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「サンタさんも一緒に食べよ!」
「いいの?」
「遠慮しないでください、思い出作りなんですから」
「じゃあお言葉に甘えていただきます」
時間が経つのは案外早い。
気がつくと
もうクリスマスは終わりそうだった。
「サンタさん、もう帰っちゃうの?」
「うん。もうクリスマスも終わるからね」
「行かないでよ....まだここにいて」
「朝日くん、これあげる」
そう言って私は朝日くんにあるお守りを
渡した。
「これは?」
「星の欠片のお守りだよ」
「触るとキラキラして、星空みたいな感じに光るよ」
「それに、誰かに取られてもちゃんと朝日くんの所に帰ってくるようなおまじないもしてあるからね!」
「サンタさん、僕もサンタさんになったら会いに行ける?」
「どうだろう」
「サンタさんは簡単になれないよ?」
「僕、絶対なってみせる!!」
「だから待っててくれる?」
「うん、待ってるよ」
「約束ね!!」
「うん。約束」
「じゃあ、またね朝日くん」
「またね!!」
「朝日をありがとうございました!」
あぁ、やっぱりサンタクロースの仕事は
忙しいだけじゃなくて楽しいな。
「胡桃さ~ん、17番地ってどこでしたっけ?」
「あっちの通りを真っ直ぐ行ったところだよ」
「ありがとうございます!」
「あ、帰ってきたら僕のこと褒めて貰えますか?」
「全然いいよ!!」
「よっしゃ!」
「じゃあ頑張ってね朝日くん」
「精一杯頑張ってきます!!」
「それじゃ行ってらっしゃい」
「行ってきます!」
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︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ ︎︎︎ いつまでも子供心を忘れずに
__________サンタクロースより_