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21章 急駛

けたたましい大きな音で鳴り響いた機械音声。

それは赤外線カメラで捉えられた、反逆者2名の顔によるものであった。


「ば、バレた!?」

「一先ずは逃げるしかないよ!?」


少女は菫子の服の裾を掴んでそう訴えると、彼女はすぐに周りを見渡した。

それに同調してフランとレミリアも周りを見渡すと、フランが3台のバイクを見つけては指を指した。


「確かここのバイクはフリーだったよね、お姉様?」

「確かそうだったわね・・・!」

「・・・行くしかないな!ジュノア、私の後ろに乗れ!」

「う、うん!」


異常な程五月蠅い機械音声によってかき集められた野蛮な治安保護兵たちがその場へどんどん集まっていく。

その様子は野次馬のようでもあり、彼女たちがバイクに跨った時には既に包囲されていた。

全員はそんな4人を「獲物」のような眼で見ており、手柄を立てるために本性を露わにしていたのは事実であった。


黒塗りの大型バイク―――オデュッセウス製の巨体バイクに跨って、目の前の敵たちを見据えた。


「・・・結局こうなるとはね・・・!」

「・・・菫子、貴方たちの顔は既に広まってるってことね」

「・・・残念だが、認めざるを得ないな・・・まあいい、全員私について来い!」

「了解!」


菫子は大剣であるオデュッセウスウェポンを右手に構え、一気にアクセルを踏み切った。

吸血鬼姉妹はそれぞれ曾ての会社から支給された武器―――血みたいな紅い剣と槍をそれぞれ持っていた。

ジュノアも電磁銃を構え、剛健な肉体をした治安保護兵たちを恐れずに銃口を向けた。


「おっと・・・まだ抗いを見せるらしいぜ、コイツ!」

「渋とい奴だなぁ・・・。・・・まあいい、(さっ)と捕まえてやるぜ!」

「そうだな・・・それをルーミア様に報告すれば何と褒められるか!?」


酒場で少し酔い気を見せる治安保護兵たちは上への報告によって得られる「ご褒美」を期待していたようであった。

自分たちより階級が上の治安保護兵は女性が占めており、可愛いのは事実であったがそれに純粋なのが男なのであろうか?

菫子は全く理解出来なかったが、剣の刃は相変わらず冷酷さを帯びていた。


バイクはそんな群衆に向かって突っ込み、多くの人たちを撥ねては轢き、無理やり道を作る菫子。

後ろを見てみればバイクの勢いに犠牲になった治安保護兵たち。ジュノアはそんな光景が恐ろしかった。


「退け!邪魔だ!」


サイレンが鳴り響き、混乱状態の地下酒場で彼女は大剣を大きく振りかぶった―――。

その瞬間、放たれた衝撃波が前にいた大量の治安保護兵たちを吹き飛ばし、一部の保護兵は吹き抜けから下の階へ落ちていった。

脇にいた治安保護兵たちはそんなバイクに銃で攻撃を仕掛けるも、ジュノアが機敏に反応した。


「勝手な真似はしないでください!」


銃口から迸る雷。

それらは空間を裂き、一瞬にして治安保護兵たちを感電ショックに陥れる。


「フランたちの邪魔はしないで!」

「・・・こんな気味悪い場所があそこにあったなんて・・・」


フランは紅き剣で、レミリアは紅き槍で襲撃してくる邪魔を排除していく。

3台のバイクが通りすぎた後のコンクリート製の床には滲んだ血が染みていた。


「・・・いい加減にしろよ!・・・私の邪魔をするな!」


怒号を疾走する黒き巨体の上で放った彼女は大剣で再び衝撃波を放った。

懲りない治安保護兵たちは哀れ無残にも吹き飛ばされていく。

無理やり道を作っては轟音を立てて地下を急駛する彼女の視界には治安保護兵など目に無かった―――。


薄暗い電灯が高速で後ろへ下がっていく。

真上を見上げれば、そんな状況であった。メーターは90を超えていた。


そんな中、吹き抜けが切れて、二つあった二階の歩道が合流する。

大きな道となった合流地点には治安保護兵たちがこれでもかと言う程湧いていたのだ―――。

フランとレミリアも必死に抵抗していたが、菫子がそんな群衆に重厚に囲まれてバイクを止めたのを確認すると、彼女たちも止めた。


「・・・一旦まともに戦わなくちゃいけないみたいだな・・・!」

「・・・めんどくさい奴らね・・・改めて思うわ・・・!」

「もうフランも怒ったよ!」


4人はバイクから降りて、背中を十字架になるようにくっつけて周りを見ていた。

唇が引きつる、治安保護兵たちの笑顔が一層不気味に見えたのも事実であった。


―――そして、その場にいた治安保護兵たちが急に何かに気づいては頭を下げて道を作ったと同時に、そこには2人の人物が姿を晒していた。


「・・・久しぶりね、菫子」

「・・・オデュッセウスハイウェイ3號線での戦いの仇、取らせて貰おう!」

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