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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
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87 会ったのは三人組です

「お、アヤト達だ。おーい。」


「どうも、こんにちは。」


「……zzz」


西日の差す中、村に到着した僕たちはディーさん達と別れてから、

母の魔導具のメンテナンスを頼みにフリッツさんの店に寄った。

その後、家に帰る途中でいつもの三人組から声をかけられたのである。

そんな三人に挨拶を返す。

っていうか、またギーム寝てるのかよ。


「いよいよ明後日か。楽しみだな。」


「そうだね。」


というのは、初等学校の入学式である。

今年の入学者は、僕とミリアちゃん、ルーシェちゃんに三人組だ。

式の後には、魔力特性の測定もある。

いよいよ、魔導具が使えるようになるのか。

ここまで長かった……


「アヤトー、もしおまえの魔力が無色とかでも友達でいてやるよ。」


「ちょ、冗談でもいやなこと言うなよ。」


その人の魔力特性によって魔力色は変わるのだが、

基本的に赤から紫にいく程、魔導具で起こせる事象の範囲が広くなる。

ただし、魔導具の動作も不安定になりやすくなるので調整が難しくなるのだが。


そして、アレフが言っていた無色というのは赤よりもさらに下、

魔力の持つエネルギーが低いと現れるという。

ここまで低い人はほとんど居ないらしい。

父から聞いたところによると、

全体の五割ぐらいが赤から橙。

三割程度が黄から緑。

二割ほどが水色から青で、無色と同じく紫の人はほとんど見られない。

なので、もし魔力色が紫である場合、

魔法関係の仕事場から引く手あまたであり一生安泰と言われている。


それを聞いたときの心の声は以下のようである。

へぇー、つまり父は人生勝ち組だったってわけだ。ふぅーん。



「俺も、オスカーさんみたいに紫だったらいいな。」


「アレフが紫?そんな感じじゃないだろ。絶対違うな。」


「言ったな、ビート。」


「……zzz……魔力……別になんでも……」


じゃれ合う彼らを見ながら考える。

僕の魔力色か……

神様に最強の魔法使いになれる才能をもらったんだっけ。

それだと、紫で確定かな?

だけど、あのうっかり神様なんだよなー。

ちょっと足りなくて、「あれっ、青?」みたいなこともあり得るんだよなー。

……不安だ。

まあ、そんなことを考えていても仕方無いかな。


「魔力測定も楽しみだけど、学校も楽しみだよね。」


「そうだな。ビート、授業ってどんな感じなんだ?」


アレフが、母が初等学校で先生をやっているビートに聞く。


「そうだね、この村は人数が少ないから低学年と高学年でそれぞれ一クラスずつだって聞いたよ。」


「って事は、アデク達も一緒ってことか。」


顔をしかめるアレフ。

アデクは一学年上の男子でその学年のグループのリーダーである。

僕も村で何回かあったことがあるが……性格が少々アレなので僕も苦手だ。


「まあ、でも楽しい行事もいろいろあるって言ってたよ。」


「そうなんだ。」


僕たちは期待で胸をふくらませる。


「そろそろ、俺たちは帰るな。」


「また明後日。」


「……zzz」


「じゃあね。」


三人と別れて、落ちる陽を背に家へと向かうのであった。


楽しい学校生活になるといいな。

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