第三話 : 怪物
テンプレは続きます
----王宮にて
「陛下!!」
ドンッと音がしたかと思えば突然扉が開かれる
我が103代国王ヴィクター・アーチボルト・キャルンの側近であり右腕であるヒュー・トレヴァが慌てた様子で私の私室に入ってくる
「どうしたトレヴァ、そんなに慌てて」
というのもトレヴァがこんなに慌てた様子などそうそう見れるものではないからだ
「近隣の森にて高威力の魔法が発生!!
特上級の魔法かと思われます!!」
「なんだと! 急いで兵を集め城は守りを固め、数名森へ密偵をだせ」
「はっ」
なんなんだ一体・・・
特上級魔法など宮廷魔術師達がやっと使えるレベルのはず・・・
「なんだかキナ臭いですな、陛下」
そう言うのは私の左腕でもあり宰相でもあるピーター・フィリップスである。 私がこうして国王をやっていけてるのもこいつのおかげだ
「まずはどのくらの兵力が襲ってきているか分からねば対策のとりようがない・・・」
「そうですな、一刻も早く情報を得なければなりませぬ」
楽観視するのはいけない事だが何も無いことを祈るしかあるまい・・・
-----密偵視点
「急げ!森で高威力魔力元発生だ!!」
突然の知らせに驚くが流石に慣れているのかすぐ準備に取り掛かり場所へ向かう
森へ向かっている途中で森にある異変が起きていることに一人気づいた
「おい・・・ 森の一部が削れてないか」
言われて見ると森が一部半径10mほど焼かれて地面がへこんでいるのが見えた
なんだあれは・・・何故森を焼く必要がある・・・
何故城からあんな見えやすい位置に・・・
うかうかしていられない、一刻も早く原因を発見し、陛下に知らせなければまずいことになりそうだ
すると森から何かが飛んできている
「止まれ!」
まずい、何かは分からないがまずいものが来ている
恐ろしい何かが迫って来ている
根源的な恐怖を煽られる
恐らくあれは人類が相手していいものではない
いち早く陛下に知らせねば・・・
だが思考とは裏腹に足が震え声も出ない
周りを見渡すが周りのやつらも怯えて何も行動を起こすことができないでいる
何も出来ず固まっていると飛んでいるものの正体が見えてきた
「ひ、人・・・?」
「人が・・・飛んでいる・・・?」
ありえない光景を目の当たりにした
人が飛んでいるのだ
飛行魔法と言えば1000年前、かの大魔術師アーサー・ナード氏が初めて成功させ、歴史に名を刻んでいるが現在となってはその技術は失われ、過去の魔法となっているはずだ
一体何者だ・・・?他国の間者にしては派手すぎる・・・
そう思考しているうちにその人物はどんどん迫ってくる
近づいてくるだけで威圧感は増大に膨らんできている
立っているだけでやっとの状態だ
今攻撃されると何も抵抗する暇なく殺されるだろう
いや・・・あれほどのレベルだと抵抗しても無駄か
そうこうしているうちに目の前に恐怖の根源が降りてきた
そしてそいつは我がルーランド王国を指差し
「あの、あの国って冒険者制度あります?」