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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
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89 今日は入学式です2

校庭に残る親達と別れて校舎に入る。

木の香りが漂い、少し気分が落ち着いた。

入学式が行われるのは校庭だが、

鞄を置いたり、待機のために教室に向かうのだ。

だけど……


「フリッツさん、なんでついてきてるの?」


そう、僕達三人の後ろに大きな荷物を抱えた

フリッツさんがいるのだ。

生徒と先生以外は基本的には立ち入り禁止なのに。


「新手のストーカー?娘が好き過ぎてって感じの。」


「ちげーよっ。おまえらの魔法波特性検査の準備だよ。」


「えっ、オスカーさんがやるの?」


僕とルーシェちゃんは思わずフリッツさんの方に振り返る。


「なんでそんな意外そうな顔してるんだよ。

俺、魔導具店の店主だぞ。

俺が担当しなくて他に誰がやるって言うんだよ。

俺はあまり意味は無いと思っているが初等学校では毎年検査するからな、

生徒の中では魔導具のやさしいおっちゃんで通ってるぞ。」


まあ、理屈上はフリッツさんがやるのが妥当か。

でも、ミリアちゃん以外の子供相手に

優しく接するフリッツさんとか想像つかないんだけど。


「いや、厳しく当たってるのはおまえにだけだからな。」


心の声に返事が返ってきた。どうやら声に出てしまっていたらしい。

それよりも、


「なんで僕にだけ厳しいんですか。」


「それは、おまえがミリアに要らんこと教えたり、

ミリアを誑かそうとするからだっ。」


ビシッと言い放つ『やさしいおっちゃん』

要らんことって多分身体強化とかのことだろうけど……


「誑かすってなんですか。誑かすって。」


そんなことを言い合っていると、昇降口の方から人影が。


「おはよう。」


「……zzz……はっ、おはよう。」


「よーす、アヤトとミリアにルーシェ。

と、……フリッツさんだよね、無職の。」


最後小さな声で僕に聞いてくるアレフ。

それにこちらも小声で答える。


「そうだよ。まあ、無職のところは否定しておくけど。」


「なんでここに?立ち入り禁止じゃなかったか?侵入したのか?」


「ちがわいっ。」


うぉ、聞こえてたのか。

フリッツさんが突っ込む。

そうして歩いていると、僕たちの教室に着いた。


扉を横に引くと……

そうだった、あいつが先に入って行ったってことは

教室にいるってことだった。

開けた扉に反応して、こちらを見たアデクは取り巻きとなにか話して笑っている。

まあ、無視だ無視。


黒板に書いてある指示に従って割り当てられた棚に鞄を置き、

椅子に座って時間になるのを待つ。

三人組やミリアちゃん、ルーシェちゃんとしゃべっていると、

視界の端に黒板の前で機械のセッティングをしているフリッツさんが見えた。

も…ものすごく気になる。あれどんな構造してるんだろ。


フリッツさんを観察していると、教室の前側の扉が開き、先生が入ってきた。

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