植物園に行くことになった
夏休みに入り数日経った頃、アルミネが来た。
「来てくれてありがとう」
「私もユミリア様とお話ししたかったですから」
そう言って笑ってくれた。
久しぶりに、屋敷の方の植物園にも連れていく。
帰ってから自分でも見てみたのだけど、植物達は枯れていなくて、むしろ元気だった。
きっと、イサが世話してくれていたのだろう。
またお礼しなきゃだ。
「こちらのお花も、とてもお綺麗ですね」
「ここのお花達は学園にいる間は、イサが世話をしてくれていたのだと思うわ。私がするより綺麗に咲いているもの」
「そうでしたか。ですが、ユミリア様が学園で育てられている植物も負けていませんわ!」
アルミネが、ぎゅっと私の手を握りしめる。
「ふふっ、ありがとう。アルミネの手は相変わらず暖かいわね」
「ありがとうございます」
アルミネが微笑む。
「あの、ユミリア様、他の植物園にご興味はありませんか?」
「他の植物園?興味はあるけれど……」
私のなんて、下手な横好きのようなものだし。
一度ちゃんとしたのを見てみたいのよね。
というか、なぜそれを聞いてきたのだろうか。
「でしたら、いい場所を知っていますので案内させてください。リン様もお誘いして」
「本当?いいの?」
「私がお誘いしてるんですよ」
そう言いながら少し笑った。
アルミネが誘ってくれたから、せっかくなら行きたい。
だけど、リンも来てくれるかな。
「それならお願いしたいわ。リンにもあとで聞いてみるわね」
「はい。楽しみです」
「私も楽しみだわ」
それからもう少し話をして、アルミネが帰った。
私は言った通り、リンに聞きに行った。
リンの部屋に入らせてもらう。
「どうしたの?義姉さん」
「アルミネに植物園に誘われたんだけど、一緒に行かない?」
「僕もいいの?」
「アルミネから言われたのよ。リンも誘ってって」
「多分言い方が違う気がするけど。わかった、僕も行くよ」
リンが頷いてそう言った。
リンの答えを聞いたから、私は部屋から出て自分の部屋に戻った。
楽しみだな。
なにより、アルミネとどこかに行くというのが楽しみ。
こちらの世界で友達と遊ぶというのをまだしていなかったから。
元の世界でもあまりしていなかったけれど。
時間取れなかったし……
って、ネガティブな思考はよくないな。
明日のこと考えながら寝よう。
そうしたらきっと、怖い夢もみないはずだし。
私が定期的にみる怖い夢のことは、誰にも秘密だ。
心配かけたくないし。
『心配ぐらいかけたっていいんじゃね?』
『いい子だからそれが嫌なんじゃないかな?』
『まぁ僕達はまた見守り役に徹しておこう』
『異議なし!』
久しぶりに聞こえてきた。
私の他の人格達の声。
少し疲れていたのかもしれない。
早く寝よう。
おやすみなさい——




