誕生日
今日は私の誕生日なので、早く起きた。
着替えてたら、エマが来てくれた。
「おはようございますお嬢様。お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう」
支度を丁寧にしてくれて、いつもより髪が綺麗になった。
いつも丁寧だけれどね。
それから、みんなに誕生日プレゼントも貰った。
お父様からはドレス、リンからは花束、お母様からはマナーの本を沢山……
どんなものでも、気持ちがこもっているのだから嬉しい。
そして、外に出て農具をとって植物園に向かった。
「義姉さんってなんで、植物育ててるの?そんな好きってわけでもなかったよね?」
リンがそう聞いてきた。
「魔力の強化に繋がるかもって思ったからよ!それに、植物って綺麗だし、小さいのだと可愛いでしょう?」
「んーなにか違う気もするけど……義姉さんがいいならいっか」
そうやって話してたら、エマがやって来た。
「お嬢様、ステファン様が来られました」
エマがそう言ったのを聞いてリンが
「ステファン様って義姉さんの婚約者だっけ?」
と、小声で聞いてきたので
「そうよ」
と返した。
もう抵抗がなくなったのか私が作業をしている時は植物園の方に通すようになった。
「ユミリア、お誕生日おめでとうございます。貴女に言われたとおりに苗を持って来ましたが、本当にこれでよろしかったのですか?」
「ありがとうございます!」
私はステファンから苗が入った箱を受け取り、さっそく埋めようと、いそいそと土を耕しに行った。
けれど、先に育ててた植物の芽が萎れてきているのに気づいてしゃがんだ。
「こ、これ…」
私が頑張って少しずつ水を与えてきたし、陽当たりも良かったはずなのに……と悲しくなった。
イサが育ててる植物は相変わらず綺麗に咲いているのに……
「まぁ義姉さん、また綺麗に咲いてくれるように育てようよ」
「そうですよ、ユミリアが綺麗なのですから」
二人が肩をポンっと叩いてくれた。
ステファンの言葉は聞かなかったことにしよう。
なんか変なこと言ってた気がするし。
「ステファン様変なこと言わないでくださいません?」
「君こそただの義弟なのに距離が近いんですよ」
「義姉さんに変な虫がつかないように、警戒してるんですよ。それが僕のしたいことですから」
「それはそれは…」
二人が私の上でばちばちと争ってる。立つのが嫌になってくる。
というか、リンが雅成分強めの対応してる……
ステファンも売り言葉に買い言葉みたいに返してるし。
仲良くなれると思ってたんだけど……
今はまだ無理そうな気がする。
「よしっ、また頑張って育てるわ!」
私はすくっと立って、鍬を取った。
急に立った私に驚いてるみたいだったけど、口喧嘩を止めるにはこうするしかなかったからね。
そうして頑張って耕して、ステファンに貰った苗を埋めて今日の作業を終わりにした。




