困惑
2話です。
「お戻りください! ・・・様!!」
先頭に立った一際大柄な騎士が叫んだ。鉄の甲冑に身を包んだ城の騎士たちだ。
「すいません、今は戻れません・・・・」
申し訳なさそうな声が闇の中から響いた。そして、闇の中にいた人影は颯爽と消えていった。
「追えー!!まだ近くにいるはずだ、絶対に探し出せ!!」
そう声をあげ、騎士たちは逃走者を追うのであった・・・・・
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サイキが準備を整え、集合場所の同盟(アライアンス)に行くとそこにはもうニムがいた。
今は、今日のクエストで使うポーションなどを製造しているらしく、こちらが近づいても気づいていない。今声をかけると集中力が途切れるだろうと思い、サイキは無言で席に着いた。
すると、たったったと軽快な足音が近づいてくる。シルラだ。彼女は近づいてくるといきなり
「おっはっよ~~~~~~~~!!!!」
と大きな声で言った。いや、叫んだの方が正しいかもしれない。
その瞬間ニムの前のポーションが、ぼふんと煙を上げた。製造に失敗したのだ、まあ、あの大声の中集中力を保てるとは思わない、自分でも無理だろう。
がばっとニムが顔を上げると、シルラがてへへと笑っている。
「いつも言いますけど、製造中は話しかけないで下さいって言ってるじゃないですか。まだ簡単なポーションだったからいいですけど・・・・」
ニムがまったくと言う風に首を振る。毎回のことなので、いい加減うんざりしているようだ。
「あ、サイキもいたんですか。静かにしていただいていて有難うございます。シルラにもコレくらいの気持ちがあっても・・・・」
ニムがぶつくさと言う。隣ではシルラがあいさつは大切じゃないのよーと言っている。
「カイツはまた遅刻ですか。先にポーションを配っておきますね」
そう言ってポーションを配り始める。サイキもそれを貰い自分のポーチしまう。そして、自分の分をしまい終わったシルラがぴょんと立ち上がり、
「んじゃ、いこっか」
と言って出て行こうとした時、後ろからどたどたとうるさい音が響いた。そちらを見てみると、少し先をカイツが全力疾走してこっちに向かっているのが見える。
「ちょっっと待ってくれーーーーーーーー」
と大声を上げて近くで停止する。シルラもそうだがこんな朝っぱらから大声を出して近所迷惑ではないのかとサイキは思う。マナーはしっかり守るべきだ。
うんうんとサイキが頷いていると、ニムがカイツにポーションを放り投げる。それを器用に受け取り、仕舞っていた。ともかくコレで全員揃ったのだ、ここで時間を潰す必要も無い。
「それじゃあ、行こうか!」
サイキたちはそう言ってノーテラス平原へ向かった。
パーティを組んでいたこともあり、ノーテラス平原に行くのは難しくはなかった。そして30分もしないうちに現場へ到着した。
ここノーテラス平原はそこまでモンスターの数も多くなく、商業人たちの移動経路にもなっている。尤もこの先には大きな山脈があり(サイキは山脈名は覚えてないが)そちらのほうがたくさんモンスターが出る。そして、その先に光の国があるのだ。光の国から来る人々からしてみれば、ここまでくれば安全と言う場所になっているだろう。
あたりをキョロキョロ見回していたカイツが言った。
「何にもいねーけど・・・・ほんとにここで合ってんのか?」
と言って彼の武器である短剣をしまう。
「もう、どこかに移動してしまった可能性もありますしねぇ」
とニムが残念そうに言う。自分が聞いたことのないモンスターだったので見てみたかったようだ。
とその時一番後ろを歩いていたシルラがばっと後ろを振り向く。
「後ろから、なんか来るわ!!!!」
彼女の声はなぜか若干疑問形になっていた。サイキも振り向くと空から黒紫の羽が生えたモンスターがこっちにむかって飛んでくるのが見えた。
「なんじゃ、ありゃ・・」
サイキもシルラの言葉の意味が分かった。なぜなら、そのモンスターは一度も見たことがなかったからだ。
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