お茶会に行くことになった
リンが部屋を出てから私は二度寝した。
眠かったのだ。それはもうよく寝た。
「お嬢様、起きてください。朝食のお時間ですよ」
「ご飯⁈」
エマの声が聞こえてきて、私は飛び起きた。
もうそんな時間になってたのか……さすがに寝過ぎてしまったな。
「お嬢様が先に起きておられないのは珍しいですね。しかし、朝食と聞いて起きるのはいかがなものかと……」
「しょうがないじゃない。お腹が空くのは自然なことだもの」
「そうですが…」
エマは話しながら私の身支度を手伝ってくれる。
手を止めずにしていたことで、すぐに終わった。
私は部屋から出て、朝食を食べに行った。
「お母様、お父様、リン。おはようございます」
私は、しっかり挨拶をする。
挨拶が一番大事と言われたし、欠かすと怒られたから。
それは『私』の時のことだけど。
「おはよう、ユミリア」
お父様達は挨拶を返してくれた。
私はそのまま椅子に座った。
目の前にはリンがいる。斜め前にはお母様。横にはお父様だ。
私は小さいパンをちぎらずかぶりついていく。
「そうだ、ユミリアは明日誕生日だろう?そろそろお茶会に行かせよ思うのだが、いいかな?」
そうか、明日は私の誕生日だったな。
お茶会…嫌だけど、社交界デビューの前の積み重ねか。
私は噛んでいたものを飲み込み、答えようとしたが
「お言葉ですが、この子にマナーが守れるとは思えません!今だってこんななのですよ⁈」
お母様が先に言葉を発した。
こんなとは、今両手にパンを持ちながらもぐもぐしていることだろうか。
マナーとかよく分からないのでな。
「リンも一緒に行かせるから大丈夫だろう」
「それならまぁ…」
お母様は納得されたようで、頷かれた。
昨日来たばかりのはずなのに、なんでリンの方が信用されているのやら。
それになんでマナー完璧なの?育ちは同じだったのに……
疑問を持ちながら食べ終わった。
そして部屋に戻る。
その時にリンも一緒に戻るとこだったから、小声で話した。
「なんで雅はマナー完璧なの?」
「見てたら覚えたから。それに、リンとしての知識だってあるからね」
「そっか…私はダメダメだよ」
「義姉さんだってできるようになるって」
そう励ましてくれたけど、本当にできるかわからない。
マナーの勉強しなきゃだなと思いながら、部屋のベッドの上で寝落ちた。