非公式な依頼
外伝合わせて20話目です!
この後一個外伝入れようかなーと思ってます。
では、どうぞ。
サイキたちは領主館の前まで来ていた。
ニムがサイキに話しかける。
「それにしても、どうやって領主と面会したのですか?」
目の前の警護の兵の多さを見て言ったのだろう。それにしても、ついさっきまで戦闘があったというのに、何事も無かったかのように戻っているのは、さすがだと思った。
「ああ、それはシャルが・・」
そこまで言ったところで、門の前の兵と話していたシャルが戻ってきた。
「入っていいってよー」
「とまあ、こんな感じに」
ニムもかなり驚いたようだったが、とりあえず中に入る。シャルが少し前を歩いているのを確認して、シャルに聞こえないようにニムが聞いてきた。
「さっきも、こんな簡単に?」
「ああ、すんなり入れた。後、シャル自身についてなんだが、ミドルネームがあった」
「ミドルネームですか・・どこかいいところのご令嬢だとは思ってましたけどね・・」
ニムも同じ考えにいたったようだ。話すのをやめ、何かを思案している。
「サイキー、早く、早く!」
扉の前にたどり着いたシャルが手招きしている。そういえば、シャルの力じゃ開かないんだっけ・・・
扉の前に着くと、扉を開けてやる。
中に入ると、デスクと兵士がなにやら話しているようだった。
「だから、それはここを削って」
「いや、しかし、それでは・・・」
「それはこっちのほうで何とかする」
なにやら、討論をしているようだった。
「あのー・・・」
シャルが声を出すと、デスクはこちらに気づいた様だった。
「ああ、せっかく来てくれたのにすまなかったね。あと、これを渡しといてくれ」
そういって、兵士との会話を区切ったデスクがこちらを向いた。
「まず、迎撃に加わってくれてありがとう。サイキ君にシャルロットさん、それに・・・」
「お初の目にかかります、領主様。ニムラール・レヴァネールと申します。ニムと呼んでくださって結構です」
ニムがそういって、礼をする。
「氷の国領主デスク・ブルーラストです。よろしく」
そこで一回切ってから、またデスクが話した。
「それで、先ほど話しかけたことですが・・」
と言って、つんであった資料の中から一枚の紙を持ってくる。それを、机の上に広げてサイキ達に見えるようにする。
「これは氷の国周辺の地図なんですが・・・」
デスクが一点を指差す。
「ここから北に向った所に、昔ある貴族が住んでいた城があるのですが、私たちはそれを氷の城と読んでいます。その城は20年ほど前に住むものがいなくなって、廃墟と化していたんですが、最近、大きな魔物がその城を根城にしてしまいましてね」
「その城の大きさとここからの正確な距離は分かりますか?」
ニムがたずねる。城の大きさなんて聞いて何にするんだ?
「詳しく図ったことは無いのですが、ここから1日くらいで着く距離ですね。あと、大きさはここと同じくらいです」
「となると、その魔物もかなり大きいのですか?」
「ええ、調査隊を何度か送ったのですが、どうやらドラゴンだそうです。それも、今回町に来たのとは比べ物にならないほどの大きさですが」
今度はシャルが質問した。
「そのドラゴンが原因と分かっているのなら、どうして討伐隊とかを送らないんですか?」
「シャルロットさんの言うことは、尤もなんですけどね。しかし、討伐隊にほとんどの兵を割けないのが現状なんですよ」
つまり、その居ついたドラゴンが原因で街が襲撃されている。しかし、人手が足りず守ることしかできないという訳か。
そこまで考えていたところで、デスクから話しかけられた。
「そこで、あなた方にお願いがあるのです。サイキさん達は、ギルドに入っていますよね。依頼として、そのドラゴンを撃退してもらえないでしょうか?もちろんお礼はいたしますよ」
領主からの依頼だって!?それもドラゴンを撃退するなんて・・・
これほど珍しいことは滅多に無いだろうが、残念ながら受けられない。
サイキが口を開く前に、ニムが言った。
「すいませんが、この依頼は受けられません。先に別の依頼を受けているものでして」
ギルドでは、受けられる依頼は一つだけと決められている。一つ終わらないと、次の依頼は受けられないのだ。そして、今疾風の翼はシャルの護衛という依頼を受けている。
「では、非公式な依頼としてはどうでしょうか?そちらの方がこちらとしても助かりますし」
非公式の依頼は、同盟を通さずに、直接依頼者からギルドに依頼をする方法だ。そのため、いくら受けてもよく、ギルドに報告する必要も無い。そして、依頼者やギルドの名前も公表しなくていい。
それならば、問題は無い。どうにかしたいのは山々だが・・・・・
シャルとニムの方を見る。俺の一存で、決めていいことではない。
すると、シャルがサイキに言ってきた。
「私としては、これ受けたいんだけどだめかな?こっちは後回しでもいいから」
「いいのか?」
「うん、困ってる人をほっとけないっていうか・・・」
そこにニムが口を開いた。
「私もシャルさんと同じ意見ですね。事情だけ知って、このまま見捨てていくのもさすがに無情すぎると思いますし。まあ、ギルドリーダーはサイキなんですし、リーダーの意見には従いますがね」
ニムも同意してきた。
どうやら、問題はないようだ。デスクのほうに向き直って言った。
「分かりました。この依頼受けさせていただきます」
「助かります。報酬は用意しますので、どうぞよろしくお願いします」
デスクがホッとしたように言った。
そして、ニムが話を続ける。
「出発の方は、明後日でもよろしいでしょうか?」
「ええ、それくらいだったら問題ありません」
その後も何個かニムが質問して、内容を決めた後領主館をあとにした。
こうして、領主からの非公式な依頼を受けたのであった。
感想・アドバイス等何かありましたらよろしくお願いします。




