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リライトの屋敷へ訪問

 今日はカイラが遊びにきている。

 私と小説語りをするためだ。


「お招きいただきありがとうございます。私、沢山話したいです!」


 興奮気味にカイラが言う。


「えぇ。沢山話しましょうね」


 私も語れる人がいなかったから、すっごく楽しみなのだ。

  そうして時が経っていった。

 辺りは暮れている。


「もうこんなに暗くなってしまったのですね…」


  カイラがしゅんとしている。


「また来てくれたらいいのよ」


 私がそう言うと、カイラがパッと顔をあげて笑った。

 可愛い笑顔だ。美少女の笑顔の破壊力って高いわね……


「はい。あの、ユミリア様がよろしければなのですが…」

「なにかしら?」

「私の屋敷に来ていただけませんか?家族に紹介したいのです」

「リライト伯爵の屋敷にってこと?かまわないわ」

「本当ですか⁈」


 カイラが嬉しそうに言う。

 私は頷いた。


「では、また後日お迎えに来ますね」


 カイラは控えめに手を振って馬車に乗り、帰っていった。

 最初に会ったときとは随分違う印象だ。

 アルミネもだけど、なんでそんなすぐに明るくなれるんだろう。

 人間って不思議だな。



 あっ、そんなこと考えてる暇はないんだった。

 リライト伯爵……宰相、か。

 『マジラブ』の攻略対象の一人であるセシル・リライトがいる屋敷。

 なにも起こらないといいんだけど。


 カイラ・リライトに会った時から、こうなるんじゃないかとは思っていたのよね。

 カイラが彼の妹だと気づいたのは仲良くなってからだけど。

 こうなったら、どうしようもないのよね……




 数日経ち、カイラが迎えにきた。

 私は馬車に揺られて、リライトの屋敷へとやってきたのだ。


 ここで待っていてと、部屋に通されて大人しくしているところである。

 少しすると、扉が開いた。

 カイラが戻ってきたのかと、見ると全然違った。

 美形が二人立っている。


「初めまして。ユミリア嬢」


  男性が私に声をかける。

 その横で、女性がお辞儀をする。


「えっ?私の名前…」

「失礼しました。娘から聞いているものですから」


  娘?まさか、このお二人は……


「こちらこそ申し訳ありません。リライト伯爵」


  そう、カイラとセシルの両親だ。

 こんなに美形とは思っていなかった。

 そりゃ、あの二人が産まれるわけだよ!


「お顔をあげてください。(わたくし)達はお礼にきたのです」

「お礼、ですか?」

「あの子と、カイラと仲良くしていただきありがとうございます。貴女に出会ってから、あの子は毎日楽しそうで…」


 女性が話す。


「お礼を言われることではありません。私も、カイラと話すのは楽しいですから」


  私は笑って言う。

 事実だから。小説の話を久々にすることができてとても楽しいからね。


 その時、また扉が開いた。


「ユミリア様ー、あれ、お母様とお父様?」


  カイラだった。

 二人が私に挨拶に来ていることを、知らなかったのだろう。

 とても驚いている。


「カイラ、ユミリア様にご挨拶をしていたのですよ」

「とてもいい(かた)ですね、ユミリア様は」


  お二人は言う。

 いい人、か。言われ慣れてなくてむず痒いな。


「そうだったのですね」


 カイラが微笑む。


「ユミリア様、父と母が突然で申し訳ございません」


  カイラが私を見て言った。


「いいのよ。私もご挨拶したかったから」


 私は、カイラとカイラのご両親を見た。


「ユミリア嬢、これからもカイラをよろしく頼みます」

「もちろんですわ」


  そうしてお二人は出ていかれた。

 親公認の友達ができましたー

 やりましたね!


 それから私達は本を読んで過ごした。

 それと、オススメの本を教えてもらうなどもした。


 あっという間に時間が過ぎていき——

 帰る時間となったのだ。


「お別れの時間は悲しいですね…」

「それなら、次はうちの屋敷に来てほしいわ。私もまだ話し足りないのよ」

「ぜひ!」


 カイラは笑った。

 そして私は、また屋敷に戻った。


 そういえば、今日はセシルには会わなかったな。

 会わない方がいい気もするし。

 このまま平穏が続けばそれでいいと思う。

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