それは突然やってくる? 22
(……くる)
本能が示した直感が目の前の梢の投球をリサーチする。
ブレない下半身に力を溜め、女子の平均的な身長からは打者を威圧するかのような空気が、
(……?)
不意に止まる。先程までとまるで違う、どこか気の抜けた眼差しに違和感を感じながらも、既に動き出しているリリースのリズムに体を合わせる。
(フォークなら南無三っ!)
一か八か、狙い定めた直球がど真ん中へと入ってくる。
空気を切り裂くスピンに落ちる可能性を瞬時に捨て、体幹を目一杯活用したスイングを始動させる。力がこもるグリップエンドを直球の高さに合わせ、伸びる白線へと最高のタイミングで鈍色の光を差し込み、気づいたのは更なる違和感。
(これはっ!?)
力が籠ったボールに速さがない、先程検討をつけたタイミングで打ち返せるはずの白球がそこにはない。
(チェンジアップっ!?)
だから、奏は即座に対応した。脳内に浮かんだ今までの経験をフラッシュバックさせながら、スイングのバランスを自ら崩す。押し込む予定だった左手はバットから切り離し、右手で舵を取り、フワリと落ちる軌道の上っ面へとかすらせファウルに逃れる術へと変貌させる。
だが、それは無意味だった。
パーンっ!
心地よいミット音が背後から響く。
その意味を理解しようとした脳は奏の体を停める事は出来なかった。
力を逃したはずのスイングは空を切った余韻に浸るかのように、その身を翻しながらバッターボックス内で片膝をつかせるのだった。
こんばんわ、作者です。
最近めっきり寒くなり、朝布団から抜けるのが辛くなり始めたこの頃……(笑)
ただ、寒い時期って個人的には好きだったりします。
特に外の空気で雪降った翌日の朝とかもう好きです。
雪のおかげか、空気が澄み渡ってる感じでもう興奮できます。
……いや、変態ではないですよ、ハイ……
そんな感じで今年も降雪がちょっと待ち遠しい作者でした。
ここまでお読み頂きまして、ありがとうございます。




