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ヒロインとの邂逅

 今日この日、私は『マジラブ』の世界の学園に入学する。

 魔法学校文字通り、魔法の制御などを学ぶための学園である。

 魔法について学べるのは楽しみではあるのだけれど……

 ヒロインに出会ったら、自分がどうなるのかという怖さもあるのだ。


 今更どうしようもないし。

 原作の修正力というものが、効いてくるのかもしれない。

 それは分からない。


 学園には寮があり、入学式が終わるとそこに移動ということになる。

 女性寮の方に向かっている最中、私は厄介なことに出くわしてしまった……


「なにこの猫?なんでこんなところに猫がいるの?それに、疲れているみたい…」


 そう呟く女性。

 私はその顔を知っている。

 何度も何度も見たから。画面越しにだけれどな。

 金髪に、肩までの長さで少し癖っ毛が入っている子。

 彼女の名前はマリカ・ローネ。

 『マジラブ』のヒロインだ。


 こんなところで出会うと思っていなかった。

 幸い、まだ姿を見られていない。

 まだ逃げれる。


 そこで私は、動き逃げようとした。

 だが……ここが茂みだったこともあり、ガサッと音が鳴ってしまった。


「誰かいるのですか⁈」


 なんで私は茂みに隠れたのか。

 隠れないで通り過ぎていたら、怪しくなかったのに。

 咄嗟の判断を間違えるとは私もうっかりだな。


「こんにちは」


 私は微笑んだ。


「貴方は…ユミリア・シスカ様」

「えぇそうよ。貴女は、マリカ・ローネさんだったわね?平民の」


 私はわざと、平民のと付け足した。

 悪役令嬢ならそうする。

 これでどうでるか……


「先に名乗らず申し訳ありません。マリカ・ローネと申します」


 彼女も微笑み返してくれた。

 この子いい子すぎるわ。私が怒らせるような言い方をしたはずなのに、一切動じない

 きっと猫だって保護するつもりなのでしょうね。


「ねぇ、貴女が今抱えているその小汚い黒猫はどうするつもりなのかしら?」

「この猫は小汚くはありません。そして、見つけた責任として私が元気にします」

「そう。なんでもいいけど、女性寮の中で飼うのだけはやめなさい。獣臭がしてしまうわ」

「はい」


 私は、彼女の顔を見ないまま前を通った。

 なるべくキツい言い方になるように心がけた。

 本当は思ってないからね!獣臭が嫌とか、小汚いとか。

 むしろ、猫は好きだから!!


 あの子は強い子だなと思った。

 自分より、階級の高い相手にも反論を返す。

 しかも、真っ直ぐ目を見てだ。

 

 私だったら怖くて無理だったかもしれないな。

 マリカ・ローネ。

 あの子は、やっぱりヒロインだ。

 私と仲良くしてくれているステファン達も、いつかあの子の元へ行ってしまうかもしれない。


 その時までは、笑って過ごしたいな。

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