」

「いやで」

「お兄様は馬鹿ではありません」

「さっきき」

「お兄様は馬鹿ではありません」


 喰い気味に来たよ……しかも同じトーンで返してきた。

どうやら触れてくれるなってことのようだ。

雰囲気は柔らかいが口から出てる言葉が、

壊れたアイボのような恐怖を感じさせる。


「君の強くてカッコいい御兄さん読んで貰えますか」

「はい今すぐに!」


 どっかの居酒屋みたいに

エライ満面のスマイルで喜んで応じてくれた。


「お兄様ーお兄様―」


 可愛らしい声で呼んだ刹那。その黒い風は颯爽と現れた。

……こう書くとヒーローっぽいよなぁ。


――何か用か――


「何か用かも何もない。下へ行きたいんだ通してくれ」


――無理だな――


「それはもう聞いたわ。御母ちゃんの御機嫌とる方法は?」


――無い。それが出来るならとっくの昔にやってる――


 妹はうんうんと大きく頷いた。


「解る事は解るが、なんで人間を目の敵にしてるんだ?

人間よりデカくて凄いのが一杯いるのに。

ましてやこの大陸は人間なんていないじゃない」


――人間が、というよりは僕たち兄妹以外の二足歩行の

生き物がダメなんだ――


「……どうしよう俺のセブンセンシズが目覚めるわ」

「セブンなんとかは解りませんが、ちなみに何だと思われます?」

「二足歩行でこのダンジョンに悪意なく悪さしてしまったのは、

もう唸る巨体の方たちしか居ないんじゃないですかね、多分恐らくきっと」

「正解ですわ」

――正解だ――


 やっぱなぁ。んなこったろうと思ったわ。

ガサツだものねぇあの方たち。街見た時から思ったけど、

いかんせん体大きいから、やる事なす事考える事

ダイナミックマンな訳よね。


「なるほどねぇ……どうしたもんかなぁ」


 三人で唸り声を挙げながら、腕を組んで長考に入った。

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