売買
買い取ったものは大切なものとしていつも私の手の中に
大切に保存されている
私が売ったものは今日も大切にされていると便りが届く
ものを生きるために売るのには加工が必要で
磨いたり、防腐剤をしこませておいたり、
いろいろと包装したり梱包したりして
それを思い出すことに意味はなくともどこか懐かしい
生きていくために知らない人たちに売ってしまったものでさえ
もともとは私の手にあった大切なものだったんだなと思うと
価値があったのかななんてホントか嘘か良く判らない空想を描いたりして
それでも
同じ人と売買し合ったものは
原石のままでそれこそ愛おしいもので
懐かしい思い出に独特の苦さがあって
いつまでも失わないでいる光がいつまでも私の心を慰めてくれる
私に売りきれなかったものがあるとするのなら
それは天然の光を浴びる小さな庭と庭先の花たち
幼馴染の花屋さんだけはなぜか知っている