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疾風の翼  作者: れきさに
2章 氷の城編
20/23

非公式な依頼

外伝合わせて20話目です!

この後一個外伝入れようかなーと思ってます。

では、どうぞ。

サイキたちは領主館の前まで来ていた。

ニムがサイキに話しかける。


「それにしても、どうやって領主と面会したのですか?」


目の前の警護の兵の多さを見て言ったのだろう。それにしても、ついさっきまで戦闘があったというのに、何事も無かったかのように戻っているのは、さすがだと思った。


「ああ、それはシャルが・・」


そこまで言ったところで、門の前の兵と話していたシャルが戻ってきた。


「入っていいってよー」


「とまあ、こんな感じに」


ニムもかなり驚いたようだったが、とりあえず中に入る。シャルが少し前を歩いているのを確認して、シャルに聞こえないようにニムが聞いてきた。


「さっきも、こんな簡単に?」


「ああ、すんなり入れた。後、シャル自身についてなんだが、ミドルネームがあった」


「ミドルネームですか・・どこかいいところのご令嬢だとは思ってましたけどね・・」


ニムも同じ考えにいたったようだ。話すのをやめ、何かを思案している。


「サイキー、早く、早く!」


扉の前にたどり着いたシャルが手招きしている。そういえば、シャルの力じゃ開かないんだっけ・・・

扉の前に着くと、扉を開けてやる。

中に入ると、デスクと兵士がなにやら話しているようだった。


「だから、それはここを削って」


「いや、しかし、それでは・・・」


「それはこっちのほうで何とかする」


なにやら、討論をしているようだった。


「あのー・・・」


シャルが声を出すと、デスクはこちらに気づいた様だった。


「ああ、せっかく来てくれたのにすまなかったね。あと、これを渡しといてくれ」


そういって、兵士との会話を区切ったデスクがこちらを向いた。


「まず、迎撃に加わってくれてありがとう。サイキ君にシャルロットさん、それに・・・」


「お初の目にかかります、領主様。ニムラール・レヴァネールと申します。ニムと呼んでくださって結構です」


ニムがそういって、礼をする。


「氷の国領主デスク・ブルーラストです。よろしく」


そこで一回切ってから、またデスクが話した。


「それで、先ほど話しかけたことですが・・」


と言って、つんであった資料の中から一枚の紙を持ってくる。それを、机の上に広げてサイキ達に見えるようにする。


「これは氷の国周辺の地図なんですが・・・」


デスクが一点を指差す。


「ここから北に向った所に、昔ある貴族が住んでいた城があるのですが、私たちはそれを氷の城と読んでいます。その城は20年ほど前に住むものがいなくなって、廃墟と化していたんですが、最近、大きな魔物がその城を根城にしてしまいましてね」


「その城の大きさとここからの正確な距離は分かりますか?」


ニムがたずねる。城の大きさなんて聞いて何にするんだ?


「詳しく図ったことは無いのですが、ここから1日くらいで着く距離ですね。あと、大きさはここと同じくらいです」


「となると、その魔物もかなり大きいのですか?」


「ええ、調査隊を何度か送ったのですが、どうやらドラゴンだそうです。それも、今回町に来たのとは比べ物にならないほどの大きさですが」


今度はシャルが質問した。


「そのドラゴンが原因と分かっているのなら、どうして討伐隊とかを送らないんですか?」


「シャルロットさんの言うことは、尤もなんですけどね。しかし、討伐隊にほとんどの兵を割けないのが現状なんですよ」


つまり、その居ついたドラゴンが原因で街が襲撃されている。しかし、人手が足りず守ることしかできないという訳か。

そこまで考えていたところで、デスクから話しかけられた。


「そこで、あなた方にお願いがあるのです。サイキさん達は、ギルドに入っていますよね。依頼として、そのドラゴンを撃退してもらえないでしょうか?もちろんお礼はいたしますよ」


領主からの依頼だって!?それもドラゴンを撃退するなんて・・・

これほど珍しいことは滅多に無いだろうが、残念ながら受けられない。

サイキが口を開く前に、ニムが言った。


「すいませんが、この依頼は受けられません。先に別の依頼を受けているものでして」


ギルドでは、受けられる依頼は一つだけと決められている。一つ終わらないと、次の依頼は受けられないのだ。そして、今疾風の翼ラファールユネルはシャルの護衛という依頼を受けている。


「では、非公式な依頼としてはどうでしょうか?そちらの方がこちらとしても助かりますし」


非公式の依頼は、同盟アライアンスを通さずに、直接依頼者からギルドに依頼をする方法だ。そのため、いくら受けてもよく、ギルドに報告する必要も無い。そして、依頼者やギルドの名前も公表しなくていい。

それならば、問題は無い。どうにかしたいのは山々だが・・・・・

シャルとニムの方を見る。俺の一存で、決めていいことではない。

すると、シャルがサイキに言ってきた。


「私としては、これ受けたいんだけどだめかな?こっちは後回しでもいいから」


「いいのか?」


「うん、困ってる人をほっとけないっていうか・・・」


そこにニムが口を開いた。


「私もシャルさんと同じ意見ですね。事情だけ知って、このまま見捨てていくのもさすがに無情すぎると思いますし。まあ、ギルドリーダーはサイキなんですし、リーダーの意見には従いますがね」


ニムも同意してきた。

どうやら、問題はないようだ。デスクのほうに向き直って言った。


「分かりました。この依頼受けさせていただきます」


「助かります。報酬は用意しますので、どうぞよろしくお願いします」


デスクがホッとしたように言った。

そして、ニムが話を続ける。


「出発の方は、明後日でもよろしいでしょうか?」


「ええ、それくらいだったら問題ありません」


その後も何個かニムが質問して、内容を決めた後領主館をあとにした。

こうして、領主からの非公式な依頼を受けたのであった。

感想・アドバイス等何かありましたらよろしくお願いします。


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