エピローグ 運命の歯車。
エピローグ。
ことの始まりも、突然に。
6年生になって、小学校残り僅かの生活を送ってた、神親光聖。
この日から、彼の考えは、変わる。
ある日の給食のとき。
夏目春が、
「真美が、君のこと好きだって。君は、どう思うの?」
いきなり、話しかけられて困る。
「真美って、秋上真美さんだよね。秋上さんがどうかしましたか?」
「神親に聞きたいことがあるんだって。」
「何?」
「ストレートに聞くけど、神親は、好きなの?」
「えっ?」
「だから、真美のこと、好きですか?」
これで、面と向かって嫌いなんて言えない。
「えっと。」
「すきなの?嫌いなの?」
まくしたてるように夏目さんは、答えるのを迫る。
「すき?かな。」
好きじゃないけど、彼女の気持ちが気になった。
食べるのも遅く、給食後。
これから、深くかかわりそうな、秋上さんを見てみた。
その子は、夏目さんと話していて、目が合う。
目をそらされたけど、夏目が飛んできて、
「ほんと真美喜んでるよ。あの子ツンデレっぽいもんね。」
「そうですね。そういう点も好きだな。」
あと後、困らないように、言ってみる。
この時の自分は、馬鹿だった。
この後、断ることもできないと、冷静に考えればわかる話なのに。
そして傷つくことも、わからなかった。
誤解をされて、嫌われ。本当の気持ちを分かってほしい。
「好き」ってこと。