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10+1(イレブン)ナイン+1  作者: あまやすずのり
反撃、反撃、そしてまた
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反撃、反撃、そしてまた 05

 4回表、先の守りで2点差に詰められたジュピターズ。

 ピンチを作りながらも何とか同点は免れた。しかし、この攻撃ですんなりアウトを積み重ねれば、消沈した相手の雰囲気が再度襲ってくる可能性も少なくない。大山女子に比べ、少しだけ野球の経験があるジュピターズの選手たちはその事をよくわかっていた。だから、


「セカンッ」


 この回の先頭打者、本澄が必死に喰らいつき、3-2から引っかけた内野ゴロにも全力でセーフを狙うが、


「アウトっ」


 流石に力ない打球を兎志子がミスする事もなく、淡々と処理され、一つ赤いライトが灯る。

 一塁を駆け抜けた後、思いっきり歯を食いしばり、天を仰いぎながら戻ってきた本澄。その横を次打者である真琴が通り過ぎる直前、彼女は本澄の肩に手を置いた。


「……大丈夫や、任しとき」


 いつにも増して、静かな物言いに流石の本澄も面食らい、その背を追う。見慣れた背番号2は不思議と大きく本澄の瞳に映る。そして、打席に入る瞬間の表情に本澄の背筋に戦慄が走ると、即座に踵を返しベンチで控えている仲間へ声をかけた。みなが何事かと、注目されるも、当の本澄は手早く準備を終え、一目散に飛び出した。驚きを伴い待っていた同僚と共に早すぎる肩慣らしを始めるために。



「……お願いします」


 第一声にちゃんこは不穏な空気を感じざるを得なかった。それもそのはず、先程までの回、選手に限らず、球審にまでからかうような言動と態度が目立っていた真琴がギラついた瞳で打席に入ったのだから。チラリと背後に控える球審の慎吾を伺うと同様に少々驚きと戸惑いが入り混じる表情でプレイのサインを送る。


(……)


 よほど先程の回が効果覿面だったのか、頭の端に浮かんだ情報も分析の一つとしてちゃんこの脳が処理をし、初球のサインを送る。頷くマウンドの千尋が大きく息を吐き胸へと手を閉じる。緊張と連打のプレッシャーから、流石に疲れが見え始めてはいた。ただ、先程の9番バッターには苦戦したものの、球威自体は未だ衰えてはいないのは確認できた。ならば、ここは千尋の良さとここまでの2打席の真琴の凡退を糧に抑える。だから、その布石として選んだ直球には自信があった。


「……なめんじゃねぇぞっ!!」


 ちゃんこは明らかに動揺した。それは唐突に叫ばれた声だけではない。内角高め、要求通りのボール球を打席に立つ彼女がいきなり、フルスイングで捉えた事もそうだった。金属の芯を喰った心地よい音が響くと同時に流された打球は三塁線上を真っ直ぐ進む。


「マリアナっ!」


「ッ!!」


 叫ばれたショート稼頭美の声と同時に横一杯に体を飛ばしたマリアナ。本職であったゴールキーパーの如きその動きを、しかし、打球は嘲笑うかのように突き抜けていく。


「ぬけたぁっ!」


「ツーイケイケっ!!」


 外野へ点々と走り抜ける白球にレフト俊恵が追い付く。そして、即座にショートへ。既に2塁ベースを踏んでいた真琴はサードを狙うかのようにオーバーランするが、返球を見て踵を返す。本日初ヒットをツーベースにした真琴。ほんの数秒前とは違い、慣れ親しんだ微笑みで沸き上がるベンチへと応えるその姿にちゃんこは唇を噛む。完全にやり返された事を後悔しつつ、しかし、落ち着くために一度息を吐く。それは即座に頭を切り替えるため、この後に続く、本日好調な打順に向けて、迎えたくない形で迎えてしまった対策を嫌でもしなければならなかったから。自分の感情は一度捨て、次の相手へと向けて脳をフル回転させるちゃんこだった。

こんばんわ、作者です。


少々、大変な事が起こりました……。

実は今週頭から背中に激痛が……。

冗談抜きで、一時期肩から上に手があげられなかったり、

痛みで夜中に目が覚めたり、と困った事になりました。

ただ、仕事から帰宅後、ごはんやお風呂終わったら早めに寝るを繰り返した結果、

今は大分痛みも引いて、腕も普通に(多少痛みはありますけど)あげられるようには回復しました。

……湿布や薬は偉大っす(笑)


今週は仕事も忙しいので、体力的にも気を付けながら来週までには8割くらい回復してると、いいなぁ……

あっ、いちおある程度書き溜めはしてるので、多分来週も更新できるかとは思いますので、

……うん、たぶん(笑)


ここまでお読み頂き、ありがとうございます。

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