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ついに俺にも眷属が!

前回のあらすじ

 愛華が拾ってきた猫が人化してしまった。

 この先ミーネの存在はどうなるのか……。


 驚いて言葉が出ない。

 猫形の人間(某ロボットではない)――しかも美少女がそこにいた。


「しかし慣れないものですわね、人間の形態というものは……」

「あ、あの……」

「これは慣れるまで時間が掛かりそうですわ」

「え、え~と……」


 言いにくい……言わないといけないのに言いにくい……。

 ミーネは何とも思ってないのだろうが、()()()()()()というのは非常にまずい。

 というかミーネ、今は後ろ向いてるけどすっげぇ巨乳に見える。

 多分嶺奈よりも上じゃなかろうか?


「うんうん、だいぶ慣れてきましたわ」


 し、しかし参ったな~、注意してあげたいのに注意できない(棒声)。

 いや、そもそも本人は楽しそうに自分の身体を確かめてるし、そこへ水を差すのも悪い気がしてきた。

 よし、ここは一つ、しばらくは彼女の成長を見守ってやる――


 ゴツンッ!


「ゴットゥヘェェェル!」


 イッデーーーッ! 思いっきり拳骨を食らったみたいだぞ!?


「祐君、貴方が男の子なのは理解してるけど、他人の無知につけ込むのは感心しないわ」

「そ、その声は明日香姉か?」

「私もいるよ~!」


 いまだ悶絶中で顔を上げれないが、明日香姉と今日香姉がコアルームに来たらしい。

 拳骨食らわしたのは明日香姉だな?

 ったく、あんまり叩くとバカになっちまうだろうが!


「わたくしが連れてきました。さすがに()()()()は、二人だけだと手に負えないと判断したので」


 その結果がタンコブ(コレ)とはやるせないけどな。


「そういう事だから、祐君は一旦出てなさい」

「祐兄出てけ~♪」

「はいはい、分かったよ」




 コアルームから強制退出させられて30分。

 ようやくミーネの衣装が決まったようで、明日香姉より入室許可が下りる。


「どれどれ、いったいどんな服装に――うぉぅっ!?」

「フフ、どうかしらマスター?」


 中央から外に向けてグラデーションのかかった紅いドレス(ミニスカ)は、正にベストマッチと言ってもいいかもしれない。

 これはあれだな……どっかの社長令嬢――いや、貴族令嬢と言った方がシックリくる。

 特に宝石を散りばめたフリッフリな上下とか、出歩けば注目を浴びること間違いなしだろう。

 それこそ猫耳が(かす)んでみえるほどに。


「凄く似合ってるぞ」

「フフ、そうでしょうそうでしょう。わたくしのような華麗な存在を彩るには、極上品でなければなりません。その点この衣装は言及点ですわね」


 自己採点はまずまずなのに、妙に嬉しそうに浮かれてるのは何故だろうな?

 いや、そもそも猫だったミーネが服装の価値観を正しく認識してるかも怪しい……。


「なぁ愛華、ミーネの価値観ってどうなってるんだ?」


 気になってそっと愛華に耳打ちすると、予想通りの答えが返ってきた。


「どうもなにも、価値観なんてものは有りませんよ? 何せ服を着るのが初めてですので、これから教えていくしかありません。つまり、ミーネは知ったかぶってるだけですね」


 やっぱり分かってないようだ。

 もしも服を着ない方がいいと言ったら、大慌てで脱ぎ出すだろうな。


 ――いや、例えばの話だぞ? そんな事は絶対に言わないからな? 言ったら明日香姉に半殺しにされかねない。


「さぁ、マスター。早く成すべき事を」

「成すべき事?」


 ポフッ


「え!?」


 ミーネが俺に抱きついてきただと? いったいどういう事なんだ!?


「ちょ、ちょっとミーネ? いったいどうしたの!?」

「ミーネちゃん!?」

「あなた達にではありません。わたくしはマスターに()()()()()のです」


 明日香姉と今日香が驚く中、ミーネが頭を埋めてくる。

 しかもマスター(オレ)にしてほしいって、いったい何をしろと?


「祐矢さん、恐らくですが、頭を撫でてほしいのでは?」

「撫でる?」

「はい。ミーネは猫ですので、飼い主(マスター)である祐矢さんに撫でてもらいたいのではないかと」


 つまりあれか? 猫を可愛がるようにすればいいのか?

 まぁ愛華が言うんだったらその可能性が高いんだろうし、とりあえず撫でてみよう。


「こんな感じか?」


 ナデナデナデ……


「はぅぅぅ! ――そうですそうです、その調子でお願いします!」


 ただ頭から背中にかけて撫でてるだけなんだが……


 ナデナデナデ……


「くぅぅぅん! なんて素敵な感触! やはり撫でてもらうには殿方が最適ですわ!」


 うん? 軽くよりちょっと強めの方が嬉しそうだな?


 ナデナデナデ……


「はぁぁぁ素晴らしい――快感ですわ! もうまともに立っていられません!」

「お、おい……」


 ミーネが突然俺の手を引いて、隅にある小部屋へと移動する。


「ささ、何もない粗末なところですが、どうぞお上がりになってくださいまし」

「あ、ああ……」

「ミーネ、わたくしも――」

「その他大勢は部屋の外でお待ちなさい」


 俺に続いて愛華が入ろうとすると、やんわりと拒否した。

 詳しい経緯を知らんけど、ミーネって愛華に対して素っ気ないな……。


「……お邪魔しま~す」


 上にデカデカとミーネの画像が掲げられた小部屋に、そっと足を踏み入れる。

 画像の下にミーネコハウスって書いてあるから、ここがミーネの部屋で間違いない。

 そして中に入って更に驚く。


「本当に何もないな……」


 部屋の中は殺風景そのもので、本当になにもなかった。

 壁は木製の板だし、コアルームと同じ床になってる時点で……ね?

 

「これから()()使()()()に言って、色々と用意させますわ。それよりもテキトーにお座りになってくださらない?」

「ああ、んじゃ遠慮なく」


 使用人と言った際に、窓の外に見える愛華を見た気がする。

 もしかしなくても、愛華が使用人ポジションなんだろう。


「それでは続きをお願いしますわ」

「お、おう……」


 俺が膝枕をしてミーネを撫でてやる。

 立場的に逆なんじゃないかな~~~なんて思いながら。


 ナデナデナデ……


「うう~ん、この感覚――クセになりそうですわ! も、もっと……もっと撫でてもよろしくてよ? 特に首回りなども丁寧に撫でてくださいまし!」

「そうか? なら――」


 ナデナデナデナデナデナデ……


「フニャーーーン! ミャーミャ――っと失礼、素が出てしまいましたわ。実に素晴らしいテクニック――正にコングラッチュレーションですわ」

「言葉の意味はよく分からんが、満足したようで何よりだ」


 目を細めて気持ち良さそうだ。

 なんというか、撫で甲斐があるって言えばいいか?


 ナデナデナデナデナデナデ……


「そうそう、(あご)の下も満遍なく丁寧に撫でるのですよ? フゥ~~~ン、快感♪」


 しっかしいつまで撫でてればいいんだ? いい加減腕が疲れてきたんだが。


「フニューーー……」


 ゴロン!


「あ……」


 あまりの気持ちよさに寝てしまったようだ。

 手も疲れたことだし、ひとまずミーネは寝かせておこう。



「祐君お疲れ様。今のうちにミーネをどうするか話し合いましょ」

「そうだな。愛華、ミーネの部屋にベッドを作って――ってどうしたんだ?」


 床で寝てるミーネのためにベッドを召喚してもらおうと思ったんだが、肝心の愛華が膝を抱えて体育座りをしていた。

 ミーネの素っ気なさにショックを受けたか?


「……ほっといてください。どうせわたくしは、使用人兼ダンジョンコアに過ぎないのですから」


 使用人兼ダンジョンコアって、中々テクニカルな響きじゃないか。

 真似できないっつ~か、真似したくないジョブだな……。


「まぁ元気だしてベッドを召喚してやってくれ。後で愛華にお礼を言わせるからさ」

「……絶対ですよ?」

「はいはい」


 しかしよほどミーネを気に入ったらしく、ベッド以外にもクローゼットやタンスなどを次々と召喚していき、あっという間に内装も豪勢になった。

 ま、スイーツにハマるよりはよっぽど健全だと言えるか。

 今度スイーツとミーネだとどっちが好きか聞いてみよう。


「さて、ミーネコハウスが出来たところで、わたくし達も食事の時間のようですね」

「もうそんな時間か」

「お腹空いたね~」


 愛華の体内時計が言うんだから間違いないだろう。

 ゾロゾロとコアルームを出ようとしたところで、明日香姉に慌てて止められた。


「ちょ、ちょっと待ちなさい。両親にはどう説明するつもり?」

「どうって……」


 はて……何て言えばいいんだ?


「普通に猫を飼う事にした――じゃダメか?」

「普通の猫じゃないからダメでしょ」


 確かに普通じゃないが……


「海外からの留学生がホームステイに来たというのはどうでしょう?」

「学校への手続きが必要になるわよ?」

「じゃあさ、お友達が泊まりにに来たって事にしたら?」

「泊まった後どこに行けばいいの?」


 手詰まりな感じにも見えるが、俺はそう思わない。

 愛華の時は受け入れられたんだから、ミーネも大丈夫だと思うのは普通じゃないのかと。


「なぁ明日香姉、愛華の時みたいにはいかないのか?」

「それはダンジョンコアが珍しかったからよ。だから祐君の両親は賛成したの」


 うん、改めて考えたら、よくOK出したもんだ。

 息子の俺よりも少年少女の輝きを持ってるよな絶対。


「でもそれ言ったらミーネだって珍しいだろ?」

「何言ってるの祐君。人狼(ウェアウルフ)やら吸血鬼(ヴァンパイヤ)が居るんだから、珍しわけないじゃない」

「う~ん、それもそ――あれ?」


 おかしい……。

 今の会話、どこか不自然に感じたぞ?


「なぁ、明日香姉ちゃん。まさか俺の両親って、智樹や西条の正体を知ってたりするのか?」

「そりゃ勿論――あ、そうか、祐君は知らないのね!」


 知らない……って、何の事だ?


「先日の事なんだけど、祐君が遊びに出掛けてる時、校長先生が訪問なさったのよ」

「あの校長が?」

「そう。あの校長よ」


 まさかとは思うが、中学の時の白髪の爺ちゃんじゃないよな?

 高校にいるあの薄らハゲの事だよな?


「でね? 校長が元魔王だとカミングアウトした上で、いろいろと人外の存在が居るけれど宜しくお願いしますって言ったの」

「そういう事か……」


 ファフニーさんもまた来るって言ってたし、これから先も色んな人外と遭遇するだろうとして校長が先手を打ったんだな。

 つまり、俺の両親は今更猫獣人を珍しがったりしないんだ。


「明日香さん、一つ確認しますが、ダンジョンマスターの眷属は珍しい存在なのでは?」

「眷属……なるほど、その手があったわね!」


 どうやら眷属だといけるっぽい。

 晩飯終わった後に紹介するとしよう。


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