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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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灰色の疾走

 小脇に抱えて全力疾走。

かかとから着地し、足の指で地面を蹴る。

風圧で上半身が辛い為、前傾姿勢になり空気抵抗を抑える。

流石竜人たちが暮らす島だけあって、スケールが木にしろ虫にしろ大きい。

分かりやすいのが、蟻みたいな生き物。これ人間視点なら小指の先より小さいけど、

ここのはゆうに小指の第二関節位までの大きさがある。

走る時も割と気を付けなければならない。たださっきから小脇に抱えていたはずの

者の気配が怪しい。抱えているのは間違いない。俺の手を動かして確認したいところだが、

妙なことになったら三位一体どころか四位一体でつぶしにこられる。

そんなことにでもなったら、俺も仲間入りさせられる。

冗談ではない。

ここは一刻も早く到着してダンジョン攻略しなくちゃ。


……そういえば、ダンジョン攻略するのになんでこれも一緒なのか。

迷子で帰れないと言っていたが、あのダンジョンの核であり、創造主はミノさんだ。

エネルギー源はティアマトさん。とするとこの娘の役割はなんだろうか。

俺の仲間たちの石化を解く、そして俺をダンジョンまで誘導する。

ここで重要なのは、今竜人たちも時が止まっていて進行してきていない。

さっきも思ったが、彼女の状況はイタコの上位って言葉で片付けられない程

負荷が掛かっている。個人的にはいつ臨界点を突破しても可笑しくないと思っている。

紆余曲折あって悪に成ったが、ステンノー達は元々土着の神だ。それが開放されて

現神したとすると、そのエネルギーはこの世界を吹き飛ばすだけの力があるように

思える。となるとこれはここで神々の黄昏(ラグナロク)を起こそうとしているのか。

どうやったってロキはやる。何しろ再構築の鍵はダンジョンの最下層にある。

オーディン様側も止めに来るだろう。

今ここに鍵が三つあるってことか。


暫く走っているとおそらく距離があるはずなのに、明らかに岩で形成された

ナマケモノに角が生えたようなものが、口を開けて寝そべっていた。

ミノさんやる気無くしすぎだろ。もっと気合入れて作らんかい。

こっからは慎重に行かないと。まさかの一階から終了なんてことにならないとも限らない。

ただ色々解決しておかないとならないことがある。


「おーい、そろそろ起きてくれ」

 

 抱えていたものはやはり気絶していた。

三人まとめて気絶することもなかろうに。

俺は取り敢えず地面に寝かせて、辺りを軽く散策してみる。

サイズの大きな果実が多くなっている。

で、本題はそこではない。

俺が知りたかったのは、彼女と離れてどのくらいの距離から元に戻っているのか、だ。

恐らく時を止める力は、四人の合わせ技だと思われる。

そしてそれは結界のようなものであり、ある程度の距離を取れば、

その中での制約から外れるのではないかと考えたからだ。

答えは正解。軽く散策してみるとはいったが、実のところ気を纏って

程良い感じで距離を取った。ある程度果実を見繕い、

瓢箪より少し間口の広い空洞の実があったので、それを川で一回

洗ったあと水を汲み、彼女の結界の境目まで戻った。


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