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予約された?

 みんなと出会って、歳月が経った。

 本日、私は十五歳になる。

 なので誕生日パーティーがあるのだ。

 なのでというわけでもないのだがな。

 十五歳は節目の歳ということで、大規模なパーティーをする。

 あまり目立ちたくはないのだけれど、仕方がない。


「お嬢様、このような感じでよろしいですか?」


 エマが髪を結えてくれた。

 鏡を見ると、綺麗にまとまっている。


「えぇ、ありがとう」

「お誕生日おめでとうございます、お嬢様」


 エマは、礼をした。

 毎年これを言ってくれることが、本当に嬉しい。

 十五歳になったら、本編が始まる。

 私はそう考えながら生きてきた。

 これからどうなるのだろうか?考えたところでどうしようもないけれど。


「お嬢様?皆様のところに参りましょう」

「あっ、そうだったわね」


  今日は誕生日パーティー。主役は私だ。

 主役がいないとなにも始まらない。

 気合を入れて、歩いていった。


 会場に行くと、煌びやかな音が鳴り響いている。

 今日ばかりは、踊らないとならない。

 それに、この日のために練習してきたのだから、成果を試さないとね。


「ユミリア、僕と踊ってくださいますか?」


ステファンが私に手を差し出す。

私はその手をとり


「喜んで」

と言った。


 そうして、ステファンにリードされながら踊る。

 ところどころ足を踏みそうになったけれど、踏まなかったので良かった。

 

「今日は一段と綺麗ですね」

「ありがとうございます。あっ、ステファンに言おうと思っていたことがあったのですが…」

「なんでしょうか?」

「学園で、他に好きな(かた)ができたら私といつでも婚約解消してくださいね」


 私はユミリアだけれど、ユミリアじゃないのだ。

 地位とか正直どうでもいい。

 ヒロインとのことに、巻き込まれたくもない。

 だからそう言った。


「ユミリアは、僕のことをわかっていませんね」

「えっ?」


 手をとられたと思ったら、左の薬指にキスをされた。

 

「次はちゃんとしたのを渡しますからね」

「えっ、は、はい?」


 ステファンは、ニッコリして去った。

 そのあとすぐにリンが来た。


義姉(ねえ)さん、大丈夫?」

「リン、私なにされたの?」

「なにもされてないから、ね!忘れよう」

「そうよね!」


 リンが私の手をハンカチでゴシゴシと拭いてきた。

 言われたとおり忘れよう。

 気にしないでいこう。そうしよう。

 そうそうなにもされてない。

 なにも……

 

 って、あれを気にしないほど強者(つわもの)じゃないんだが⁈

 なんなの?薬指にキスって……

 キザすぎるって!

 私以外にしなよ。ナチェラとか!

 はっ、つい腐った思考になってしまった。

 

 んーでも、リンも忘れてと言っていたしな。

 うん、忘れよう。

 記憶の片隅には残るような気もするけれど。

 それぐらいならば気にせずにいられる。

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