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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
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77 今日は出発です

「みんな公都は楽しめたか?」


ようやく退院したその日は公都から帰る日だった。

うーん、最後三日はずっとベッドの上だったけれど

総じて楽しかったと言えるかな。

みんなも頷いている。


「じゃあ、教会に寄ってから帰るぞ。」


父についていき、南地区の教会へと向かう。

経由した広場からは倒壊した会議場が見えた。

あんなになっていたのか……全く元の形をとどめていないぞ。

そこには何人もの人が集まって瓦礫を片付けている。

国にとって重要な建物が崩れたということで

その日には多少の混乱があったみたいだが、

もう公都には活気が戻っている。


そんな大通りを進んでいき約三ミニ。

教会にたどり着いた。

中に入ると、薄暗い礼拝堂に菊模様のステンドグラスから七色の光が差し込んでいる。

正面には×をかたどった像。これが信仰のシンボルだ。

その前で、事件の時に命にまでは危険が及ばなかったことへの感謝と

道中の安全をお祈りして、教会を後にする。


そういえば、この世界の宗教の神様って

あの神様ってことになるのか。

……なんかしっくりこないな。

だって、孫のけんかで事故を起こしたり、

去年なんかははうっかり僕を三日完徹にしてしまうとかいうポンコツ神様だぞ。


そんな事を考えつつ、宿の前に移動する。

そこには来るときと同じようなホーンシュヴァル車があった。

宿に預けてあった荷物を回収し、回収……し……


「お父さん、そのでっかいのは何?」


父が運んできた高さ一メーテ半はあるであろう箱のようなものに驚く。


「これか。これは魔導具だぞ。

うちに持って帰って研究だ。」


そう言いながらそれを荷台にくくりつける父。

固定が終わると、他の荷物の積み込みは完了していた。

それじゃあ、乗り込もうかというタイミングで


「ふぅ、間に合った間に合った。」


そんな声が聞こえてきた。

その方向を見ると、ディーさん達暁の旅団に加えてルーシェちゃんもいる。

そのみんなから見送られる。


「またねー。」


僕はそう返して手を振った。

車が動き出し、段々離れていく。

ディーさん達が人混みに紛れて見えなくなった頃気がついた。


あ、ルーシェちゃんの勘違いを正すの忘れてた……


こうして僕たちは約一週間過ごした公都を出て行くのであった。

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