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俺達に数々の受難が!

前回のあらすじ

 上空からの偵察で、民家の屋根に狼男がいるのを発見し、急いで現場に向かう祐矢達。

 すると屋根にいたのは祐矢と親友である智樹であると発覚しあっさりと正体を明かすと、智樹を巻き込んで観光ルートの偵察を行うことになった。

 最初は電車で遊園地に向かうことになったので、さっそく電車でGO!

 明日は駅構内を色々と紹介してから移動するが、今日のところは省略して現地に向かう。

 で、現地に着いて思ったのが……


「「混んでやがるな~」」


 俺と智樹がごった返してる遊園地を見て出た言葉な。

 土曜日だし普通に休みのやつが多いのは当たり前か。


 グイッ


「天気も良いですしね。ほら見てください、カップルが沢山いますよ?」


 歩美が俺の腕を掴んで周囲を見渡す。

 リア充が輝いて見えるので、なるべく見ないようにしたい。


 グイッ


「はぐれると面倒だから、腕を絡めとこうよ」


 今度は嶺奈が腕を組んできた。

 あ、あれ? なんか二人とも、微妙に胸が当たってるような……気のせいか?

 俺としちゃ嬉しいが、左右から当ててんのよってことか? そうなのか!?

 もしそうなら……


 グイッ


「イデデデデデ!」

「さぁ、早く行きましょう」

「ちょちょちょ、ちょっと待て! 首が、首がもげる!」


 愛華のやつ、俺の首を引っ張って行こうとしやがる。


「両手が塞がってたので、代わりに首を引っ張ってみました。ついでに鼻の下が伸びかかってたので、若干イラついたのもあります」

「引っ張らんでいい! ちゃんと自力で歩くから。それに鼻の下は伸びてないし、なんで愛華がイラつくんだ?」


 グィィィ


「イデデデ! だから痛ぇっての!」

「わたくしがイラついてる理由は、ご自分でお考えください」


 お~痛ぇ……気のせいか首が数ミリ長くなった気がするぞ。

 理由は分からんが愛華の機嫌が悪い。

 もしかしたら間違って愛華のプリンを食っちまったのがバレてるのかもしれんし、後で謝っとこう。


「お二人も気を付けてください。わたくしはマスターである祐矢さんを護らねばならないので、そのように腕に絡まっていては動きに支障がでます」

「わ、分かったわよ、離れればいいんでしょ」

「やむを得ませんね……」


 嶺奈と歩美が渋々腕から離れる。

 やはり機嫌が悪いのは間違いないな。


「はぁ……羨ましいやつめ……。せめて俺だって明日香さんがいてくれたら……」


 後ろでは智樹が滝のような涙を流していた。

 首を引っ張られてる俺を見て羨ましがるとか、潜在的マゾなのかと疑いたくなる。


(愛華も祐に対して満更でもない感じなんだ。今後は注意しないと)

(どうやら敵は嶺奈さんだけではなかったようですね。今まで以上に注意しましょう)


 ん? 嶺奈と歩美が難しい顔して何か考え込んでるような……まぁいいや。


「ほらほら、まずはジェットコースターに乗ろうよ! 遊園地と言えばコレでしょ!」

「おう、んじゃ乗ってみるか」


 まずは嶺奈の絶賛する定番――ジェットコースターをチョイスした……が!


「じゃあ祐があたしの隣ね」

「いえいえ、風紀委員長である私が祐矢さんをサポートします。嶺奈さんは後ろに」

「では間を通ってわたくしが――」

「「ダメ!」」


 さて、ここで問題です。

 ご覧のようにちょっとしたハプニングに見舞われてるのですが、どのような結末を迎えるのでしょうか。

 答えはこのあとすぐ!

 

「すみませんお客様、混み合っておりますので、早めにお座りください」

「え?」

「「「あ……」」」


 係員に押し込まれる形で着席することになり、気付けば俺の隣には……


「危ないからおとなしく座ってるんだぞ?」

「は~い!」


 見知らぬ家庭のオッサンと隣り合わせになりましたと。

 ちなみに俺の後ろに智樹と愛華、更に後ろに嶺奈と歩美だ。




「グォォォ、目が回るぅぅぅ! 私は速い乗り物が苦手なんだぁぁぁぁぁぁ!」

「…………」


 だったら無理して乗るなっつ~の。

 なんかもう、オッサンの絶叫を聴くだけのマシーンじゃねぇか……。




 結局、若干テンションを下げつつ次のアトラクションへ向かうことに。


「次はコレね!」


 続いて嶺奈が推奨したのがバイキング。

 前後に大きく揺れるやつな。


「ほらほら祐、早く座って」

「お、おい……」


 嶺奈に押し込まれる形で着席すると、今度は三人でジャンケンバトルがスターした。


「「「ジャンケン~ポン! あいこで~しょ! しょ! しょ! しょ!」」」


 中々決着がつかない。

 誰でもいいから早く座んないと……


「間もなく動きますので着席願いま~す!」

「「「あ!」」」


 案の定、係員に押し込まれる。

 結果俺の隣には……


「隣――失礼するわね?」

「は、はいどうぞ!」


 キレイな姉ちゃんが隣にキター!

 さっきのオッサンよりは全然マシ――寧ろ良い!

 でもなんで一人なんだ? 彼氏らしき人物は見当たらないが……。

 だが直後にその理由が判明する。




「カズヤのアホーーーーーーッ! あの女のどこがいいのよーーーーーーっ! あたしの時間を返せーーーーーーっ!」


 どうやらパートナーとは別れたらしい。

 これはこれで別の意味で絶叫マシーンになりつつあるが、楽しみ方は人それぞれだ。

 絡まれても困るし、目を合わせないようにしよう。


「あ"~~~ぎもぢ悪~ぃ……うぉぇ……」

「ちょっ!」


 この姉ちゃん、吐きそうになってんじゃねぇか!


「ヤバイって、手で押さえて!」

「うぅ~~~ゴメンね。――おぅえ!」

「ヒェッ!?」


 あーーーもぅ、早く終わってくれぇぇぇ!




 ふぅ……もうダメかと何度も思ったが、何とか耐えることに成功した(隣の姉ちゃんが)。


「じゃあ次はウォーターコースターに――」

「すまん嶺奈。その手の乗り物は止めとこう」

「どうして?」

「とっても嫌な予感がするからだよ!」


 二度ある事は三度あるって言うしな。

 何故かさっきから俺が悲惨な目にあってるのは偶然とは思えない。


「でしたら観覧車はどうです? 私のお薦めです」

「よし、それにしよう」




「んん~、遊んだ遊んだ! できればもう一度ジェットコースターに乗りたいなぁ」


 本当に嶺奈は絶叫マシーンが好きだな。

 だが俺としては遠慮したい。乗るたびにオッサンの絶叫を思い出すから。


「こうして皆さんで遊ぶのは楽しいものですね。お化け屋敷以外ならまたやってみたいです」


 歩美の意外な一面として、お化けが苦手だってことが分かったんだ。

 彼女がお化け屋敷に入ると、そりゃもうキャーキャー言いまくると同時に派手なリアクションをとるもんだから、ただでさえ短いスカートが……ね?

 ただ悔しくも屋敷内が暗すぎたせいで、ハッキリとは見えなかったのはとても残念でならない。


「わたくしもお化け屋敷にはガッカリさせられましたね」

「ん? 妙に辛口だな?」

「はい。あのようなハリボテでは、とてもダンジョンとは言えません。突如天井が落下してきたり壁から矢が飛び出すのは勿論のこと、水溜まりだと思ったら巨大なスライムだったり、転移トラップで10キロ以上離れた場所に強制転移など、これらのトラップは必需だと思わなければ――」


 いや、お化け屋敷はダンジョンじゃないからな?

 なにより死人を出しちゃあかん。


「ああ、明日香さんがいれば……」


 もう智樹のやつは放っておこう。

 もはや俺にできるのは、当日に明日香姉ちゃんを連れてくることだけだ。


「ところで祐矢さん、お昼はまだでしょうか? わたくし一日三食はキチンといただく主義ですので」

「はいはい、愛華がそう言うってことは、12時を過ぎてる――あ!」


 もう14時半じゃねぇか!

 ここで昼飯を食うにしても早くて15時だろうし、いくらなんでも時間を掛けすぎた。


「祐?」

「どうしました祐矢君?」

「大幅にタイムオーバーだ。これじゃあ遊園地だけで一日の半分が消えちまう」

「――確かに。これでは全てを観光するのは無理ですね」


 このあと慌てて緊急会議となった。昼飯を食いながらな。

 改めて実感したのは、待ち時間も含めると一つのアトラクションに対して相当時間が掛かるってことだ。


「奥さんって気が短そうじゃない? 何度も列に並ぶのは嫌がるかも」

「あり得るなぁ……」


 そうなんだよ。嶺奈の指摘通り、待ち時間が長いんだよな。

 校長の奥さんがそれに耐えれるかどうかで滞在時間が変わってくる。


「でもある程度自重できるのでは? 私達よりも年上でしょうし、逆にこちらに合わせてくれる可能性も」

「「「「それはない(でしょう)」」」」


 歩美の予想に全員で突っ込んじまった。

 校長が押し付けてきたわけだし、そんな大人な対応してくれるなら土下座までして頼まないだろう。


 そのあとも、あ~でもないこ~でもないと討論を繰り広げ、時間だけはどんどん過ぎ去っていく。

 でまぁ結局どうなったかというと、臨機応変に対処しようという不安を残す結果になった。

 

 だが俺達はまだ知らない。

 当日にアクシデントとハプニングの波状攻撃が襲ってこようとは、この時は誰も思わなかっただろう……。


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