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04 食事と流通

「お待たせしました。肉ランチです」


 レストランの一席で注文したランチセットがやってきた。


「ほお、美味そうだな」

「美味しいんですかね?」


 テーブルの向かいに座っているリーチェは小首をかしげている。

 その姿は背中に有る小さな翼を消し、服装も幻想的にも見える白いワンピースではなく、街中に溶け込むありふれたものに変わっている。食事をする関係上、周囲の人間がら認識されない状態でいられないため、俺と同様に変装スキルを使用しているのだ。

 ちなみに俺の姿も変装スキルで金髪碧眼に変わっている。


 この商店街に有るレストラン来る前に聞いたが、天使というのは積極的に食事をするような事はないそうだ。そのせいで料理の見た目から美味しさを推し量る能力は低いらしい。


 ランチセットはメインの肉料理と、スープ、小さなパンが2つに、サラダが付いている。


 メインの肉料理は、牛肉を叩いて薄くのばす、そののちに小麦粉をはたいて、オリーブオイルで焼きあげられている。その上にはスライスし火を通されたキノコが乗っている、にんにくとパセリの強い香りが食欲を誘う。肉の大きさは適度な大きさでナイフを使わずともフォークだけで口に運ぶことが出来る。


 薄い肉で上に乗ったキノコを包み口に運ぶ。叩かれ筋がほぐれた肉が、スライスされても独特な歯ごたえを返すキノコの無粋さを和らげる。

 噛み締めれば肉汁とキノコの旨みが口の中に広がる。オリーブオイルを大量に使われているが、油っこさは無い。はたかれた小麦粉の香りが鼻を抜ける。適度な塩味と、ピリリと舌を刺激する胡椒は、さらなる食欲をかき立てる。


 ふと正面を向くとリーチェはスープを口にし、顔をほころばせていた。


 スープも美味いのか。


 俺はスプーンを手にスープを掬う。黄金色に透き通るスープには大量の細かく刻まれた野菜と貝柱が入っている。野菜の種類はキャベツに人参、それと玉葱だろうか、他にも数種の野菜が入っているようだが分からない。

 

 口に入れると、爽やかな味わいが広がる。だが決して味が薄いというわけではない。むしろ濃い部類だろう、それでいて爽やかさがある。これは香味野菜のためだろう。具となる野菜はしっかりと茹でられクタクタになっているが、貝柱が歯ごたえと塩味を主張し、飽きさせない。

 

 パンを手に伸ばす。パンは少々固い。そのまま口に運ぶ。香ばしい小麦の香りが鼻を抜けるが、味は薄い。


 ああ、このパンはスープにつけて食べるのか。

 パンを小さくちぎってスープに浸して口に運ぶ。気になったスープの濃さがちょうどよく感じるようなった。


 パンの固さにまゆをしかめていたリーチェはこちらを見て、すぐに真似をする。スープに浸したパンを口に運ぶと途端に頬が緩む。


 最後の品はサラダだ。いわゆるマッシュポテトだ。細かく刻んたキュウリも混じっている。小さなスプーンで口へ運ぶ。

 茹でたじゃがいも特有の柔らかな甘さの中、キュウリのザグザクとした歯ごたえがいいアクセントになっている。味付けは柑橘系の果物を使っているのか、爽やかな酸っぱさが口の中に広がる。ガッツリとしたメインの肉料理の口直しには実に良い。


 この店は大当たりだ。巨大データベース様様だ。無ければ今日この街に来たばかりで当たりの店に見つけることなんて出来なかった。


 それから俺とリーチェは無言でひたすら料理をかき込んだ。


「ふう……。実に美味でした……」


 食べ終わったリーチェは幸せそうな顔でワインの入った木のカップを傾ける。

 幼い少女の姿をしているリーチェが酒を飲む姿は、日本の常識のある俺にとってあまり見たくは無い光景だが、まあ仕方がない。この世界の都市部では清潔な水はとんでもなく高価だ。一般人がメインターゲットであるこの店が置いてあるはずがない。

 

 この世界の常識にも慣れないといけないと思いながら俺もカップを傾ける。

 フルーティーな甘さが残る赤いワインだ。エグみが少なく実に口当たりがいい。肉の油が残る口の中を洗い流す。


「ああ、確かに美味かった。ここの料理人は腕がいいんだな」

「人間たちはいつもこんな美味しいものを食べているんですか?」

「いや、そんなこと有るわけないよ。こんなに美味いのは料理人の腕によるところが大きいな」

「ああ、まあそうでしょうね」


 少し残念そうにリーチェは応じる。俺は店の中を見回す、昼時の遅い時間に入ったからだろう、所々空席が目立つようになっていた。コレなら少し長居しても、店に迷惑はかからないだろう。

 話している内容が無難な事に聞こえるように、認識阻害の結界を張ってはいるが人の耳は少ない方がいい。


「だが、これだけ美味い料理を一般人が大勢来る店で食べられるのは、この世界ではこの街位なものだろうね。

 少なくとも俺の担当地域ではこの街だけだ」

「ん? どういう事です?」


「料理を食べるって事はどういう事だと思う?」

「そりゃ楽しいっ事でしょう?」


 シンプルで真理を突いた答えに俺は笑いを漏らす。


「そりゃそうだが、そういう事じゃな無くてだな。

 料理を作る方を主題に置いた話だ。料理を作るには材料が無きゃ始まらない」

「そりゃそうです、人間には無から有を作る事はできませんからね」

「だが、都市部では食料を作るような場所は無い。必ず周囲から食料を運び込まないといけない。

 その点でこの街、王都アルヴェントはとてつもなく恵まれているんだ」


「他の街も同じじゃないんですか?」

「基本はそうだが、この街ほどじゃない。まず第一に、王都周辺は起伏が少なく、温暖な気候だ。農地を広げやすく、作物もよく育つ。実際、王都の周りは数少ない森以外はほぼ農地だ。そこで作られた作物、並びにノーフォーク農法によって余裕ができた事によって育てられた家畜も街へ運び込まれる。この――」

 

 と、メインが乗っていた皿をフォークで指し示す。


「セット料理は牛肉と小麦粉、それにいくつかの野菜以外はこの街周辺じゃ収穫出来ない作物ばかりだ」

「え? そうなんですか?」

「ああ。で、第二の、そして一番大きな理由が、この街を東西に流れるエンディ川だ。

 流れが緩やかなエンディ川は運河としてとても優秀だ。

 上流からももちろん、遡航するのにも労力が少ないから、下流にある港街チャラケルからも大量に荷物が運び込まれる。


 このセット料理で言うなら、キノコやじゃがいもは上流から。

 貝柱やオリーブオイル、胡椒や柑橘系の味付けに使ってる果物は下流から運んだモノだろうな」

「へぇ〜。遠くから集まってくるんですね。ですけどそれでなんで、こんな美味しい料理が食べられるのはここだけなんです?」


「保存技術が発展してないからだよ。

 王都は優秀な運河があるから、モノが悪くなる前に、大量の材料を運び入れる事が出来る。

 けれど、運河が無ければ馬車で運ぶしか無い。そうなると船で運ぶよりも少ない量を時間をかけて運ぶしか無い。


 結果として、他の街では値段が高く品質の悪い材料を使うしかなくなるんだ」

「なるほど、この街限定の贅沢といった所ですか。他の街じゃあ、美味しい料理は食べられないんですか?」

「その街周辺でとれた作物を使うなら美味い料理は食べられるだろうが、味のバリエーションは減るだろうな。

 この街は王都だから、たくさんの貴族が集まる。そいつらの舌を満足させるために、多種多様な材料が集まり、料理人たちも料理技術を発展させる。

 その技術が上流階級から流れてるから、一般人相手の店でも腕のいい料理人が多い」

「人間というのは欲望に貪欲ですからねぇ」

 

 ウンウンとしたり顔でリーチェは頷く。


「まっ、人間たちが欲望に貪欲だからこそ俺のダンジョンは効率的にオドを集める事ができるんだがな」

「ん?」


 唐突にダンジョンの話になった事に彼女は疑問の視線を向けてきた。


「この世界は保存技術が発展してないって言っただろう?

 保存技術は幾つかあるが、この世界の基本は乾燥と塩漬けだ。スープの貝柱は乾燥させたものだろうな。さすがに貝が生のままで運ばれたとは思えない。

 地球では冷蔵と冷凍という保存技術があるが、この世界では工業的に氷や冷気を作る事はできない。

 魔法でも作れるが、ごく僅かな量だ。食品の鮮度を魔法使いの魔法で維持したら確実に高級品になる。

 

 結果的に新鮮な食材を安く口にしたいのなら、街のすぐそばで収穫するしか無い。穀物や野菜の収穫はともかく、肉類の場合は、生きたまま街中に運んできて、そこで処理をする必要が出てくるんだよ」

「あ」


 どうやらリーチェも気がついたようだ。俺は続ける。


「なにせ肉というは重いからな、運ぶのは労力がかかる。けれど生きているならば自分で歩かせて運ぶ事も出来る。

 ココらへんは温かい気候だから、農家の方で〆てから街まで運ぶと品質が悪くなる事もある。

 街中で処理するもの合理的な判断なんだ。

 

 なにせここ、王都アルヴェントは23万人の人口がある。つまり、23万人の胃袋を満たしてやらないといけないってことだ。

 軽く計算してみたんだがな。一人の人間が一年に平均30キロの食肉を食べるとすると、王都の人間だけで、年に三万四千五百頭の牛を食べてることになる」


 リーチェよ、そんなにまゆをしかめるな。変な顔になってるぞ。


「つまり、一日に割ると94頭だ。まあ、牛だけで計算したから、大雑把な計算だ。

 実際には牛だけじゃなくて、食える肉の量の少ない豚、羊、鶏やらも食べているから、家畜の数としてはもっと増える。

 逆に減る要因としては、街中で消費される食肉が全ての街中で処理されてるわけでもない。

 

 だがまあ、最終的にはコンスタントにそれだけのオドが回収出来るダンジョンになるわけだ」


 言ってやると、リーチェは何故が頭を抱える。


「な、なんでダンジョン・マスターになったばかりのユウさんが、そんな高効率のダンジョンが作れるんですか……?」

「俺としたら、今までのダンジョン・マスター達がこの事に気が付かなかった方が不思議なんだがな?


 オドは放っておけばマナになる。そしてオドを大量に放出する場所――つまり街を放っておくなんて不思議でしょうがない。

 速やかにオドを回収して、マナになるのを防ぐべきだろう?」

「そ、それはそうなんですが……。いままで人間の街に手を出さなかったのは理由があるんですよ」

「理由? どんな?」


 答えにくいのかリーチェは目をそらす。


「えっとですね……。ユウさんは知ってますか? 天使の身体は維持に人間達の信仰心が必要だってことを」

「ああ、ダンジョン・マスターは逆に人間達の恐怖心が維持に必要だったな」

「ええ、そうなんです。ダンジョン・マスターの方々は適当に人間達を虐めて恐怖の対象になれば済むんですが、天使の方はそうは行きません。苦しいさなか『天使さまお助けを』と心から願う人間たちがいなければ、私達天使は死んでしまいます」

「そう言えばリーチェは叫んでたな。魔王とも言われるダンジョン・マスターが神さま謹製だと人間たちにバレたら信仰心が減って、天使が大量絶滅だとか」

「ええ、そうです。つまりこういうことです。

 街のオドを回収するにはダンジョン・マスターが街にダンジョンを作る必要があります。

 けれど、ダンジョン・マスターがダンジョンを街に作ったら、それは人間たちが大量虐殺されるということです。

 そんな状況で人間が大量に殺されたら、『神も天使もあったもんじゃない』という事で信仰心も減ります。逆にダンジョン・マスターは恐怖心によって楽に存在を維持出来るようなります。

 だからこそ、天使達はダンジョン・マスター達に対して街中には決してダンジョンは作らないように要請しているんです」

「ちょっと待て! その話初耳だぞ!」


 もしかして、天使達に睨まれるような事をしてしまったのかと焦る。


「当然です、言ってませんから」

「おい!」

「ですが大丈夫ですよ。私達天使が問題視しているのは、普通に街に暮らしていた人間たちが、大量に、理不尽に殺されるような状況です。

 ユウさんの作ってるダンジョンは虫一匹殺すことも出来ないじゃないですか。実際やってることは放出されたオドを横からかすめとってるだけですし」

「そうか、問題は無いんならそれでいいんだが……」


 どうにもけなされてる気がする。


「一応、王都全域をダンジョン化し終えたら、普通のモンスターも出てくるダンジョンも付け加えようもと思ってるんだがな」

「え? ちょっと待ってください! 別の場所に新しいダンジョンって事ですよね?!」

「いや? 王都のダンジョンにつけくわえる形だよ。形式としては地下に迷路型を考えている」

「な、何考えているんですか?! 今そんなダンジョンは作っちゃダメって言ったばかりじゃないですか!?」


 リーチェは席から立ち上がり、叫ぶ。認識阻害の結界を貼っていなかったら残った客の注目を浴びていたことだろう。


「落ち着け。天使達が問題にしているのは、モンスターが街中をうろついて人間たちを殺す事がマズイって事だろう?」

「え、ええそうですけど」


 静かな調子でなだめると、気勢を削がれたのかリーチェは戸惑った様子になる。


「俺は基本的に地下からモンスターを出す気なんて無い。

 地上にモンスターなんか出したら街の人間が逃げ出すだろう? そしたら回収できる余剰放出オドの量も減るんだ。流通も滞って肉屋も家畜を搬入できなくなるかもしれない。せっかく効率的にオドを回収出来るシステムを作り上げたんだ。わざわざそれを壊すような真似はしないさ」

「それならいいですけど……」


 デメリットの提示で、俺が王都の大量虐殺をする気は無いと納得できたのか、リーチェは席に戻る。


「じゃあ、どういうつもりで、わざわざ王都のダンジョンでモンスターが出る地下を作るんですか?」


 そもそもなんでこんなにキツイ視線を向けられるのだろか?

 

「どういうつもりと言われてもな、それこそ、リーチェが言っていた、お馬鹿な冒険者を招き寄せて血祭りに上げる為なんだが……」

「そんなダンジョンを作っても一攫千金を狙う冒険者がほんのちょっと増えるだけで、街の住人が逃げ出すだけですよ!?」


「ん? ちょっと待て」

「ハイ?」

「リーチェ、今変なこと言わなかったか?」

「え? 住人が逃げ出す事は変なことじゃないですよ?」

「いや、そこじゃない。一攫千金を狙う冒険者? 集まってくるのはそれだじゃないだろう。食い詰めた者達が小金を求めてダンジョンに入ってくるだろう?」

「そんなわけないでしょ。そんなのがダンジョン入っても財宝を手に入れられる可能性はゼロです」


 リーチェの断言に俺は首を傾げる。そんな俺にリーチェも、何を疑問に思っているのだろうという様子で首を傾げる。


「なあ、どうも俺の考えてるダンジョンと、リーチェの考えてるダンジョンになにか食い違いがあるような気がするんだが?」

「ええ、そうですね。私もそうじゃないかと思っていた所です」

「めでたく両者の見解が一致したところで、俺がリーチェにダンジョンに関する質問をしていいか? 正しいか間違ってるかを答えてくれるだけでいいから」

「分かりました。ドンっと質問をしてきてください」


 リーチェは膨らみの無い胸を張って大きく頷いた。


「じゃあまず、俺の今作ってるダンジョンは例外として、この世界に有る一般的なダンジョンの事を質問する」

「いいでしょう。確かにユウさんのダンジョンは一般的じゃありませんからね」


「じゃあ始める。第一に、ダンジョンはオドを回収するものである」

「そうです」


 リーチェは苦笑して答えた。きっと俺の作るダンジョンを考えたのだろう。


「ダンジョンは人を殺して、そのオドを回収するものでもある」

「ええ」


「その人を殺す手段としてダンジョン・マスターはモンスターを制作する」

「そうです。他にもダンジョンにトラップを設置する事も手段として存在しています」


「ダンジョン内のモンスターは殺害されるとマナとして霧散し、死体は残さない」

「そうです。大気中のマナを固定しているという意味ではモンスターは、マナ石と似たようなものですね」


「冒険者達は金品を目的にダンジョンに入ってくる」

「そうです。冒険者達はダンジョンの最奥に有る財宝を持ち帰る権利があります。そのためにダンジョンに入るというリスクを冒しているのだから当然ですよね」


「ん? ちょっとまて、なら、ダンジョンの最奥以外には財宝が置かれては居ない?」

「? もちろんそうですよ。ダンジョンの浅い所に置いていたら、そのまま持ち逃げされてしまうじゃあないですか」


「なら、ダンジョンは基本的に冒険者達を生かして帰す事を想定していない?」

「? ええ。してるわけないです。そんなことしたらオドが回収できないじゃないですか。ダンジョンは冒険者を血祭りに上げるための施設なんですから」


 なるほど、そこら辺が認識の齟齬だったか思う。


「じゃあ最後の質問」


 おそらくこの質問は必ず否定される。それどころか、不思議な顔をされるだろう。


「ダンジョン内のモンスターは殺害されるとマナとして霧散し、死体は残さない――が、代わりにドロップアイテムを残す」

「え? なんですかソレ?」


 予想通りのリーチェの反応に俺はため息を漏らした。


「なるほど、そりゃリーチェが反対するわけだ」


 つまり俺が一般的なダンジョンとしてイメージしていたのはゲームのようなダンジョンだったわけだ。

 ダンジョンにはモンスターが出現し、倒すとお金とアイテムを落とす。そんなイメージだった。


 対して、この世界の一般的なダンジョンとは、最奥に財宝を有し、出現するモンスターは財宝を奪われないようにする為の障害物でしかない。当然、モンスターを倒したところで一銭の得も無い。

 当然の事として、命知らずな一攫千金を求めた冒険者ぐらいしか挑戦する者は居ない。


 なんで、ゲームのようなダンジョンだと勘違いしたかと言えば、やはり、ダンジョン・マスターとしての力に魅せられて舞い上がっていたからだろう。

 何しろ、基本的な力だけでも圧倒的な存在だ。

 無限に物品を収納保存できるインベントリ。アカシックレコードへのアクセス権。人間に比べ圧倒的な身体能力。瞬間移動能力。飛行能力。認識阻害に、自由に姿を変えることができる変装スキル。

 それに加えて、ダンジョン・マスターとしてダンジョンを作り、地形を事由自在に弄くることのできる能力と権利。さらに言えばそれらは世界を維持するための必要な事だという大義名分すら有る。


 冷静さを失うのも無理もないことだと思いつつも、そんな自分が情けなく思い、ため息を漏らしながら首を振った。


「ユウさん! 一人で納得してないで説明してください」


 さて、俺の考えてるダンジョンをどう説明したモノかと思う。カップを傾けて酒が無いことに気がつく。

 幸いこの体はアルコールにも強い。酒を片手に時間のかかる説明をするのもいいだろうと、俺は片手を上げて店員を呼んだ。

ちなみに日本人の年間消費量は一人平均45㎏です。

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