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10+1(イレブン)ナイン+1  作者: あまやすずのり
始まる合同練習
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始まる合同練習 16

 その後、身支度と朝食を整えた奏も加わり今年最後の掃除が再開された。と、いってもここ数日、昌也と浩一郎が合間合間で重要なところを終わらせていたため、団らんの間となる居間とその周辺くらいしか残っていなかった。


「……兄さんがこんなにマメとは思わなかったよ」


「うるさい」


 パタパタと小気味よくはたきを動かす奏の呟きを、落ちたチリと一緒に裁くのは昌也。兄妹ならではのこの連携は口と共に動きを止める事なく続いた。


「だって、家にいた時は片づけなんて全然だったよね」


「……俺も変わったんだよ」


 畳へと向けていた視線をどこか遠くへ移す昌也。その姿は懐かしむような、疲れたような、どちらにしてもあまり突っ込んではいけない、と悟った奏は手を止める事なく話題を変えていく。


「そういえば、明日はどうするの?」


「ん?あー、どうすっかなぁ」


 唸るような声と共に後頭部を撫でる昌也。その顔は先程とは変わり、困った顔だと分かる。


(こんなところは、変わらないんだね)


 長年、グラウンドで見てきた捕手の表情、ピンチを迎え、どう脱するか、その際に見せる眉の吊り上りに奏はどこかほっとしつつ、先日の締めを思い出していた。




「初詣?」


「そそ」


 練習最終日、その日結局集まったのは昌也を含め5人、午前中から終始基礎トレーニングを行い、練習終わりとした後、彼らはいつもの店で打ち上げの昼飯をガッついていた。


「昌くんと奏ちゃんはこっちにずっといるんでしょ?」


「えっと」


「まぁ、特に行くあてもないしな」


 サクサクしたコロッケの食感を味わいながら梢の問いかけに昌也が答える。その横で小さく切り分けたハンバーグを頬張る慎吾が話題を突く。


「東京に帰ってもいいんだぜ?」


「帰っても誰もいねぇしなぁ」


「だね」


 チュルチュルとパスタを運びながら同意する奏に悠人が輪の中へと加わる。


「ご家族は?」


「両親とも海外出張中なんです」


 なるほど、悠人が箸を持ったまま顎に手をやり頷く。その間にもカチャカチャと食器がリズミカルにその身を鳴らし、各自の晩餐は消化されていく。


「だから帰ってもしょうがないし、奏もいるからな」


「だったら、暇でしょ?元旦」


 喉へと流したカツに満足しながら梢が畳みかけてくる。ニコニコしたいつもの笑顔に昌也は億劫そうな顔を隠しもせず手を振り茶を濁す。


「お前と元旦ってのがなぁ……」


「なんでよっ!?」


 夫婦漫才とも取れる二人のやり取りに慎吾と悠人の口元が思わず上がる。それを見逃す事なく、昌也が矛先を変えようと視線を動かした。


「お前らはどうするんだ?」


「僕たちは部の仲間と一緒に、練習も兼ねて、ね」


「残念だったな」


 ニヤニヤとどこか勝ち誇る慎吾。日頃から優位が取れる事が少ないため、ここぞとばかりにその立場を誇示する。負けん気の強い昌也としてはもちろん全力で抵抗したいところだったが、、今は慎吾に構っている場合ではない。正月早々トラブルメーカーからは逃れたい気持ちを隠すように、出来るだけ素っ気無く、昌也は答えた。


「……まぁ、気が向いたら一緒にいってやる」


「それ絶対行かないやつっ!!」


 梢にもまともなツッコミでマウントを取られた昌也、現状の悪さと対応への面倒臭さから終始不満げな顔で皿との格闘へ戻る。結局、最後まできちんとした返事をする事なく、その答えは年越しに持ち込まれるのだった。

こんばんわ、作者です。


日々、暖かくなってきたこの頃、私の花粉への反応も増してきております。

ただ、今年はなんかいつもくしゃみや鼻水は少ない気がしてます。

……目の痒さは相変わらずですが(笑)

これも常にマスクをしている影響なのかもしれません。

今までは花粉の時期でもあんまりマスクしてなかったので……

いやはやマスクすごいです、見直しました、うん。


ここまでお読み頂き、ありがとうございます。

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