レーシャと幸せのテディベア
ある小さな国に、レーシャという女性がいました。
レーシャは、夫と、息子と幸せに、暮らしていました。
レーシャの仕事は、テディベアを作る事でした。
赤ん坊が生まれた時のお祝いのテディベア、
結婚式のお祝いのテディベア等、
沢山のテディベアを作る
楽しい仕事で、腕の良い職人でした。
ある日、小さな国に、大きな国が攻めて来て、戦争になり、
小さな国の人々は、大きな国の兵隊に、色々奪い取られたり、
乱暴されたり、殺されたり、と、
とてもひどい目にあわされました。
小さな国の人々も耐えかねて、男の人達は、兵士
になって戦いました。
レーシャの夫と、息子も兵士になり、戦地へ
行ってしまいました。
レーシャは、二人の無事を祈りながら願いを込めて
テディベアを作り続けました。
そんなある日、テディベアを作り終わったレーシャの前に、
モコモコのテディベアの神が、現れました。
「私は、テディベアの神だ。
お前は腕の良い職人で、10万個のテディベアを作り上げた。
お礼に、願いを叶えてやろう。」
10万個もテディベアを自分は、作ったのかと、レーシャは、
テディーベアの神を見て驚きました。
そして、ちょっと、考えて、言いました。
「私の願いは、一つです。
早く戦争が終わって、夫と、息子が、無事帰ってくる事
だけです。」
レーシャが、言うと、テディベアの神は、白いふかふかの
テディベアの生地と、黒いモコモコのテディベアの生地を
レーシャに、渡して、
「この黒いテディベアの生地で、テディベアを作れ。
黒いテディーベアは、大きな国の兵士を苦しめる。
その後、白いテディベアの生地で、テディベアを
作れ。
白いテディベアは、黒いテディベアを追い払い
平和をもたらしてくれるだろう。」
そう言って、テディベアの神は、消えてしまいました。
残された、テディベアの生地を不思議そうに、眺めて、
レーシャは、黒いテディベアを作りました。
作り終わると、黒いテディベアは、ピョンピョンと、
動いて、どこかに行ってしまいました。
不思議に、思いながらもレーシャは、来る日も、来る日も、
黒いテディベアを作り続けました。
戦地では、黒いテディベア達が、大きな国の兵士達を
苦しめてました。
ねずみを呼んで、悪い病を流行らせ、大きな国の兵士の
居場所を小さい国の兵士に、知らせたり、
爆弾に、火を付けて、沢山の大きな国の兵士を吹き
飛ばしました。
大きな国の兵士は、ドンドン小さな国から追い出され
て行きました。
黒いテディベアの噂を聞きながら不思議な気持ちで、
レーシャは、50匹目の黒いテディベアを作り終わり
ました。
そして、黒いモコモコの生地は、なくなりました。
黒いテディベアは、ピョンピョンと、動いて、
どこかに、行ってしまいました。
残された、白いふかふかの生地を見つめて、
レーシャは、白いテディベアを作るべきか?
考えました。
黒いテディベア達が、暴れて、小さな国は、
勝っています。
大きな国を追い出せるかもしれません。
白いテディベアは、黒いテディベアを追い出すと、
テディベアの神は、言っていました。
でも、平和をもたらせてくれるとも。
さんざん悩んだ末に、レーシャは、白いテディベア
を作り始めました。
白いテディベアは、ピョンピョンと、動いて、
どこかに、行ってしまいました。
それから白いテディベアは、黒いテディベアを
追い出し、追い詰めらていた、大きな国の兵士達の
病気を治してくれました。
白いテディベアは、美しい歌声で、傷ついた
大きな国の兵士を癒やしました。
その噂を聞いた大きな国の大統領は、白いテディベア達を
大きな国の城に、招待しました。
神の使いの白いテディベア達が、助けてくれると、
国民と、兵士を騙し戦争を続けるためでした。
白い会場は、白い沢山の花と、白い風船で、飾られて
いて、とても可愛い会場でした。
そこへ、白いテディベア達が、入って来ました。
そして、白いテディベア達は、美しい歌声で、歌い始め
ました。
その歌声を聞くと、大統領も戦争を続けようとしていた
将軍達、幹部達は、皆眠ってしまいました。
「大きな国の人達、無理やり戦争をしていた人達は、
みんな眠らせた。
もう、戦争をしなくてもいいんだよ。
戦争に行った、家族や大事な人達は、死なずに
帰ってこれるよ。」
白いテディベアは、言ました。
人々が、驚いて騒めいていると、
「それでも戦争をすると、言うなら僕たちが、
暴れて、この国を滅茶苦茶に、するよ。」
いつの間にかやって来た、黒いテディベアは、言いました。
「さあ、どうする?」
白と、黒のテディベアは、言いました。
大きな国の人々は、眠っている大統領達を牢屋に、
閉じ込めました。
そして、戦争を反対していた偉い人を大統領に、
しました。
こうして、戦争は終わり、平和が訪れました。
レーシャの夫と、息子も無事に、帰って来ました。
それからこの国では、皆お守りに、白と、黒のテディベアを
あちらこちらに、飾るようになりました。
戦争が、始まったら助けに来てくれると、信じられている
からです。