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色んな魔女が登場

 イースターエッグは全部で六つ。


 キリエが一つ。

 アオイが一つ。

 退魔騎士団が一つ。

 蛇の魔女団が二つ。

 残る一つは、所在不明。


「次は、蛇の魔女団を狙うか」


 キリエが急に口を開いた。


「蛇の魔女団というと、キリエが元いた魔女団ですね」


 と、ハナコが言った。


「うん。一番厄介なとこから潰しちゃおう」


 と、キリエは前髪を摘まみながら言った。


 空は赤く焼けていた。

 木々の影が長く伸び、足元を絡め取るように揺れている。


「見られてますね」


 突然ハナコが言った。

 

「うん」


 キリエが気のない返事をすると、草木が揺れ見覚えのある顔が現れた。


「ここであったが百年目! お前を倒す!」


 胸元には『蛇の魔女団』の刺繍。

 右側の髪だけを高い位置で束ねてサイドテールにしている。

 

「えっと、だれだっけ?」


 前髪を指でくるりといじりながら、キリエが言った。


「忘れてんじゃねえ! サユリだよ!!」


 ep.3『VS 断末魔の叫び』でキリエたちを見捨てて逃げた魔女だ。

 キリエの持つエッグをまた奪いに来たようだ。

 

「よくもまた顔を出せたな」

「お前を倒すため、また来てやったのさ!」


 サユリは、キリエに人差し指を向ける。


「ところで髪切った?」


 キリエは、とぼけたように話を変えた。


「そいつに切られたんだよ!」


 今度はハナコの方に人差し指を向けた。


「そうでしたっけ?」

 

 ハナコが首をかしげる。


「とぼけやがってえ……」


 サユリは悔しそうに地団駄を踏む。


「ところで、まだこっちを見てる奴がいるけど、お前の仲間か?」


 キリエが草むらの方を指差して言った。


「へ?」


 ユリエが驚いた表情をした直後、草木が揺れた。


 紫色の長い髪が、地面を引きずる。

 数珠のようにいくつも括られた、極太の一本編み。

 それを背負う魔女が現れた。


「ふふっ。この程度の気配察知もできないなんて三流ね……蛇の魔女団さん」


「お前何者だ!」

 サユリが叫ぶ。


「紫尾の魔女団、ムラサキよ。イースターエッグを渡しなさい、赤髪!!」


 紫髪の魔女が、極太の尾のような髪を揺らしながら堂々と言う。


「えー」


 キリエは気が抜けたような返事をする。


「抵抗しなければ、傷つけはしない」

「エッグは渡せない」


 キリエが目を細めて言った。


「……そうか。では無理やりにでも貰っていく!」


 ムラサキは腰のナイフを抜き、戦闘に入ろうとした。


「ところで、まだこっちを見てる奴がいるけど、お前の仲間か?」


 キリエは別の草むらの方を指差して言った。


「へ?」


 ムラサキが驚いた表情をした直後、草木が揺れた。


「ふふっ。この程度の気配察知もできないなんて三流ね……ムラサキさん」


 銀髪の長い三つ編み。

 それを左肩に流した魔女が姿を現した。


「お前何者だ!」


 ムラサキが叫ぶ。


「白銀の魔女団、ホワイトよ! エッグを渡しなさい」


 銀髪の魔女が、三つ編みを指先でなぞりながら優雅に言う。


「ちょっと待ちなさいよ! エッグは私が貰う!」


 サユリが割って入り、ホワイトに人差し指を向けて言う。


「黙ってな三下。エッグは紫尾の魔女団のものよ」


 ムラサキがサユリを押しのけると、冷たく微笑みながら言う。


「エッグは私たち白銀にこそ相応しい」


 ホワイトが肩をすくめながら言う。

 魔女たちがじゃれている中、キリエが小さく手を挙げる。


「じゃあさ、ジャンケンで決めたら?」


 三勢力の魔女たちが顔を見合わせる。


「……合理的だな」

「時間もかからないし」

「異論はない」


 サユリ、ムラサキ、ホワイトはゆっくりと円を作ると、ジャンケン前のストレッチを始める。ストレッチを終えた三人は睨み合う。


「ジャンケン――」


 その瞬間、キリエとハナコは走り出し、三人から逃走した。


「ばーか!! 一生やってな!!!」


「「「ちょっと待て!!!」」」


 三勢力の魔女たちが、一斉に追ってきた。

 

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