戦闘
3話目です、サブタイトルがもっとかっこいいのにしたいけど思いつかない・・・
では、どうぞ
視界に入ったモンスターは、羽を持った、黒紫のモンスターだった。
「あれは、・・・ウインドガーゴイルですかね?でもあのモンスターは深緑色のはずだし・・・」
ニムが瞬時に判断し、そう言った。確かに形状はガーゴイルに似ている。しかし、とサイキは思った。
ウインドガーゴイルの色違いだったとしても、こんなところに出るはずがない。ガーゴイルが出るのは、もっと奥のはずだ。しかし、絶対にここに来ないという確証は無い。何かの手違いで来た、と結論付けてサイキは細剣を鞘から出し、構えた。
もうガーゴイルは遠距離攻撃の射程に入っている。
「来るぞ!!」
そうカイツが言って戦闘が始まった。
まずシルラが動いた。得物の弓を構え、矢をつがえ、撃つ。これをガーゴイルは右に大きく動いて避けた。そこへカイツが飛び込む。彼の職業は盗賊だ、軽い防具しか装備できない代わりに移動速度に長けている。その長所を生かして、ぐんぐん敵との距離を縮めそして、飛び上がる。
その時だった。ガーゴイルのからだの前に中位の紫の球体ができていた。
しまった、魔法だ、と思ったときにはもう遅い。球体はカイツに向かって発射され、空中で身動きがと思うように取れないカイツに命中した。かれはその勢いのまま地面に衝突した。
「なっ・・アレは闇属性の魔法じゃないか」
ニムが驚きつつも、援護するために魔法を詠唱し始める。
どすんと鈍い音がした、そのときにはサイキはもうカイツの落ちた場所に駆け寄っていた。
「カイツ!大丈夫か!!」
そう叫び、カイツの前に立つ。攻撃がカイツに向かわないようにするためだ。
「おう、大丈夫だ!でもすまねぇ、体力がかなり減ったから回復するまで前衛頼むわ」
ポーションは万能ではない。詠唱が完了した瞬時に体力が回復する魔法とは違い、ポーションはじわじわと回復する。そのため、本来は戦闘後に使うアイテムなのだがサイキ達のパーティには回復魔法が使える人がいないので、ポーションで回復するしかない。
そしてニムも、シルラもアルケミストと狩人だ。前衛に出れるほど守備力は高くない。
よって、カイツが回復するまでサイキ一人で前衛を支えなくてはならない。
「~~相手を妨害し、動きを奪え、麻痺よ!」
ニムの麻痺が決まる。アルケミストは直接ダメージを与える術よりも相手を妨害する術が多い。
それに構わず、ガーゴイルはサイキに向かって爪を振るってくる。
サイキはガーゴイルの爪を弾いて、一歩下がり魔法の詠唱を始めた。
サイキは魔法剣士だ、それぞれのプロフェッショナルには適わないまでも、剣と魔法の両方を使える。
シルラがそれに合わせて矢で牽制をかけてくれる、そしてサイキの詠唱が完成した。
「~~敵を切り裂く真空の刃となれ、ウインドカッター!」
サイキの放った真空刃がガーゴイルに襲い掛かる。ガーゴイルは体をひねり、直撃こそ避けたものの、翼を切り裂かれ、地面へ落ち始める。
サイキは距離を詰め、一気に切りかかる。ガーゴイルは避けようとしたが、体が硬直した。
麻痺を受けていたせいで体の動きが一瞬止まる。そこで最後の一歩を詰め、サイキは剣を振り下ろした。
「これで、どうだ!!!」
今度こそ、ガーゴイルの体に直撃した。ガーゴイルの体を真っ二つに切り裂きそのまま着地する。
ガーゴイルの絶叫が響いた。そして力尽き、どさっと倒れた。
「終わったか・・・?」
サイキが呟く。そして彼以外が
「そーみたいだねー、はぁーつかれた」
「結局俺のいない間に終わっちまったがな」
「あのモンスターを調べてきますね」
と、三者三様の答え方で返した。それを聞いてサイキも細剣を鞘に入れた。シルラとカイツが座り込んでいる中、ニムは、死んだモンスターに対して魔法をかけていた。相手の情報を分析する魔法だろう。
サイキもモンスターについては気になっていたので、ニムの元に向かった。
「どうだ?何か分かったか?」
と、サイキが言うと、二ムも情報収集が終わったらしく、こちらを見て今のモンスターの情報を出した。
「思ったとおり、アレはガーゴイルでした。しかし、ダークとなると闇の国の近くじゃないと出ないはずなんですけど・・・それにあの魔法も闇属性でしたし」
サイキは二ムが提示した情報を覗き込んだ。名前はダークガーゴイル、闇属性の中級モンスターだった。
しかし、それはおかしい。各国々の近くにいるモンスターは、属性がその国と同じである。つまりこの辺りにいるモンスターは全て風属性のはずだ。もっとも、闇の国は隣の光の国をはさんだ反対側に位置する国だ。こんなところに闇属性が出るわけが無いのである。
「コレはどういう事なんだ?とりあえず、同盟には報告した方がいいよな?」
サイキが言うと二ムもその通りだと言うように頷いた。こんなところに闇属性のモンスターが出たと言うことだけでも大事だろう。その上、ガーゴイルと言うもっと奥に行かないと出ないモンスターがでたのだ。
「二ム、その情報シルラとカイツにも見せてやってくれ」
そう言うと、ニムはシルラとカイツの元に向かっていった。
サイキはまだモンスターがいるかもしれないと思いあたりを見渡した。
ノーテラス平原は元の姿を取り戻したかのように、静かに風が吹いていた。辺りにモンスターはいない。そう確認したところで、サイキは二ムたちのところへ戻ろうとし、ふと視界の隅に何かが移った。
山脈の方だ。入り口付近で煙が上がっている。商業者たちかとも思ったが、すぐに否定した。まだ昼間から煙を上げる必要もないし、夜を明かすならここまで来てからにするだろう。
残る理由は1つ、煙を上げている者が何かに襲われているのだ。
「皆、山脈で誰かが襲われている!救助に向かおう」
それを聞いて皆準備をし始めた。皆の準備が終わった頃に
「行こう!急がないと」
とシルラが一足先に駆けて行った。サイキたちも後を追う。
山脈のモンスターはまだサイキたちには倒せないだろう。しかし、戦わなくてもいいのだ。襲われている人を救助すればいい、分かっているのに見殺しにはできない。
そう思いサイキ達は山脈へと疾走するのであった・・・・
それが運命をかえる出会いの始まりだった。
感想・アドバイス等何かありましたらよろしくお願いします。




