38話 どうする
練習走行は満足できる調整が出来ずの予選に入ることになった。それでも瑠生は走らせるしかなかった。
「すまん、瑠生調整が完璧な状態で予選に入らすことになって」
「石浦さん、構いませんよ何とかします」
「何とかって、どうする気だ」
「はじめと同じくらいにするか、閉めた状態にしておいてください」
「おい、そうなると危険だぞ、メカニックとしては反対だ」
「でも、攻めるしかな無いです」
「それでもだ」
「今、攻める時じゃないことは理解しています」
「なら、どうしてだ」
「今後、同じようなことが起きた時に対応するためです」
石浦は、瑠生の意見を受け入れたくは無かった。閉めすぎた状態にしてしまうとブレーキが熱を持ちすぎてブレーキが利かなくなる逆に開きすぎるとまたこちらも効かなくなってしまうそんな状況でブレーキング重視な走行をする瑠生には致命的な問題になってしまうからだった。でも、瑠生の意見を受けいるしかなかった。
「どっちがいい」
「どっちがいいとは」
「開ける方か占める方か」
「占める方で」
「わかった、準備しとく」
「ありがとうございます」
「いい、でもブレーキに負荷をかけすぎるなよ」
「それは、保証できません」
「そうか」
石浦は、調整を支持するためにピットに戻って行った。ここまで来たなら瑠生の腕に掛かっていたいた。
ーーー
咲夜の予選が始まろうとしていた。普段なら、始めの方に出てクリーンエアーで走行を始めるのだが今回、瑠生は後方のグループで走行を始めた。瑠生の車が出た時の先頭集団は後半に入ろうとしているタイミングだった。普段以上にタイヤを念入りに温めて1周まわりアタックに入った。瑠生は、2戦とも新人でありながら前年の優勝者とまともに戦えるスキルを持っているので当然他の予選走行を行っている選手すらも追い越していくようなスピードで走っていた。
「くそ、ブレーキが利きにくいな」
若干ではあった、時間にしては1秒もない時間、瑠生が想像していたよりも車が止まらない。それでも抑えようとしてブレーキを踏む何とか車を旋回させて連続する7,8コーナーを抜けた。それでもこの3つのコーナーを抜けるのに若干のロスが生じてしまった。それでも瑠生は、残りのコーナーを攻め初めの予選は何とかクリアした。
ピットに戻ってきた瑠生の顔を見た整備士たちは想像以上に厳しい戦いになることをそこで改めて理解させられた。そんな中でも予選2回目に向けて整備士たちは動いていた。
「どうだったて、聞かなくても大丈夫か」
「ええ、聞かないんで」
「だろうな、どうするもう少し開けるか?」
「開けましょう」
「開けても止まらなくなる可能性も大きくなるが」
「それでもかまいません」
「わかった」
瑠生は、予選一回で普段よりよも消耗していた。ブレーキのポイント、アクセルの踏み加減、タイヤから伝わって来る路面の情報何もかも普段と異なっていたそれに対応するために集中していたので自身で体調を認識できていなかった。
ーーー
30分の休息を取った咲夜は、予選2回目を走行していた。予選1回目とは異なり先頭集団で出ていた。タイヤを温めてアタックに入った。レースを詳しく知らない人からしてみれば安定しているように見えた。しかし、普段から瑠生の運転を見ている真昼は違った。真昼からしてみれば安定感がなくコーナーに入るときは安全が優先で狂気じみた攻めを行っていないことで苦労していること見ていたのが当然、ライバルでもあるので抜かせるタイミングでは抜かさなければ自身の予選が危うくなるので抜かしていったのだが明らかにコーナーの入り方が普段と違っていることには気が付いていた。
咲夜は、ブレーキでやはり苦しんでいた。それでも安定した走り方や攻めれるところは攻めていたので予選はクリアしただがクリアした中では最も遅かった。
「どうにもならないか」
「今回は冷めすぎな感じです」
「そうか、今までと同じように調整はしてるんだがな」
「環境の違いでしょうか」
「そうだと、他の二人も同じ症状が出ているはずなんだが」
「そうですね」
「それで、どうする」
「どうするとは」
「そのままで行くか、調整するか」
瑠生はしばらく悩んだ、しかし予選3までの時間はそんなにないこともわかっているので答えは直ぐに必要だった。




