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死の予感

作者: 夏路殻巣


 多分——僕はもうすぐ死ぬんじゃないかなぁ。

だって今日一日、妙にハイテンションだったし、一昨日も友達を呼んでパーティーをして。

サービスしまくりの気を使いまくり。

去年まではそんな事絶対にしなかったし、僕はそんな人間じゃなかったはずだ。

 最近になって急に変わった気がする。

寂しくて寂しくて仕方がない。

自分の事を気に掛けて欲しくて、わざとらしい程の猛アピール。

——ばかじゃないかと冷めた目で見る奴もいるだろう。

でも、そんなのもう構わないんだ。

だって僕はもうすぐ死ぬんだもの。……そんな気がする。

たぶん運命が近付いている前兆なんだ。『死ぬ前に何かを残せ』って命令されているみたい。

必死に一日を送って、泥の様に疲れているのに——眠っちゃいけない気がする。

でも朝が近付くと、眠らなきゃいけない気がする。その繰り返し。


その後は突然電池が切れたみたいに無表情になる。

散々サービスし尽くして、僕の中には何も無くなってしまう。

人と話すのも、返事をしたり、頷く事さえおっくうになる。


そんな時に限って偽善顔の友人がにこやかに話し掛けて来る。

「大丈夫?」

大丈夫じゃない。いっその事このまま地中深く埋めて欲しい。

そんな事を言えば、その偽善顔はきっと簡単に剥がれるんだろうなあ。

でも僕は優しいからそんな事は言わない。

時々感じる死の予感を誰にも言わないまま、また無駄なエネルギーを放出し続けるんだ。


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― 新着の感想 ―
[一言] 誰かそばにいてほしいのに、誰かに声をかけてもらっても、寂しくて仕方ないんですよね。 私も似たような気持ちになること、ありますので、共感しました。
2011/11/09 17:52 退会済み
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