第五話 : 死
続くテンプレ
「到着か・・・」
俺は今威圧感を放っている門の前に居る
今は門が開いていて憲兵と思われる兵が通行手続きを行っている
まあ待っていてもしょうがないし行くしか無いだろう
覚悟を決めた
「すいませーん、冒険者になりたいのですが」
「ん・・・?お前のような子供がか・・・?
まあいいだろう、この水晶に手を当てろ」
この水晶がさっき黒ずくめの人達が言ってた素性確認水晶なんだろうな
俺は迷わず水晶に触れる
水晶に触れると急に赤く光りだした
判定中なのだろうか
「・・・・いいぞ、大丈夫だ
冒険者ギルドはここをまっすぐ行ったところを右に曲がったところだ、余計なところに行こうとするなよ」
余計なところもなにも今のところそんな予定は無い
「わかった、助かる」
そう短く返し俺は国へ入るのだった
----冒険者ギルドにて
ここ、王都中心区である冒険者ギルドには実力のある冒険者が自然と集う
ギルドと併設している居酒屋にもAランク冒険者、B、Cランク冒険者がうようよしている
正直言ってここにはどんな者が来ても落とされることがないだろうと思っていた、そう、今日までは
ギルドの扉が開いた
見るとそこには少年が立っていた
あんな少年がこんなところへ何しに来たんだ
そんな空気が一瞬酒場に流れた、しかし
その少年が足を一歩踏み入れた瞬間、濃厚な死の香りが漂ってきた
酒場が一瞬で凍りつく
実力ある魔術師は少年の圧倒的魔力保有量に
実力ある剣士は少年の隙が一切無い立ち振舞のなかにある狂気に
少年の保有する力の片鱗が分かるものは皆怯えていた
どうすればこの恐怖から逃れられるのか
そんなことばかり考えていた矢先
「ようよう坊ちゃん、こんなところまでおつかいかい?」
-----フリード視点
俺はSランク冒険者
名はフリードという
今日、いつものように酒場で飲んでいたらどんでもないバケモノが来やがった
見た目は少年だが俺は騙されねえ
死の気配が溢れでてやがる
あいつが機嫌を損ねると街が滅びかねない
そんな予感がした
見ろ、あいつの死の気配が分かる奴は皆固まってやがる
そらそうだ、俺だって迂闊に動けねえ
ヘタなマネしたら最後、俺の命何て簡単に消し飛ぶだろう
末恐ろしい・・・こんな存在のやつが存在していたのか
するとそこへ先日登録したばっかりだったかのFランク冒険者がつっかかっていく
「ようよう坊ちゃん、こんなところまでおつかいかい?」
っ!馬鹿か!
何してんだあいつは!死にたいのか!
まあ先日冒険者になったばっかりのひよっこにはまだ早いか・・・あいつを犠牲にあの少年がどう出るかでも見るとしよう・・・
ははっ、あの少年無視しやがった
あの程度の雑魚だとお話にもならないってことか?
すると無視された冒険者は我を失ったのか
「っっ!おいっ!無視してんじゃねえ!!」
そう言い少年に殴りかかろうとする
これは流石に終わったか?と思った矢先
いつの間にか少年は冒険者の後ろに居た
なんだ今のは・・・俺が見逃した・・・
というよりは完全に姿が消えた・・・?
ありえない、早すぎる
いくら達人といえど今の動きは再現できないだろう
決着は早いもので冒険者の首に少年の手刀が叩きこまれ、終わった