1st 初めての、プレゼント。
あの次の日、学校に行って、教室に入ると、いかにもにこにこした秋上さんと夏目さんがいた。
「これ、あげる。」
と渡されたものは綺麗な小包。
「ありがとう。」
中を開けると、ビーズで作られたストラップがあった。
―――この時から、僕は秋上さんを好きだったのかもしれない。
その日一日中、ストラップを手に持って、夏目さんにこう言われた。
「ずっといじってるね。そんなにうれしいんだ。」
…そういうわけじゃないけど、うれしい。
「渡してもらったんだから、何かお返しをあげたら。」
「わかった。」
その後は、三連休だったから、何を作ろうかな?と悩んでいた。
―
「はい、この間のお返しです。」
「ありがとう!」
喜んでくれて、よかった。
あげたのは、みさんが。
「最後の三つ網、難しかった。」
「私も、最初は難しかったよ。早くできるまで一月かかってるもん。」
「そっか。いきなりだけど、今度どっかいこうよ。」
「いいよ。」
とそこで、始業のチャイムが鳴った。
今、自分は会話を楽しんでいた…よね。
秋上さんは、好きって言ってくれているらしいけど。
うかれながら、学級の時間。
「掃除場所、どこにするの?真美と一緒のとこ?」
夏目さんがニヤニヤしながら聞いてきた。
笑いながら、僕は、
「それが一番うれしいな。」
「やっぱり。」
…嘘は、どこまでほんとになるの?
「・・・」
「掃除場所、決めるよ。」
といって先生は咳払いをした。
ぱちぱちと秋上さんが瞬きをしながらこっちを見る。
―一緒の掃除場所になろ。とでも言っているかのように。
それに対して、僕も、「いいよ。」とうなずき、笑った。
淡々と決まっていく中、どこにするかも二人で決めてなかったけど、
簡単に同じ掃除場所に決まってしまった。
僕は結構驚いた。
こんなに早く決まるんだ。
しかも、今日からだし。
-大変だ。