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10+1(イレブン)ナイン+1  作者: あまやすずのり
反撃、反撃、そしてまた
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反撃、反撃、そしてまた 09

 4回の裏、大山女子の攻撃。

 この回先頭の6番 嶋野 政美が打席に入る。


「お願いします」


 メットのツバに手を添えながら、足場を固め、心を落ち着かせるように息を吐く。


(初球……は)


 マウンドから襲ってくるサウスポーの球を政美は微動だにせず見送る。果たして、内角低めの球はしっかりとゾーンを通っていた。


「……」


 軸足だけを残し、一度バットを遊ばせた後、政美が再度構える。それを見てなのか、マウンドの本澄は頷き、上体を投球直前へと持っていく。内野陣から飛ぶ掛け声に背中を押されるように、力感十分な2球目が政美の懐へと再び迫る。


「っ!」


 手元でブレーキがかかったかのように沈む変化、即座にバットの軌道を変化させ、鈍い手ごたえと共にボテボテの打球が三塁線へと転がり逸れる。


「……ふぅ」


 あわや内野ゴロに打ち取られる可能性を何とかファウルに逃れた。しかし、カウントは0-2と完全に追い込まれている。


(このキャッチャーの傾向なら……)


 続く3球目、もう一度内角へと鋭く迫る球を政美は静かに見送り、ボール。予想通り、一球外れた、否、外してくれた。


(なら、次は……)


 足元を固めながら、大き目に息を吸い、脳を動かす。こちらが構えた瞬間、やはり、即座に頷き、投球モーションへと移行、未だ乱れる事がないフォームから放たれた4球目を政美はやはり見送った。


「ボール」


 しつこく突いてきた内角から一変、外角やや真ん中よりから落す事により空振りや打ち損じを狙ったのだろうが、その手には乗らないと言わんばかりに足元を払い、軸足を打ち付ける。その間およそ数秒、政美が構えた頃には既に次の投球に向け、静止した本澄。


「……なら」


 バットの握りを僅かに緩める。始動し始めた本澄の動きをしっかり捉え、左手から放たれるタイミングを頭の中で反芻する。


 そして、


 幾分早めに宙を舞ったその一球に、手を伸ばす。直球気味に入る軌道は外から中へ、ゾーンギリギリ低めを掠めるように突き進む。だから、政美は振った。右手をバットから外し、小さく横滑りするその球を左手一本で拾い上げた。


「ショートッ!?」


 ぶつかり合う小さな破裂音の直後、捕手の真琴がマスクを外しながら叫ぶ。まるでテニスのロブボールのようにフワリと舞った打球へショートの奏が狙いを定める、が、それだけだった。


「落ちたぁっ!ヒットヒットっ!」


「ナイスキャプテンっ!」


 大山ベンチから上がる声援、しかし、政美は背を向け、一塁上から打席へと視線を向ける、と、次打者の里奈がメットのツバを抑えながら小さく頷く。それに応えるように政美も同様の仕草を送り、冷静に塁間のリードを取り始めるのだった。

こんばんわ、作者です。


とうとう開幕しました、今年のプロ野球。

まだ始まったばかりですが、大分見ごたえある試合があり、

個人的には嬉しい限りです。

今のところ贔屓チームも好調な部類に入るので、

この調子を維持して突き進んでいってほしいものです。


ここまでお読み頂き、ありがとうございます。

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