始まる合同練習 01
「……って事があってね〜」
「……なるほど」
心持ち暖かな日差しがグラウンドに差している。澄んだ空気に屈折し時折キラキラした光を眩しそうに細めた瞳の先で白い息が表れては消える。
いつものジャージ姿で外野から内野へ、ウォームアップのランニングを行いながら、梢は送れて合流した千尋に説明をしていた。
「それで、奏……さんは?」
キョロキョロとあたりを見回しても今のところ見えるのはベンチに座った昌也のみ。いつも通り、否、いつも以上に口をへの字に曲げ、不機嫌な様子を作っている。そんな昌也と目が合うのを恐れた千尋は即座に少し前を走る梢へと視線を戻すと、気にする素振りも見せずに梢は言った。
「今、家に道具一式取りに行ってる〜」
一瞬、梢の言葉に疑問を抱くが、すぐに答えを見つける。その意味を確かめようと口を開きかけた時、彼らが現れた。
「ちーっす」
「おはよう」
飛び込んだ声の方向へと首だけ向ける。そこには昌也以上に面倒くさい顔を前面に表す男と爽やかな笑顔を浮かべる男が入ってくる姿があり、ベンチへと向かっていた。
「おぅ」
「えっと?朝から不機嫌?」
「んだよ、めんどくせぇ……」
嫌そうな顔を隠そうともせず、だけど即座に興味が薄れたのか、欠伸する慎吾と苦笑する悠人。しかし、昌也は二人の姿に小さく息を吐き、ベンチを立ち上がる。やはりいつもとは違う、それを直感的に感じたのだろう、男子二人が少し身が締るのを梢と千尋は見逃さなかった。
「……実はな、二人に紹介する……しなきゃいかん事があってな」
「……えっと、なんか言い回しおかしくない?」
「めんどくせぇからさっさと話せ」
そして、聞こえてきたのは自転車が停まる音、バタバタと慌ただしい空気と共に少し汗ばんだショートポニーを棚引かせ、彼女は入って来た。大きなボストンバックと肩に背負ったバットケースを目にした彼ら、彼女らは驚愕とため息と好機の視線で出迎えた。
「兄さん、遅くなって……って、初めましてっ!野田 奏ですっ!よろしくお願いしますっ!」
こんばんわ、作者です。
とうとう今年の野球も終わりましたね、えぇ、もう圧倒的でした……(笑)
正直、予想はしてたんですが、いざその通りになるとやっぱすげぇなぁ、と。
ただ、来年はもはや1強となったリーグの牙城を崩しせるように、
我が贔屓球団が頑張ってくれればな~、と既に妄想を膨らませています。
来年もコロナの影響はあるでしょうが、楽しませてくれるシーズンを期待してます。
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。




