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大乱闘、スマッシュシスターズ!

前回のあらすじ

 明日香と今日香が妖狐であると打ち明けられた祐矢。

 両親も含め祐矢の記憶を改ざんしてまで家に住み着いたのは、自宅から魔力が溢れてるというのが理由であった。

 居ても害はないと考えた祐矢は姉妹の行いをを許し、今まで通りに過ごせばいいと言う。

 これにて一件落着かと思われたが、何故か祐矢の恋人候補の話に発展してしまい……

「祐兄はどうなの?」

「うぐっ!?」


 不味いことになった、智樹と西条を笑ってる場合じゃねぇ!


「ほらほら、観念して白状しなさい。三人の中の誰が本命なの?」


 今日香に続いて明日香姉まで捲し立ててくる。

 白状しろっつっても本人達の目の前で言うわけにはいかねぇし、何より誰かを選ぶとか考えてもなかった。


「「「…………」」」


 当の三人の内、二人の視線が俺に集中する。

 残り一人は相変わらずゲームに熱中したままだが。


「うぐぐぐぐ……」


 どうすりゃいい? どうすりゃ切り抜けられる!? いや、いっそのことマジで決めちまうか!? だが……


「「…………」」


 嶺奈と歩美をよく見てみる。

 なぜか嶺奈から期待の眼差しを向けられてる気がするが、多分これは気のせいだ。

 一方の歩美だが、祈るような感情が瞳から感じられる。

 恐らくこれは、私に期待しないでね? 的な合図に違いない。

 最後に愛華はというと……


「ほほぅ、そう来ましたか……」


 まるで将棋でもやってるのかと思われるくらい、スマホの画面とにらめっこをしている。


「…………」イラッ


 俺がこんだけ悩んでるってのに我関せずとばかりに無関心なのは、見ていて凄くイライラしてくる。

 つ~か普通にバカらしくなってきた……。

 よく考えたら馬鹿正直に答える必要なんてないんだよな!


 よし、ここは一つテキトーに誤魔化すとしよう。

 ちょうど武悲山が視界に入って思い付いたことがある。


「その質問に答える前に、項垂れてる武悲山を助けてやろうと思う」

「え? そのダイダラボッチの人?」

「よく分かんないけれど、助けたいなら助けてあげてもいいわよ?」


 よし、第一段階クリアー。

 後は武悲山を暴走させてウヤムヤにするだけだ!


「ミーネ、その太っちょをビシバシとブッて目を覚まさせてやれ」

「承知しましたわ」


 そう言って、愛華に塩対応されて気落ちしてる武悲山にミーネが近寄ると……


 ビシィィィッ!


「ンギモッヂィィィ!?」


 いきなり発生した激痛に武悲山が飛び上がる。

 ミーネには護身用に鞭を持たせてたんだが、さっそく役に立ったな。


「わたくしの前で踊りなさい――この醜い豚野郎が!」


 ビシィィィッ!


「フンギャァァァァァァ! なななな何をするでござる!?」

「黙りなさい。マスターのご命令で、お前を()()して差し上げようというのです。光栄に思いなさい!」


 ビッッッシィィィィィィッ!


「ホゲェェェッ! だだだだ誰かぁ! 殿中でござる殿中でござるぅぅぅ!」


 ビシッビシッビシッビシッ!


「フゲゲゲゲェェェェェェ!」


 ……あれぇ? 俺の予想だと武悲山が暴走すると思ったんだが、まさかミーネが暴走するとは思わなかった。


「ゆ、祐兄、ミーネちゃんを止めなくていいの?」

「別にいいんじゃないか? 武悲山も幸せそうな顔してるだろ?」


 ビシバシビシバシビシバシ!


「フギギギギィィィィィィィ!」

「フフフフフ♪ なんて素晴らしい表情なのでしょう、ますます手に力が籠りますわ!」


 うん、これはこれで結果オーライだろ。


「な?」

「なじゃないわよ。いくら誤魔化すにしても、他人を犠牲にするのはよくないわねぇ?」


 うむ、明日香姉には俺の魂胆がバレバレのようだ。


「ちょっとミーネ。今大事な話をしてるんだから、邪魔するのは――」

「そうですよミーネさん。少し落ち着いてくださりませんと――」

「お黙りなさい!」


 ビシビシィィィッ!


 ちょっ、ミーネが嶺奈と歩美に鞭を!


「イタッ! ――ちょっとミーネ!」

「酷いじゃありませんか! いきなりブッてくるなんて!」

「いいえ、マスターの意に背く者は皆等しく敵とみなします!」


 ヤベェ、完全に暴走しちまった!

 いったいどうしたら……


「さぁ、皆等しく踊りなさい!」


 ビッシビッシビッシビッシ!


「イタタタタッ! ――もう、今日香と明日香さんが祐にプレッシャーをかけるからこうなったじゃない! 責任もって止めなさいよ!」

「そうですそうです! お二人のせいです!」

「なんですって? それは完全に言い掛かりよ!」

「そうだそうだ! もうこうなったら自棄起こしちゃうもんね!」


 ヤバイヤバイ、明日香姉と今日香にケモミミと尻尾が出てきた!

 まさかこんなとこで乱闘を!?


「食ぅらえ~~、妖術狐火(きつねび)ぃ!」

「「「アヂヂヂヂ!」」」


 ちょ、俺や智樹達まで巻き添えに!


「あっつぅぅぅ! やったわね今日香――重力変化!」

「「「アガガガガガ!」」」


 重グデ動ゲネェ……。


「フッ甘いわよ――妖術夢幻陣(むげんじん)!」


 おっ? 身体が軽くなった。

 嶺奈の技を無効にするとか、さすが明日香姉!


「これでどうです? 忍法村雨烈風(むらさめれっぷう)!」

「「「ヒィィィ!」」」


 とてつもない豪雨が室内に降り注ぐ。

 今日香や嶺奈だけじゃなく歩美の忍術も大概だ!


「くぅぅぅ……よくもわたくしの邪魔を! あなた達全員(ひざまず)きなさい!」


 ビッシィィィ!


 あーーーもぅ誰か止めてくれぇぇぇ!




 ザップーーーン!


「ふぅ……酷い目に合ったな……」

「「「まったくだ(でござる)……」」」


 場所は変わってここは男湯。

 あれから何事かと気付いた愛華によって、マジックアイテムであるクールミストを使用し皆を止めるという勇気ある行動を見せてくれた。

 お陰で俺達は騒動の疲れを癒せてるってわけだな。

 ちなみにクールミストとは、文字通り対象をクールダウンさせる効果を持つ霧のことだ。


「それにしても可憐だったなぁ、狐火を撃ち出した今日香さんは……」

「いや、そこは明日香さんだろ。彼女がいなければ今頃嶺奈のスキルで……」


 いやいや智樹よ、さすがに嶺奈も身体が潰れるまで続けたりはしないだろ。

 ……多分。


「ああ、鞭が恋しい。あの鞭が忘れられないでござるぅぅぅ!」


 武悲山は武悲山で、新たな門出を迎えたようだ。

 鞭でブタれるという最低な趣味だが。


 ミーネもミーネで女王様気質が目覚めたらしく、鞭を手離さなくなった。

 手離しても誰も盗らないと思うがな。


「に、しても……」


 愛華はいったい何に熱中してたんだろう?

 家に帰った後にでも聞いてみるか。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



 ザッパーーーン!


「反省しましたか皆様?」

「「「はい……」」」


 わたくし愛華は今、温泉に浸かりながら説教を行っております。

 浸かってるのはわたくしのみで、他の皆さんは浴槽の外で正座です。

 どうも騒がしいと思ったら皆して大乱闘を行ってるではありませんか。

 もし止めなければ一晩中行われてた可能性も捨てきれません。


「ね、ねぇ愛華。そろそろ入っても――」

「そうだよ愛華ちゃん。早く入りたいよぉ……」

「ダメです。嶺奈さんと今日香さんは一番派手に暴れたのですから、お二人には特に反省していただく必要があります」


 聞き取り調査の結果、この二人のバトルが一番激しかったとの事でした。

 何故か西条氏だけは素晴らしい闘いだったと言っておりましたが、戦闘に巻き込まれて頭でも打ったのでしょう。


「あ、あのぅ……私は決して激しく争ったりはしてませんし……」

「それならウチもよ。ウチは人畜無害だったはず」

「お言葉ですが、歩美さんは悪印象を持たれ難いように動いたと調べがついてますし、明日香さんはそもそも止める立場であったのに一緒になって戦ってたではありませんか」


 歩美さんは敢えて目立たないように動いてたのは知っています。

 何せ全員の動きを見てましたのでね。

 もちろんスマホを弄りながらです。

 そして最年長である明日香さんまで加わってたというのですから、呆れてものも言えません。

 この人は本来止める立場でしょうに。


「あのぅ……愛華さん? わたくしは――「ミーネが事の始まりです。貴女が一番反省すべきですね。まぁこの先永年無料で頬擦りをさせてもらえるならば、特別に許して差し上げても構いませんが」――もうしばらく反省してます」


 ……中々強情ですね。

 とはいえ、わたくしはバリアーでキッチリと防いでましたので流れ弾に当たることはありませんでしたし、そろそろ許してもいいでしょう。


「わたくしだけ湯船に浸かるのも気が引けますし、お説教はこれまでに――」


 ザップーーーン!


「「「はぁ~~~」」」

 

 許した途端、一斉に浴槽へ飛び込んできました。

 というかまだ最後まで言い切ってないんですが、細かい事は言いたくありませんのでよしとしましょう。


「ところで愛華さん。日中からスマホを弄ってばかりでしたが、何か調べものですか?」

「あ、それあたしも気になった。何かに熱中して遊んでたように見えたけど……」


 ふむ、やはり皆さん気になるのですね。


「っていうか、今もちゃっかり弄ってるよね? 防水性は大丈夫なの?」

「それなら心配無用です。わたくしのスマホはDPをつぎ込んで、水属性の耐性を極限まで高めたものですので」


 ちなみに火と風と地も高い上に、光と闇の耐性もバツグンです。例え天使や悪魔が現れても破壊することは困難でしょう。


 あ、もちろん盗難防止機能もついてますよ?

 故意にわたくしから遠ざければ、恐ろしい程の腹痛に襲われる罠を仕掛けてありますので。

 もし発動すれば一週間はトイレから出られないでしょう。

 盗んだ犯人が腹を下してる隙に、スマホは自動転移によりわたくしの手元に戻ってくるわけです。

 こんど皆さんのスマホにも施して差し上げましょう。


「さてさて、そんな事より()()()()()()()()()()()の続きといきましょうか」


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