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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
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80 川辺は遊び場です

目の前に流れている川……だよな?

向こう岸が見えない。

それほど大きな川なのに、川底が見通せる。


「どうだ?これがアルヴ川だ。綺麗だろ。」


水面で日光が反射して、きらきらと輝く。

岸辺には白く細い体で頭に朱色が差している鳥や、

ヌボーっとした顔の爬虫類っぽい動物などがいる。

そして、日は高いが涼しい風が流れてくる。


ここまで移動してきて丁度お昼頃になっていたので

僕たちは昼食をとることにした。


母がバスケットを開けると……

これはブルスケッタ?

切ったパンの上にお肉からトマトのような野菜まで様々な具材が乗っている。

一口かじると、パンに塗られていたのだろうか

ガーリックとオリーブオイルの香りが広がる。

やはり具材の味も活かされていて、

シンプルな料理だがその組み合わせが絶妙だ。


「おいしい。」


「そうだな、ほんとにおいしい。」


「うふふ、良かったです。」


次々と手が伸びて、すぐにかごが空っぽになったのであった。




「さて、なにかやりたいことはあるか?」


と言われても特に無いなぁ。

母と二人で悩んでいると父は言う。


「特に無いのなら、この辺りを散策しようか。」


特に反対も無く、散策を開始する。


「アヤト、そこにある植物はな……」

「ほら、そこの石をひっくり返してみろ。」

「おっ、見たか?でかい魚が跳ねたぞ。」


歩き回りつつ父が植生やら昆虫、動物などいろんなことを教えてくれる。

そうして父の話を聞きつつ歩いていたとき、

ふと下を見ると、ちょうど円形で厚さが一サンチメーテ程の石が目に止まった。


「これは……」


「どうした?アヤト。」


父の声には気も止めず、その石を拾って握る。

中指から小指までを握り、親指と曲げた中指で上面と下面をホールドする。

その後、人差し指を縁に添えて……

体勢を低く構える。


「なにやってるんだ。」


「いいから見ててよ、お父さん。」


そして、その体勢から手首のスナップの利用と人差し指を引っかけることで

石に回転を与えつつ、水面に投げる。

一段……二段……三段、四段

あっ、沈んだ。

思ったよりできた方だけれども、

やっぱりこの体じゃあうまく回転がかけられないか。


「アヤト、今のは?」


「水切りっていう遊びだよ。お父さんやったことないの?」


「初めて聞いたぞ、そんな遊び。どうやるんだ?」


「それは――」


父に水切りのやり方を説明していく。

平べったい石を見つけること。

人差し指を添えるように持つこと。

投げるときは、低い位置から微妙に上向きになるように投げること。

また、そのときに石に強い回転をかけること。


パシャッ……ドボン。

パシャッ……パシャ、ドボン。

ドッボン。


どうやら父ははまってしまったらしい。

石を探しては投げ、探しては投げ、を繰り返している。

ただ、その最中にちょっと不穏な台詞が聞こえてきたのは僕の気のせいだろうか……


「これ研究したら、水上武器の開発つながるかもな……」

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