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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
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73 ベッドの上は退屈……ではなかったようです2

入院生活二日目。

今日も暇だ。

魔力を右に~左に~

同時に両手に~


……はぁ。退屈さを紛らわせるために

長いこと身体強化の練習をしていたがやはり飽きてしまう。

また寝ようかと思っていたら、母が戻って来た。


「アヤト、借りてきたわよ。」


「ありがとう、お母さん。」


母は図書館で借りてきた本を僕に渡す。

今日はそのために外に出ていたようだ。

さて、どんな本があるかな――


『よく分かる魔法学史』

『ゼロからはじめる魔導具』

『なれる! 魔法学者』


……どこかで見たようなタイトルだ。

まあ、何処の世界にも同じようなセンスを持っている人が居るということだろう。


「図書館に魔法の本なんてあったっけ?」


「閉架の方にあるわよ。」


そういえば父がそんなことを言っていたような……

早速、魔法学史の本から読んでいくことにする。




魔法の魔法学としての歴史は実は浅く、

学問として成立してからまだ五十年ほどしか経っていない。

魔導具の重要部品である鉱石は握ると光を放つ石として

魔法学の成立以前からいろいろ利用されていたようである。

さて、その石の性質に目をつけ魔導具を作り出したのが

ベル・フォンターニュである。

その画期的な発明から魔法は広まり、研究が始まったのである。




最初の方を読むとこんな内容だった。

魔法の歴史は五十年なのか、意外と浅いな。

それより……


「フォンターニュ?

まさか……」


「そうよ。アヤトから見るとひいおじいちゃんに当たるわね。

それでうちは代々魔法研究者なのよ。」


まさか、魔法を生み出した家系だったとは……

驚きで止まってしまっていた

ページをめくる手を再び動かして読み進めていく。




その後、魔圧貯蔵結晶の発見や光-魔力変換素子の開発により

魔導具を使って起こせる現象の幅が広がっていった。

現在は、そもそも魔力とは何かなどを解き明かす基礎魔法学と

よりよい魔導具を開発していくことを主眼においた応用魔法工学が

魔法学のうちの大きな二分野となっている。




おおまかな流れとしてはこんな感じのようだ。


「お母さん、お父さんはどっちなの?」


「え?ああ、オスカーさんは魔法工学の方よ。

だけど、このまえ魔力は何であるかについて

基礎魔法の方の研究者と言い合いをしてたわね……」


本当にどっちも頑固なんだから……と遠い目をする母。


「はあ。そうなんだ。」


そう言いながら次の本に手を伸ばす。


そんな時、病室の扉がノックされた。

まずは母が応対し、

そして入ってきたのは

ディーさん達、暁の旅団のみんなと

銀髪の少女だった。

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