植物園をつくります
数日経ち、学園にも少しずつ慣れてきた頃。
寮から出て、向かう途中にリンに鉢合わせた。
「リン、おはよう」
「おはよう。なんか久しぶり?」
「三日しか経っていないでしょう?」
「毎日会ってたから」
リンが笑って言った。私も会えて嬉しい。
リンが学園に慣れるまでは、迷惑になるかなと思ってたのよね。
「そうだ、僕も会ったよ。マリカ・ローネさんに」
「そうなの?」
「うん。ハンカチ落としてたから拾ったんだ」
それはリンとヒロインの出会いイベント……
マリカがリンに笑って感謝を伝えたところ、リンがマリカに一目惚れをする。
もしかしてリン……
「恋しちゃった?」
「僕は一目惚れとかしないから。してないよ」
「そう、よかった…リン、恋したとしても尾行とかしちゃダメよ⁈」
ほっとしたけど、心配になり私はリンの肩を掴み、揺らす。
「ね、義姉さん…苦しい。それに、そんなことしないから!」
「よかった。そうよね、今のリンは尾行とかしないわよね」
「そうだよ。だから、早く離して?」
リンが苦しそうにしている。
私が揺らし過ぎてしまったみたい。
私はすぐに手を離す。
「ご、ごめんなさい。大丈夫?」
「大丈夫だよ。じゃ、またね義姉さん」
リンが手を振って学園に向かった。
『雅』は尾行とかしない。そうだよね。
あんな優しい子に育ったし。
ついゲーム内のリンと重ねて考えてしまった。
私は頷きながら納得していた。
すると、一緒にいたエマが
「あの、お嬢様。そろそろ行かなければ時間が…」
と、言った。
そうだった。私は学園に向かうところだったのだ。
リンが行ったということは、私ももう行かなければ間に合わない!
私は急いだ。
無事、時間には間に合った。
そうして、授業が終わる。
魔法について学ぶのって、楽しい。
まあ、右から左へと消えていくんだけどね。
私は覚えるのとかが苦手だから。
「お嬢様、申請されて許可されたのは良いのですが…その見覚えのあるクワと作業着は、どうされたのですか?」
私は申請して、植物を育てるための場所を貸してもらうことになった。
偉大な魔法学園だけど、そこは寛大なようで良かった。
「どうしたって、イサに持ってきてもらったのよ。エマが私の荷物から出していたようだから」
「イサさんですか…」
エマがまたため息をついた。
使い慣れた道具の方がいいから、持ってきてもらっただけなのにね?
イサもわざわざ持ってきてくれてありがたい。
私はそんなエマを見てから、作業へと移った。
苗を持ってきていて良かった。
こっそりだったから気づかれなかったし!
私が土を耕そうと、鍬を上に上げた時
「ユミリア様ー?」
と、声がした。
この声はアルミネだ。
それと、 ナチェラもいるみたい?
「あっ、ここにおられたのですね…ってその格好?」
私が作業着を着ているところを見て固まっている。
「お、お前、学園に来てまでそんなっ」
ナチェラは、今にも倒れそうに腹を抱えながら笑っている。
いくらなんでも失礼だと思う。
その後ろからカイラとセシルそれに、リンとステファンも来た。
「ユミリア様は変わりませんね」
「入学おめでとう」
と、カイラとセシルが言う。
セシルに至っては、もう数日経っているのだけど。
まぁ会うときがなかったから仕方ないか。
「義姉さん…」
「ユミリアはいつも面白いですね」
リンは呆れたように、ステファンは微笑みながら言う。
面白いって……別にそんなことは求めてないのに。
そのあとは、みんなで話しながら作業をした。




