オタクの心が蘇った
数ヶ月経ち、私はオタクの魂が蘇るものを見つけてしまった。
そう、ロマンス小説である。
元々オタクだった私は、メイドから小説の存在を教えてもらったらまんまとハマった。
こればかりは仕方がない。
毎日が楽しくなったので、それは良しとしよう。
ロマンス小説は貴族の世界ではあまりいいと言われていない。
なんでも、低俗なんだとか。
だけど、お母様は私が小説を読んでいるのに文句を言わないでくれてる。
小説を読んると、なにも騒ぎを起こさないからだと小声で言ってたのは聞こえてたんだけどね。
でも語れる人がいないのは少し寂しい。
教えてくれたメイドも寿退職?してしまったから。
アルミネも読まないし……
どこかにいないかな?語れる人。
そんなことを考えつつも読んでいた本を閉じた。
「この本も面白かったわ!」
「ふふっ、良かったですね」
今日はアルミネが遊びに来てくれている。
「アルミネは、私が本を読んでいて退屈じゃない?」
「いえ、楽しいですよ。ユミリア様の表情がころころ変わるのを見るのは」
表情がころころ変わる?
あまり分からないけれど。
「そんなに変わってた?」
「えぇ、本が面白いのだとすごく伝わってきますわ。私も読みたいのですが、あまりそういうものは得意ではなくて…」
「いいのよ。アルミネはしたいことをしていて?」
「はい。お気遣いありがとうございます」
アルミネは微笑んだ。
気遣いとかではないのだけど。
わざわざ訂正しなくても、わかってくれてるかな。
「あの、ユミリア様」
「ん?なにかしら?」
「私、お茶会に誘われたのですけれど、ユミリア様も一緒に来ていただけませんか?まだ不安なのです……」
お茶会……私が行っても大丈夫なのだろうか。
作法がダメすぎて前回はリンについてきてもらったのに。
いや、でも不安そうに顔を俯いてるアルミネを放っておくわけにもいかないし……
葛藤の末、出た結論は
「わかった。一緒に行くわ」
行くことした。
だって、放っておけないじゃない。
可愛い子が困ってるというのに。
「本当ですか?ありがとうございます」
アルミネがパァっと笑った。
「それより、私も行っていいのかしら?誘われていないけれど」
「きっと大丈夫です。今回のお茶会は階級とかは関係ないようなので」
「そう。それなら良かったわ」
誘われてもないのに行って門前払いとか、さすがに嫌だもの。
確認はちゃんとしとかないとね。
リンもついてきてくれないかな。
あとで聞いてみるか……
お茶会で小説について語れる人とかいないかな?
会えたら嬉しいんだけどね。
そう上手くはいかないかなー




