終わりと始まり 02
ドーム内に響くざわめきが気になるのか、本日の球審を務める新沼 慎吾がいつにも増して不機嫌な顔で睨みを利かせる中、目の前では二人の女性が対象的な表情で挨拶を交わしていた。
「本日はどうも〜よろしゅうお願いします〜」
「どうも」
ニコニコと愛想よくする真琴に対し、警戒を解かず、言葉少なげにスタメン表を差し出す真澄。その後は両社とも言葉を発する事無く紙片を交換し終えると即座に踵を返し、自らのベンチへと戻る。
「や〜、怖いわ、あの子」
独り言と思わしき発言をわざとベンチ内に木霊させながら真澄は差し出す。そこにはヒラヒラとドームの暖房で揺れるスタメン表、昌也は苦笑しながら受け取り同意した。
「読めません、でしたか」
「えぇ、私よりも腹黒いわ、気を付けて」
教師として問題発言とも取れる内容に、しかし、昌也は真剣な顔で応えるとスタメン表へと視線を落した。
浪速ジュピターズ スタメン表
1番 捕手 白石 真琴 (右投左打)
2番 遊撃手 野田 奏 (右投左打)
3番 左翼手 上野 悠 (左投左打)
4番 中堅手 橘 彩夏 (右投左打)
5番 二塁手 桐下 園子 (右投右打)
6番 一塁手 近藤 美恵子(左投右打)
7番 三塁手 飯岡 静恵 (右投右打)
8番 右翼手 岡本 一花 (右投右打)
9番 投手 本澄 睦月 (左投左打)
(……上位を左で揃えてくるとは……)
こちらのデータについては奏から筒抜けなのは明白。つまり、先発はサウスポーのアンダー投手千尋である事も。通常左投手であれば右打者の方が球の見極めなどの要素から打者が有利、なのに上位から左をずらりと並べてきた事に何か狙いがあるのでは。
(普通はそう勘ぐるんだが、)
視界を上げ、相手のベンチを見やる。女子特有のキーの高い声が響く中、彼女はドッシリと構えていた。こちらの様子を探るように口元を吊り上げながら。
(ま、杞憂だろうな)
一息、誰にも気付かれないように小さく息を吐き、準備していたちゃんこへと近づく。
(とりあえず、今は……)
勝つ為に出来る事をやるだけ、言葉を反芻しながら頭を切り替える。昨日感じた打者一人一人の特徴、そして、この打順から感じた事をすり合わせ今日のリードに活かすため、再度ちゃんこと話し合うのだった。
こんばんわ、作者です。
なんだか、今年は変な夏になってますね。
数日前までは涼しかったと思ったら、今は夏の天気で……。
こうなると体調管理も難しく、ってそんな事はなく、
自分は至って健康に過ごせています(笑)
ただ、私も例のワクチンをそろそろ打つ事になりそうで、
どんな副作用が出るか戦々恐々としております。
無事に終われるとありがたいんですが、ね(笑)
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。




